介護業界 嚙み砕き知識・ニュース

求人費用ゼロでも必要なスタッフ数充足 2人の経営者が共通して実践する「毎日の習慣」とは

介護業界の人手不足は相変わらず深刻です。
「高い求人広告費をかけているけど、全く採用できない。
採用してもすぐ退職してしまう」といった悩みを抱えている介護事業所も多いのではないでしょうか?
そういった中で、全くコストをかけない人材採用を実現している介護事業所も存在します。

人材サービス・求人サイト 8年間使用せず

地域密着型デイサービスを2ヵ所運営するある会社は、2013年の設立以来、ハローワークや求人サイト、人材サービス会社を1回も使ったことがないそうです。
また、同様にケアマネジャーへの営業活動も一切行ったことがありません。
では、どうやってスタッフや利用者を集めているのでしょうか。

それは、SNSなどでの情報発信です。
この会社の社長のSNSでのフォロワー数と、SNS上で参加しているグループのメンバー数の合計は約10万人にもなるそうです。
もちろん重複する人もいるでしょうが、それでも相当な数です。
このほかにもこの社長は情報誌の発刊、講演活動、書籍の執筆、最近ではYouTubeなど、様々なツールを通じて自分自身のこと、会社のこと、介護業界のことを発信しています。
その結果として、紹介や口コミなどでスタッフ・利用者を確保できているそうです。

同じような事例をもうひとつ紹介します。
数年前に20代の若さでデイサービスを立ち上げて起業した社長は、起業を決めたときからSNSで毎日「自分はどのような人物なのか」「自分が起業したら、どのような会社をつくりたいか、どのような介護をしたいか」を発信し続けました。
それを続けていくうちに「あなたと一緒に働きたい」などのメッセージが届くようになり、具体的な採用活動を全くしなくても事業開始に必要なスタッフ数を確保できたそうです。
その後も事業は順調に拡大しています。

投稿者の「素顔」を伝えやすいSNS

2人の経営者の共通点は「経営者自らのSNSで情報発信」です。
介護事業者は多くが中小規模のオーナー会社です。
良くも悪くも経営者の考えや個性が会社に反映されます。
求職者がその会社に魅力を感じるか、長く勤務しようと思うかは、結局のところ「経営者とどれだけウマが合うか」が大きいと言えます。
特に介護保険外収入が殆ど期待できない訪問介護やデイサービスでは、給与面で他社と大きく差をつけることが難しいため、求職者の目線は「経営者自身」に向きがちといえます。
経営者自身が発信を行うことが、彼らの目線を会社に向かせることになります。

経営者が自らの考えを発信する場は、SNS以外にも会社のホームページやパンフレットなど多くあります。
求人広告に経営者のメッセージを載せることもできるでしょう。
それに比べSNSが優れているのはなぜなのでしょうか。

有名人がネット上で「炎上する」ケースが最近増えていますが原因の殆どはSNSでの書き込みです。
SNSはいつでも気軽に発信できるため、投稿者の本音や素が出やすいという特徴があります。
そのため、発信内容が他人に不快感を与えたりすればたちまち「炎上」しますが、逆に「素」が見えたことが親近感などにつながり、高感度がアップすることもあります。
つまり「うまく『素』を出す」ことがポイントです。

経営者も同様です。
公式ホームページや会社のパンフレットの言葉はどうしても「余所行き」になりがちです。
しかし、求職者が知りたいのは経営者の人柄などといった素の部分です。
パンフレットと同じような内容では意味がありません。
もちろん、炎上しないように細心の注意の元で書き込みをすべきですが、失敗談、ちょっとした愚痴など「人間臭さ」があふれるような内容が閲覧者の印象に残りやすいといえます。

また、SNSは全く知らない世界中の人とでも繋がることができるというメリットがあります。
先に紹介した若手経営者はSNSで発信しているうちに、一面識もなかった介護業界の大物とつながることができ、起業前・起業後と様々なアドバイスをもらえたそうです。
SNSは人により「する」「しない」がはっきり分かれるツールですが、うまく使えば大きな武器になるでしょう。

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