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ヒヤリハット報告書ちゃんと書いていますか?

介護現場で働いておられる方は、ヒヤリハット報告書を書くようにと何度も言われたことのある経験はございませんか?ヒヤリハットとは、転倒などの事故にはならなかったものの、ヒヤリとしたりハッとした時の状況のことです。そんな状況を報告書としてまとめ、情報を共有することにより、事故が起こらないよう対策を立てるためにヒヤリハット報告書が必要となります。

なぜ報告書が必要なのか

ヒヤリハットがある状況に遭遇したという事は、後数秒遅ければ事故になっていた可能性があったと言えます。後数秒遅ければ転倒していたかもしれない、後数秒気付くのが遅ければ食事中に喉詰めをしていたかもしれない。介護施設では常にヒヤリハットや事故と背中合わせの生活だと考えてもおかしくないのかもしれません。そんな事故にならないように、ヒヤリハット報告書を上げ、現場での情報共有、分析、改善対策を立てることにより、事故を未然に防ぐことができるかもしれません。そして何より、ヒヤリハット報告書は、もしもの時に介護職を守るために、利用者の家族とのトラブルを避けるために必要な書類となってきます。

必ずしも事故が起こらないわけでは無い

ヒヤリハット報告書を書いていれば必ずしも事故が起こらないのかと問われると、実際そういうわけではありません。私が働いていた住宅型有料老人ホームですと、各部屋は利用者の方の住まいです。ナースコールや訪問介護時は居室に訪問しますが、それ以外の時間は皆様の自由な時間です。そんな中、車いすを使いご自身で居室内を移動されている方が居室内で車いすから転倒していた場合、これは避けようのない事故だと言えます。ですが、それが介護職員によるケア後の動線の確保や、脱いだ靴、車いすの置き場所、などの普段から行わなければならない物の配置等を忘れたことによる事故の場合、これは介護職員側に非があると言われてしまってもおかしくありません。これが理由で、骨折などが発覚した場合、家族とのトラブルは避けられないものとなるでしょう。

日頃の意識がケアの質を上げる

現場で働いているとヒヤリハット報告書を1日に何枚も提出される方もいらっしゃれば、1枚も出されない方もいらっしゃると思います。日々の業務が忙しく書こうと思っていてもそこまで手が回らなかったり、または、気が付いているけれど見過ごしておられる方もいらっしゃるかもしれません。ヒヤリハット報告書は出すように指示されて提出するものではありません。ヒヤリハットの状況に遭遇した時、なぜこのような状況になったのかを理解し、それに対する対策を整えることにより、ケアの質を上げ、働きやすい環境や、安心安全で住みたいと思っていただける施設に近づけることができると思います。
現状、介護施設はまだまだ人手不足です。一日バタバタと仕事をして退勤時にはクタクタになられている方も多いのではないでしょうか。そんな忙しい中でも、記録を書くことは必ず行ってください。その記録はあなたを守るものであり、施設を守るものに繋がります。利用者の方々の安全を確保し、日々リスクマネジメントするようにしましょう。

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