私のコラムの中に、施設で働いている時の体験談を書かせていただいていることがあります。その中で、高齢者の介護拒否の内容を少し書いているのですが、今回は、なぜ高齢者が介護を拒否するのかについて考えていきたいと思います

介護拒否をする理由とは?

介護施設に入居している高齢者の方が介護拒否をされる理由を考えられたことはありますか?ほとんどの施設スタッフの方が経験おありではないでしょうか。入浴の時間になり声掛けを行うと「昨日入ったから今日は入らない」「面倒くさいから今日は入らない」「自分の家でお風呂に入るから結構です」薬を飲んでもらうために声掛けをしても「これ何の薬?こんなんいらん」「こんな薬先生からもらってない」モーニングケア・イブニングケア時に「今日は服を着替えません」「今日は朝ごはんはいりません」などなど、そんなことを考えながら業務にあたっていると、今日は介護拒否が無かったなんて日もあると思います。介護拒否をされる方にはこんな特徴があると思われます。
① 認知症によって自分の状況を理解できていない
⇒今自分がどこにいて何をしているかなどの理解が出来ていない
② 介護に抵抗感を感じている
⇒高齢者の男性の方に多く見られるような気がしますが、「自分の事は自分でやる」とプライドをお持ちの方や迷惑をかけたくないとの理由で抵抗感を持っておられる
③ 体調不良
⇒文字通り体調が悪く動くのがしんどい
④ 薬の作用・副作用の影響
⇒精神薬や血圧を抑える薬など、薬の作用による意欲の低下
⑤ スタッフ・利用者の関係性
⇒担当スタッフの性別や信頼関係がどうか
⑥ 生活習慣
⇒今までのご自宅での生活習慣がどうだったか
などが考えられます。

イライラは伝わる

介護拒否をされるとイライラしてしまいませんか?施設では1日の業務内容がある程度決まっており、業務時間がずれ込むと、記録を書く時間や、帰る時間が遅くなってしまうなんてこともあると思います。できれば時間通りにケアに入り、時間通りに帰宅したいですよね。そんな事を気にしだすと、介護拒否される高齢者の方にイライラしてしまい、さらに状況が悪化して悪循環に入ってしまいます。イライラしている事は高齢者に伝わります。そんな時は、少し時間を置いて気持ちを入れ替えたり、上長などに相談して時間や対応するスタッフを変えてもらったりして、暴力的な行動や、怒鳴ったりなどはしないように気を付けましょう。嬉しい記憶は忘れてしまうのに、怒りや恐怖などの記憶は覚えていたりしませんか?高齢者も同じで、悪いイメージは何となくでも覚えておられることが多々あります。なので、怒鳴ったりして悪いイメージを持たれてしまうと、その高齢者の方の介助に入れなくなったりする可能性がありますのでスタッフ間で連携をしっかりと取り、1人で悩まないようにしましょう。

適切な介護を提供するために

高齢者の方が拒否をされた場合、まずは理由を聞いてみましょう。理由を聞いてみるとご自宅に住んでおられていた時の生活習慣が関係しているかもしれません、その場合、ケアの時間を変えてみると、すんなりケアをさせてくださったりする可能性もあります。また、話す時も優しい言葉使いで、ゆっくりと話すことを意識しましょう。介護をしているスタッフも人間です、私もイライラしてしまう事がありました。そんな時は周りにいるスタッフに相談し、みんなで情報を共有し解決できるようになると、心に余裕ができ、普段と違う方向から介護を提供できるかもしれません。普段から同じような介護をしていると何が正しい介護かわからなくなることもあると思います。そんな時こそ情報共有をしっかりと行い、スタッフが統一した介助を提供できるようになると、ケアの質も向上し、施設の評判にも繋がりますので頑張ってみてください。

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この記事を書いたコラムニスト

中川友貴 (ナカガワトモタカ)

株式会社ベイシス 営業部 シニア課

2016年 住宅型有料老人ホームで介護職員とし入社。3年目からサービス提供責任者を従事後退職。
2020年 株式会社ベイシスへ入社し、シニア事業部 主任に就任。 

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