高齢者の「集いの場」に男性が少ない! 課題解決の秘密は「スパルタ式」にあり?
デイサービスセンターやデイケア、自治体などが運営する体操や音楽といった各種教室、NPO法人やボランティア団体などによるコミュニティカフェなど、高齢者が「通う・集まる」場所は数多くあります。
人や地域とのつながりを持つことで、介護予防や認知症予防になるだけでなく、孤独死の未然防止や早期発見につながることから、助成金を出してこれらの活動を支援する自治体も少なくありません。
しかし、どこも「男性の利用が少ない」ということが課題であり、効果的な対策を生み出せないでいます。
しかし、ある自治体では、男性だけの高齢者の集いの場が次々に立ち上がっています。
例えば、昨年11月には「スポーツボイス」という運動と発声を組み合わせたトレーニングを楽しむ住民による任意団体が誕生しました。
昨年度に自治体が主催したスポーツボイス体験会の参加者たちが「自分たちでやりたい」と言い出して発足したもので、メンバーの平均年齢は80歳弱。
全員が男性です。
約半数が要支援・要介護認定を受けていますが、週に1回・1回2時間のプログラムには平均で15名程度が参加するそうです。
発足当時約20名だったメンバーは、1年足らずで1.5倍に増加しています。
「なぜ男性が積極的に参加するのか」「どうやってメンバーを増やしたのか」について、自治体担当者のコメントなどをもとに分析すると、次のようなポイントが見えてきます。
まずは、強力なリーダーの存在です。
男性の多くは会社など組織の中で長い時間を過ごしてきました。
組織には優秀なリーダーが求められます。
そのリーダーの元に団結して目標(この場合は元気な身体作り)に向かって行動するというのは、男性の方が性格的に向いていると言えます。
つまり、地域で顔役などになっている人にリーダーになってもらい、その人の声掛けなどでメンバーを拡大させていくという手法が上手くいったのです。
主要メンバーの中には、自らこの団体の名刺を作り、友人・知人や同じ病院に通う顔見知りなどに「よかったら一度参加してみないか」と勧誘している人もいます。
こうした行動も、かつてビジネスの最前線にいた経験のある男性にとっては「昔取った杵柄を発揮できる場」として嬉しいのかもしれません。
もっとも、リーダーの個性があまり強すぎたりすると「彼の元では一緒にやれない」などと分裂を引き起こす可能性もありますので、リーダー選びが非常に重要になります。
次に「妥協しない」という点があげられます。
この「スポーツボイス」は私も見学したことがありますが、非常に運動量が多く、正直なところ高齢者にとっては大変なものです(私はまだ50代ですが「とても無理」と感じました)。
しかし、そうした厳しいトレーニングをみんなで乗り切るという運動部のようなノリも、男性には「刺さる」ポイントと言えるのではないでしょうか。
この団体では、月4回のうち2回は機械の操作なども含め全て自分たちで運営していますが、マンネリを防ぐために残り2回は外部からの講師を招いて体操などの指導をしてもらっています。
その講師も男性であることが条件です。
その理由は「ビシビシとしごいてもらいたい。女性の講師だとどうしてもメニューが甘くなることがある」からだとか。
今の高齢者は自分自身が従軍した経験がある人は少なくなりましたが、戦前生まれの両親などから「男は強くあるべき」などと厳しく育てられることが一般的だった世代です。
今の観点からしたら少々スパルタ的と思えるぐらいの方が、しっくりくるのかもしれません。
もちろん全ての高齢者がそうという訳ではありませんが、男性参加者を増やすヒントにはなりそうです。
介護の三ツ星コンシェルジュ



