☆☆☆39 車いすでの「ずっこけ座り」の原因と予防
こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。
今回は
車いすでの「ずっこけ座り」の原因と予防
というテーマでお話していきます!
■あなたの周りにもずっこけ座りの人いませんか
あなたのまわりで、車いす上で姿勢がずれている人、いませんか?
お尻が前にずれて浅く座っている姿勢、この姿勢のことを「ずっこけ座り」と呼んだりします(すべり座り・仙骨座りとも言います)。他にも、左右に体が傾いたまま座っている方も。
これらの姿勢の崩れって、放っておくと実はとても怖い結果に繋がってしまうので、注意が必要なのです。
■ずっこけ座りによる弊害は
ずっこけ座りがどんな怖い結果につながるのかというと、ざっと下記のような症状です。
・仙骨部分の床ずれ(浅い座位姿勢は仙骨部分に圧が集中し床ずれの原因となります)
・円背姿勢(背中が曲がった姿勢)を助長
・崩れた姿勢の継続による体の変形・拘縮(体が固まってしまう)
・側弯(背骨が左右に曲がったままの姿勢)
・呼吸がしづらくなる・誤嚥のリスク増(背が丸まった姿勢は酸素を取り込みづらくなったり、誤嚥しやすくなります)
■ずっこけ座りの原因
では、車いす上でなぜずっこけ座りが発生してしまうのか、についてお話しすると・・・
・同じ姿勢を続けることが大変なので、姿勢を変えたくて、前にお尻をずらす
(体の不自由な方は、お尻を前にずらすことはできるが、お尻を深く座り直すことは困難)
・車いすが利用者の体に合っていないことによるずっこけ座り
(座面が長すぎる・短すぎる、足置きが低すぎる・高すぎる、肘掛けが高すぎる・低すぎる、座面が広すぎる・・・などなど)
健常者であれば、長時間同じ姿勢がつらくなったら、自力で深く座り直すなど簡単に姿勢を変えることができますよね。でも、体の不自由なお年寄りは「お尻を前にずらす」ということしかできません。
同じ姿勢つらい→お尻を前に→同じ姿勢つらい→さらにお尻を前に・・・という
姿勢の崩れに繋がっているのです。
さらに、車いすが利用者に合っていないと最悪です。
ただでさえ、同じ姿勢はつらいのに、足が足置きに届かなかったり、肘掛けが低すぎたり、座面が長過ぎたりすると、車いすに姿勢を合わせるために、ずれた姿勢でいなければ座っていられなかったりします。
合わない車いすを使うことで、体の変形や床ずれなどの二次障害に繋がってしまうなんて、なんとしても避けたいですよね。
■ずっこけ座りの予防
では、どうすれば解決できるのか、というと、
なによりもその人にあった車いすを使うことが重要!
座面は長すぎず短すぎず、足置きの設定もしっかり足裏が届く設定、座面には車いすクッションを敷きましょう。
肘掛けも高すぎず低すぎず、背もたれも背中のカーブに沿った張り調整ができて、本人の姿勢の角度に合ったものを使いましょう。
このあたりの話は、福祉用具専門相談員の適合技術も重要ですので、福祉用具専門相談員と相談しながら、ご利用者に合った車いすの選定・調整をしてもらいましょう。
■まとめ〜ずっこけ座りを防ぐためにできる限りの予防をしましょう
ということで、車いすのずっこけ座りについて書いてみましたが、ずっこけ座りを100%防ぐことは難しいとも思っています。
ただし、だからといってはじめから姿勢の崩れを諦めてはいけません!
車いすを合ったものに変えていくこと・調整していくことなど、予防できることをやっていくだけでも、ご利用者の苦痛は改善できるのです。完璧は無理だとしても、まずはやれることはやる!ですね!
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!
ではでは
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