福祉用具について

☆☆☆37 ティルト機能付車いすとリクライニング機能付車いすの違いについて

こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。

今回は
「ティルト機能付車いすとリクライニング機能付車いすの違いについて」
というテーマでお話していきます!

■ティルト機能とリクライニング機能の違い

車いすにはいろいろな種類があります。
ハンドリムがついていて自分で漕ぐことができる自走式タイプや、車輪が小さく介助者が操作する介助式タイプ、バッテリー内臓の電動タイプなどなど・・・。
そんな車いすの中でも、背もたれが倒せるタイプとして、
ティルト機能付き車いす・リクライニング機能付き車いすがあります。

■リクライニング機能とは

リクライニング機能はその名の通り、背もたれ部分がリクライニングする車いすです。背もたれが倒れることで、座位を保ちづらい方や、車いす上でゆったりもたれて過ごしたいという場合に便利な車いすです。
背もたれのみが動く機構なので、背もたれを倒すときは楽なのですが、背もたれを起こす際には体が前に押し出される形となり、体が前にずれやすいというデメリットもあります。

その結果、起こした際には、お尻と背もたれの間に隙間のできる浅い座位姿勢となってしまうのです。

■ティルト機能とは

リクライニング機能に対して、ティルト機能は何が違うかというと、ティルト機能は、背もたれと座面が一体的に倒せる機構のことです。座面も連動して動くことで、リクライニングでは起こす際に発生する前ズレも、ティルト機能では起こりづらく、良姿勢のまま背を倒したり起こしたりすることができます。

ただ、倒した際に上体の重みと下肢の重みがお尻に集中しやすく、ティルト機能のみ倒したまま長時間過ごされると、最悪お尻の床ずれのリスクにも繋がったりします。ティルト機能で背・座面とも倒して、さらにリクライニング機能で背を倒す、という2つの機能をうまく併用することが重要です。

■ティルト・リクライニング・エレベーティングの順番は

リクライニング機能は先にもお伝えしたとおり、背を起こした際に体が前にずれやすいというデメリットがあります。
そこで重要なのが、ティルト機能とリクライニング機能の操作の順番!正しい順序で操作をすれば、ズレを軽減した姿勢変化が可能になります。

・体を倒すときの順序
 ①ティルト機能下げる→②リクライニング機能下げる   

・体を起こすときの順序
 ①リクライニング機能上げる→②ティルト機能上げる

この順序で操作を行うことで、体のズレを軽減できます!

■もうちょっと操作をわかりやすくしてほしい・・・

このように、上手に使い分けることが重要なティルト機能とリクライニング機能なのですが、ちょっと操作がわかりにくかったりします。機種にもよるのですが、介助者用のブレーキレバーのすぐそばに同じ形状のレバーがついていて、左側がリクライニング・右側がティルトの操作レバーになっていたり・・・左右のブレーキレバーを含めて同じ形のレバーが4つもついていて、どれがどの操作なのかわかりづらい機種もあったり・・・。
個人的に、もう少しわかりやすくできないのかな?なんて思ってしまいます。介助の方がブレーキをかけようとして、誤ってリクライニングレバーを握ってしまい、リクライニングが倒れてしまって利用者さんがびっくりしてしまう、といったことも・・・老老介護でお年寄りの方が操作されることも多く、もう少しわかりやすくなるといいのですが、どうなんでしょう・・・


というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!

ではでは


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