☆☆☆28 介護保険でレンタルできるスロープの使い方・注意点について
こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。
今回は
「介護保険でレンタルできるスロープの使い方・注意点について」
というテーマでお話していきます!
■スロープは介護保険で手軽にレンタルできます!
車いすで移動する際に障壁となるのが、色々な場所にある段差です。そんな段差を安全に走行できるように!ということで、介護保険を使って手軽にスロープがレンタルできます!
ちなみに介護保険レンタルのスロープの定義は下記の通り…
「段差解消のためのもの」
「取付に際し工事を伴わないものに限る」
ということで、置くだけで使えるものが介護保険レンタルの対象となります(ネジなどで固定する場合は住宅改修工事の対象となります)
今の主流のスロープとしては、カーボンファイバーなどの軽量かつ丈夫な素材でできたタイプがほとんどです。2つ折りにもできるので、使わないときは軒下などにコンパクトに収納できます。
■選定時のポイント(「段差の高さ」と「スロープの長さ」)
そんな手軽にレンタルできるスロープですが、「どんなスロープを選べばいいのか?」選定する際の注意点についてお話していきますと…大事なのは、スロープの「傾斜角度」をどうするか?です。
傾斜角度は「①段差の高さ」✕「②スロープの長さ」によって決まります。
傾斜角度はざっくりで言うと、5°がゆるやか(自走で上がれる)、10°が標準(介助者が無理なく押せる)、15°が急勾配(介助者が押す負担大)、という目安です。
当然ですが、段差の高さが高ければ高いほどスロープの勾配が急になるため、勾配を緩やかにしたければ、より長いスロープを選ぶ必要があります。
例えば、段差30cmの場合、標準と言われる10°の傾斜にするには、約170cmのスロープが必要になります。
■注意点①スロープを降りた先にスペースが有るかを確認する
スロープを設置する際に見落としがちなのが、スロープを降りた先の踊り場スペースが有るかどうかです。事前に段差は●cm、スロープは■cmのタイプが置けそう、という情報を聞いて、実際に現地確認をしてみると、たしかに言われた寸法でスロープは置けるのですが、スロープの下端のすぐそばに塀が!
「これではスロープを降りたあとに車いすを転回するスペースもない!」なんてことに…
ということで、勾配は急になってしまうが、仕方なくスロープの長さを短くしたケースもありました。
■注意点②長過ぎるスロープの場合は一度に押すのが大変
あと、気をつけないといけないのが、たとえ傾斜を緩くしたとしても、長すぎるスロープは押し続けるのが大変ということです。介助される方の車いすを押す力も考えて余力を持って対応できる傾斜角度のスロープを選んでください。
■注意点③傾斜を降りるときは後ろ向きで
スロープを降りる際の注意点として、必ず後ろ向きで降りることが重要です。前向きに降りてしまうと、ご利用者が車いすから転落してしまうリスクがあり大変危険です。必ず後ろ向きで降りるようにしてください。
■今のスロープはバリエーションも増えていろんなケースに対応可能!
そんな介護保険レンタル用スロープですが、今は商品のバリエーションが増えていろいろな環境でも対応できるようになりました!
たとえば、スロープを2つ繋げてより長い距離が対応できるようになったり
写真出典︓ケアメディックス株式会社「ケアスロープJ(ジェイ)専用 ジョイント台(CS-J)」
(最終アクセス 2022 年8月17日 掲載許可済み)
http://www.caremed.co.jp/goods/joint.htm
スロープの向きを途中で変えて使えるタイプがあったり
写真出典︓株式会社シコク 「L スロープFK」(最終アクセス 2022 年8 月17 日 掲載許可済み)
https://www.sk-shikoku.co.jp/products/slope/entry-181.html
ということで、選定の幅が広がるとともに、大掛かりな住宅改修工事をせずに、レンタルで手軽に段差解消できるケースがふえました。
こんな手軽で便利なレンタルスロープを、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか?
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!
ではでは
私のブログです(もしよかったら見てみて下さい!)