介護の負担増が介護経営を直撃!!(2021年8月実施の介護報酬改定より)

昨年8月に介護保険制度改正が行われ、利用者の負担が増加したのは皆さんもご存じのとおり。

制度改正の主な内容は
・補足給付の負担増(特定入所者サービス費)
・高額介護サービス費の見直し
財政が厳しい介護保険の持続のために、利用者に負担増が求められました。

「補足給付」者の負担増が介護施設経営を直撃

「補足給付」とは介護保険施設(特養、老健etc)やショートステイを利用する低所得者を対仕様にした救済措置。
今回の見直しでは、第3段階(課税年金収入額+非課税年金収入額=合計所得金額が80万円超えで、かつ世帯内に市町村民税課税者がいない人)の方を(比較的所得が高い高齢者)(1)と(2)(本人年金収入等が120万円超えの人)に分け、(2)の層を狙い打ちしたもの。

補助額が縮小したため、介護保険施設での食費の自己負担額が、これまでの650円/日から1,360円/日の2倍以上に増加。
これらより、月額で22,000円程度の自己負担が増えることに。
ショートステイでも同様に、食費の自己負担が650円/日から1,300円/日の2倍増となりました。

結果、特に老健の経営を直撃した模様。
改正前は補足給付対象者が13万2,501件だったのに対し、改正後は11万5,489件と約2万件の減となっています。
利用者からは、「今までとサービスの内容が同じなのに、なぜ料金が上がるの?」との不満が寄せられています。

老健やショートステイはコロナ禍による利用者減に加え、自己負担増による利用者減が加わり、経営的にかなり打撃を受けた施設が多いよう。
老健はリハビリ促進、ショートステイは介護者のレスパイト+リハビリとその使命は在宅介護を行っている利用者および利用者家族には大変重要なもの。

安易な負担増により、要介護者のADL悪化につながってしまっているのではないでしょうか?
 

高額介護サービス費の利用者負担上限額UPが特定施設経営を直撃

高額介護サービス費の見直しは介護事業者にどのような影響を与えたのでしょうか?
今回の改正により、収入約383万円以上の現役並み所得者の負担滋養減額が、一律44,000円/月だったものが、770万円以上1,160万円未満(課税所得380万円以上690万円未満)の方が、93,000円、それ以上の方は140,100円に引き上げられました。

これにより最も影響を受けのが、特定施設の入居者。
同サービスは有料老人ホームやサ高住等比較的所得の高い方が利用しており、自己負担2割の対象者が21,308人、3割負担の対象者が21,787人います。

特定施設の介護基本報酬は要介護1で161,400円/月、要介護5で242,100円/月。3割負担の入居者だと、それぞれ48,420円/月、60,660円/月の負担額となり、自己負担額がこれまでの44,400円/月から大幅にアップされる結果となっています。

これにより、業界では、今後の利用控えに警戒感を持っているのが事実。
今後の利用者の動向が気になるところです。
 

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この記事を書いたコラムニスト

荒牧誠也 (アラマキセイヤ)

コラムサイト介護の三ツ星コンシェルジュ編集長

株式会社ベイシス 取締役シニア事業部長
1964年 大阪府大阪市生まれ
1988年 関西電力㈱入社。介護事業子会社 ㈱かんでんジョイライフや医療関係子会社 ㈱かんでん在宅医療サービスの設立や運営に従事。関西電力グループのメデイカル・ヘルスケア事業の企画業務や㈱京阪ライフサポートのM&Aに従事後退職。
2017年 関西電力㈱を退社。㈱ベイシスの取締役シニア事業部長に就任。

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