時代時代の流行りすたりもあり、各世代の話題は違ってくるもの。
75歳以上が後期高齢者と言っても、95歳の方と85歳の方では話題も変わってきます。
まして、医療・福祉で働く方々は若い方が多く、人生の大先輩である高齢者の方々と長くお話をするのは大変ですよね。
傾聴ボランティア団体の「PORO」では、医療・福祉の世界、高齢者の方々と接する若い世代向けに、お話しきっかけ集「つむぎ」を毎月発行されています。
季節や行事、自然、食べ物、暮らしの中から、高齢者とのおしゃべりが弾むテーマを、月別にご紹介します!

今回はその3月号から、3月(弥生 やよい)の話題をご紹介します。

3月のキーワード

■いちご
クリスマス頃から店頭に並びますが、露地物の旬は3~5月頃。
春のいちごはしっかり熟していて、甘みが強いのが特徴です。
ビタミンCが豊富で、レモンの約1.5倍も!
品種が多く、さまざまな大きさや味、色合いを楽しめます。
畑でいちごをつんだという高齢者もいらっしゃるのでは?

■おぼろ月
おぼろ月とは、春の夜空に、ぼんやりかすんで見える月のこと。
日本では古来から風情のあるものとされ、俳句や短歌、文学などにも登場します。
かすんで見える理由は、春に発生する霧やもや。温暖前線が近づいているサインでもあり、
おぼろ月になると天気は下り坂だそうです。

■お水取り
お水取りは東大寺の二月堂でおこなわれる行事で、正式には修二会(しゅにえ)といいます。
12日の夜、本尊に供える香水を汲み上げる行事があることから「お水取り」の名で呼ばれます。
お水取りが終わる頃には暖かくなるため「春を告げる行事」としても知られています。

■タンポポ
野原やあぜ道、道ばたなどに「タンポポ」が咲いているのを見ると、春を感じますね。
タンポポは黄色い花を咲かせる野草のイメージですが、江戸時代に急激に普及し、
愛好家たちのために多くの園芸品種が栽培されていました。赤や黒のタンポポまであったそうですよ。

■ぼたもち
日本では昔から、お彼岸に家族でお墓参りをする習慣がありました。
春のお彼岸でお墓に供えたり、みんなで食べたりするのが「ぼたもち」。
小豆の赤い色に魔除けの効果があると信じられていて、邪気を払う食べ物とされています。
その時期に咲く花にちなんで「牡丹餅=ぼたもち」と言うそうです。

知っておきたい、こんなこと!卒業式で歌われていた『仰げば尊し(あおげばとうとし)』

『仰げば尊し』は、明治時代から伝わる文部省唱歌で卒業ソングの定番です。
文部省唱歌の大半は外国曲が元になっていますが、
これの原曲は長い間不明でした。一橋大学の桜井雅人教授が探し当て、
19世紀アメリカの合唱曲『Song for the Close of School』と
分かったのは、平成23年(2011)のことでした。

 最近の卒業式では歌われなくなった「仰げば尊し」。
その理由は歌詞が古くて難しく、子どもたちには理解できないこと。
また2番の歌詞にある「身を立て名をあげ」が、
出世だけを求めすぎていると嫌われたようです。

原曲も卒業の歌ですが、テーマは友達との別れ。
日本では卒業する生徒が教師に感謝するストーリーにされているので、反発を招いたのかもしれませんね。
でも高齢の皆さんはきっと覚えておられると思います。

石原慎太郎・裕次郎兄弟と 『太陽の季節』

石原慎太郎さんが亡くなりました。
東京都知事などを務めた政治家のイメージが強いと思いますが、
本業は小説家で昭和30年(1955)に発表され、
第1回文學界新人賞を受賞した『太陽の季節』が、良くも悪くも評判となりました。

裕福な家庭に育ち、サングラスにアロハシャツという服装の若者が主人公。
夏の海辺などを舞台に無秩序な行動をとるストーリーが倫理性に欠けるということで、
文壇では不評でした。しかし翌年映画化され、“太陽族”という流行語も生まれました。
その後『処刑の部屋』『狂った果実』なども映画化されて大ヒットしました。

慎太郎さんの弟の裕次郎さんは、若者文化のアドバイザーとして映画の製作に参加していましたが、役者が足
りなくなり急きょ出演、これをきっかけに昭和の大スターとなりました。高齢の皆さんで、石原裕次郎さんの
ファンも多いのでは。

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この記事を書いたコラムニスト

昭和の思い出つむぎ隊 (ショウワノオモイデツムギタイ)

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