介護施設での暮らし

お話きっかけ集「つむぎ」 1月

時代時代の流行りすたりもあり、各世代の話題は違ってくるもの。
75歳以上が後期高齢者と言っても、95歳の方と85歳の方では話題も変わってきます。
まして、医療・福祉で働く方々は若い方が多く、人生の大先輩である高齢者の方々と長くお話をするのは大変ですよね。
傾聴ボランティア団体の「PORO」では、医療・福祉の世界、高齢者の方々と接する若い世代向けに、お話しきっかけ集「つむぎ」を毎月発行されています。
季節や行事、自然、食べ物、暮らしの中から、お話きっかけ集 つむぎ 高齢者とのおしゃべりが弾むテーマを、月別にご紹介します!

今回はその1月号から、1月(睦月 むつき)の話題をご紹介します。

1月のキーワード

■祝い肴
おせちの「一の重」に入れられる料理で、数の子、黒豆、田作り(関西ではたたきごぼうも)を「祝い肴三種」と呼びます。
数の子は魚卵の多さから「子孫繁栄」、黒豆は「まめに働く、まめに暮らす」、田作りは小魚を畑の肥料に使ったことから「五穀豊穣」などの願いが込められています。

■羽根つき
お正月の遊びとして親しまれてきた羽根つき。
羽根をつくことで「厄をはねよけ」、その年の無病息災を願うという意味が込められています。
江戸時代には、女の子のお正月遊びとして定着。
めでたい縁起物として、年末に女の子に羽子板を贈る習慣も生まれました。

■花柄の卓上ポット
寒い冬、温かいお茶やコーヒーを手軽に飲めるようにしたのが卓上ポットです。
特に花柄のポットは高度経済成長期とともに大ブームに。
食卓を華やかにしてくれるこの卓上ポット、「うちの家にもあった」という高齢者も多いのではないでしょうか。

■白菜(ハクサイ)
鍋物に欠かせない白菜ですが、実は、日本に入ってきたのは明治時代。
普及したのは大正時代と、意外に歴史の浅い野菜です。
11月~2月が旬、低カロリーでヘルシーなだけではなく、ビタミンCのほか、食物繊維やカリウムなど栄養も豊富です。
風邪予防にもなる白菜、たっぷり食べたいですね。

■葛湯
平安時代から飲まれてきた葛湯、高齢者にも馴染みのある飲み物ではないでしょうか。
葛の根を粉にしてお湯や砂糖を加えたとろみのある葛湯は、満腹感があり、体も温めてくれます。
現在はお菓子として親しまれていますが、葛の根には解熱や整腸作用もあり、風邪気味の飲み物にもぴったりです。

知っておきたい、こんなこと!再びブームの「純喫茶」

日本に初めて喫茶店ができたのは明治時代。
明治後期には庶民にもコーヒーが広まり、純喫茶、喫茶店、カフェなどができました。
「純喫茶」とは、酒類を提供しない喫茶店のこと。
接客をする女給(じょきゅう)のいる「カフェ」や、サンドイッチやケーキなどの軽食が出される「喫茶店」とはちがい、純粋にコーヒーを楽しむお店として今に続いています。

昭和のレトロっぽさが残っているのも、純喫茶が見直されている理由です。
ヴィンテージものの家具が置かれていたり、こだわりのコーヒーカップが使われていたり。
スタイリッシュな今どきのカフェとはちがう雰囲気の中で本を読んだり、ただコーヒーを飲んだりしながら、時間と空間を楽しむのもおすすめです。
高齢の皆さんも、純喫茶での素敵な思い出をお持ちではないでしょうか。

紙と鉛筆だけで楽しめる俳句と川柳

人気TV番組の影響もあってか俳句が人気です。
俳句と同じく、五七五からなる文学に川柳があります。
俳句と川柳のルーツは「連歌」という貴族の文学。
それを庶民が親しみやすく滑稽にしたものが俳句と川柳です。

たとえば「古池や蛙飛びこむ水の音」が俳句、「芭蕉翁ぼちゃんといふと立ち留まり」が川柳。
どちらも松尾芭蕉がカエルが池に飛び込む音を聞いたことをよんでいますが、俳句には「季語」を入れる決まりがあり、ここでは「蛙」という春の季語が使われ、自然や四季を大事にしています。

毎年、生命保険会社から発表される「サラリーマン川柳」がよく知られていますね。
2021年の1位は「会社へは 来るなと上司 行けと妻」でした。
施設でも俳句や川柳を楽しんでみては?

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