高齢者の病気・疾患

要介護の原因は?・・・要介護の原因疾患と入院期間

昨日まであんなに元気だったのに・・・。介護の原因疾患は?

皆さん、「自分や自分の両親は年齢より若い」と思っていませんか?
我が国が豊かになったことや、健康ブームの到来で、以前より世代ごとの”見た目”は昔と比べて10歳くらい若返ったように思われます。
 
でも、「気は若くても体は正直」。
シニア世代は、加齢による身体機能の低下が徐々に始まってきています。
車で言えば「中古車」。
自身の体のメンテナンスには気をつけたいものです。

65歳以上の方の要介護の原因疾患は何か?
厚生労働省のデータによると、
・第一位「認知症」で18.7%、第二位「脳卒中」で15.1%、第三位「高齢による衰弱」で13.8%
男性は、
・第一位「脳卒中」で23.0%、第二位「認知症」で15.2%、第三位「高齢による衰弱」で10.6%
女性は
・第一位「認知症」で20.5%、第二位「高齢による衰弱」で15.4%、第三位「転倒・骨折」で15.2%
「認知症」への備えは男女とも重要になりますが、男性は「脳卒中」、女性は「転倒・骨折」への注意が必要なことがわかります。

男性に特に多い「脳卒中」ですが、女性も11.2%で第五位にランクイン。
脳卒中は、脳の血管に何らかの障害が起こる病気の総称ですが、大きく分けると“血管が詰まって起こる障害”と“血管が破れて起こる障害”の2種類に分けられ、血管が詰まって起こる障害のひとつとして「脳梗塞」が挙げられます。

厚生労働省が1998年から3年にわたって研究した「脳梗塞急性期医療の実態に関する研究」によると、発症した年齢の平均は、男性が68.7歳、女性が73.6歳。男性は60代で発症するのですね。
60代で発症してしまうと、要介護期間は10年程度かかってしまいます。

脳梗塞の原因は高血圧、糖尿病、脂質異常症の3大生活習慣病のほか、喫煙、過度の飲酒、運動不足、食事など。
特に、糖尿病との関係が強いようです。
脳卒中になってしまうと、次に怖いのが認知症。

そう考えると、「脳卒中」にならないよう、特にシニアは生活習慣病に気を付ける必要が高いのではないでしょうか。

「脳卒中」の入院期間

脳梗塞を発症した場合、点滴治療、および初期のリハビリなどで一般病院に入院する期間の平均は約20日前後です。
脳梗塞は発症した患者さんの年齢にもよりますが、発症後に手足の感覚麻痺など中等度の障害が残るケースが最も多く、その場合は+20日くらいの治療とリハビリが必要になります。

寝たきりの状態や、重度の運動障害が残っているケースでは、一般病院での治療が終わった後、すぐに自宅で生活することが難しいため、同一病院内でのリハビリ専門の病棟への転科や、回復期リハビリテーション専門病院へ転院するなどして、引き続きリハビリを行うことになります。

重症の脳梗塞のケースでは、一般病院での治療と初期のリハビリで1ヶ月~2ヶ月。
その後、回復期リハビリ病院等で5~6か月程度の入院が必要になってきます。

リハビリ病院では、できるだけ早く自宅へ戻る、または社会復帰をすることを目的に、土日祝日も含む毎日リハビリを行い、1日最大3時間も集中してリハビリをするそうです。
脳梗塞になった場合、初期の治療を行った一般病院+回復期リハビリ病院等の入院で、入院期間は7〜8ヶ月間程度となります。

入院期間は長いようで短いもの。一般病院入院後、すぐに介護の準備にかかりましょう!!

脳卒中を始め、要介護の原因となる疾患に係る入院期間をまとめてみました。
・骨折(特に大腿骨骨折)の場合→一般病院1ヶ月+回復期リハビリ病院3か月=合計4か月程度
・肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を起こしている場合→一般病院1ヶ月+回復期リハビリ病院3か月=合計4か月程度
・股関節又は膝関節の置換術後の状態→一般病院1ヶ月+回復期リハビリ病院3か月=合計4か月
・心疾患の場合→一般病院1ケ月
・認知症治療のための入院期間→精神科病床で平均3か月程度
(※あくまで目安の数字です。具体的な疾患、治療内容により異なりますので、入院された病院のメデイカルソーシャルワーカー等にご確認ください。)

以上を見ていただければわかるように、シニアの場合、病に倒れてから1ヶ月~8か月で退院後の介護の方針について決定し、介護サービスの選択や施設入居の決定をしなければなりません。

方針が決まらなければ、とりあえず介護保険でのリハビリ施設である老人保健施設への入居を行うことにより、更に3~6か月(老人保健施設での入居期間)の猶予は生まれます。
ただし、老人保健施設に入居するには、要介護認定が必要。入院時に認定を受けている方は良いのですが、受けていない方は、入院後すぐにでも申請を行ってくたでさぃ。

いずれにせよ、一般病院に入院後、すぐにでも入院された病院の主治医、担当看護師、メディカルソーシャルワーカーと言った専門職の方々に相談し、退院後の準備に取り掛かることをお勧めします。

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