withコロナで通所介護(デイサービス)はどうすれば良いのか

6月から利用者は戻ってきたよう

新型コロナウィルス感染症による利用控えで最も大きなダメージを受けたのが通所系サービス。
特にデイサービスは全国介護事業者連盟の調査によると約9割の経営に影響を与え、減収率も20%を超える事業者が1/3と大きなダメージを受けました。
特にリハビリ特化型の短時間デイービスに影響が大きく、リハビリ特化型デイサービス大手の㈱ポラリスによると、4月、5月の売上高は2月に比べると25%近く減収となった模様です。利用者の利用控えが大きな原因です。

ただ6月に入るとどの事業所も利用者が戻り始め、利用者数が増加に転じているようです。
ですが、8月以降、感染の第二派が出始め、利用者が増加に転じても、感染への警戒は緩められない状況が続いているようです。

利用控えによる事業者の経営への影響も重要な問題ですが、利用控えによる利用者さまの身体機能低下も気になります。
7月22日に日本デイサービス協会が、機能訓練をメインに行う短時間デイサービス利用者の、利用控えによる身体機能への影響を京都大学大学院医学研究科と共同で調査し報告書を公表しました。

1週間以上休んだ利用者は相対的な大きめの動作で悪化が顕著

同調査は、短時間デイサービスを1週間以上休んだ利用者741人に対し、「BI(バーセナルインデックス:ADLの評価方法の一つ身体動作と移動動作を全10項目で評価)」、握力、左右の開眼片足立ち、CS-30(椅子に座った状態から30秒間で起立、着座動作を繰り返す評価方法)、TUG(timed up&go test)の項目で評価し、結果を解析したものです。

結果、利用を休止する前後で比較すると、
・BIおよび体力測定値(握力/開眼片足立ち/CS-30/TUG )の いずれにおいても、欠席前に比べ欠席後は悪化する傾向が見られた。
・BIのいずれの項目(食事・移乗・整容・トイレ・入浴・歩行・階段昇降・ 着替え・排便/排尿コントロール)において、特に歩行、階段昇降、移乗といった相対的に大きめの動作で悪化が顕著
という結果になりました。

同調査では、
・欠席日数が1カ月以上に及ぶと、また介護度が高くなるほど、 TUGの悪化傾向は強まっていた
・欠席後に有意に悪化する傾向がみられた。一方で、通常利用時のTUG値(直近と3か月前の比較)は、有意に改善する傾向が確認された。すなわち、デイサービスの利用で身体機能の維持・改善が期待されるところ、新型コロナ感染症による長期欠席により身体機能は悪化していたことが明らかになった。
と結論付けています。

この結果から考えると、新型コロナウィルス感染症の第二派に備えつつ、事業者は通常どおりサービス提供を行い、要介護者の身体能力の回復・維持に努める必要があることがわかりますよね。

withコロナで通所介護事業者に求められる対応策は

ではデイサービス事業者は、今後どのように注意して、利用者さまへのサービス提供を行っていけばよいのでしょうか?

考えるべき対応としては以下の5点
①利用控えへの対応
⇒(休止している)利用者さまへの恒常的なアクセスの継続(自宅で指導できる運動プログラムの用意や訪問・電話でのサービス提供)
⇒職員の休業・復帰の的確な判断による経営環境の改善

②利用者の身体機能維持・改善
⇒休止している利用者さまへの恒常的なアクセスと自宅で出来る運動プログラムの提供による機能評価の実施

③感染予防
⇒利用者さまの健康状態の把握、消毒の徹底、密を避けるレイアウト、職員の行動規制のルール化、マスク・消毒液等衛生機材の確保、利用者さまへの注意喚起

④感染予防コスト・減収の補填
⇒介護報酬の特例の活用、雇用調整助成金など助成金の活用

⑤新しいサービス提供形態の検討
⇒オンラインを活用したサービス提供や自立支援訪問介護の実施

こういう時こそ、事業者の垣根を超え、良いサービス、新たなサービスを提供している他事業者に学び、利用者様に喜ばれるサービス提供施策を検討していくことが、利用者さまへの利益にもつながるのではないでしょうか。

この記事を書いたコラムニスト

荒牧誠也 (アラマキセイヤ)

コラムサイト介護の三ツ星コンシェルジュ編集長

株式会社ベイシス 取締役シニア事業部長
1964年 大阪府大阪市生まれ
1988年 関西電力㈱入社。介護事業子会社 ㈱かんでんジョイライフや医療関係子会社 ㈱かんでん在宅医療サービスの設立や運営に従事。関西電力グループのメデイカル・ヘルスケア事業の企画業務や㈱京阪ライフサポートのM&Aに従事後退職。
2017年 関西電力㈱を退社。㈱ベイシスの取締役シニア事業部長に就任。

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