失敗しない老人ホームの選び方~急いで老人ホームを選ぶ必要のある方へ!!!~
老人ホーム入居紹介会社が決まったら
前回のコラム(「老人ホーム入居紹介会社の選び方」)で自身やその家族に合った介護施設選びの近道は「有料老人ホーム入居紹介会社」を頼るのが最も近道だと説明し、紹介会社選びのノウハウをお伝えしました。
自身が信頼できる相談員に出会い、その相談員の勧めるホームに入居することがミスマッチを少なくする最も良い方法です。
有料老人ホーム入居紹介会社は大抵2~3箇所のホームを勧めてきます。
それぞれに好みがあり、事情があるため、1箇所のみをお勧めすることは少ないと考えて下さい。
依頼者の希望に合わせ、複数のホームを提示するのが一般的なシステムです。
では最終的に入居先を選択する場合にどうすれば良いのか。
今回はその方法についてご説明していきましょう。
相談員と一緒に開示情報でそのホームを分析する
入居候補先を決められたら、そのホームから「重要事項説明書」を取り寄せて下さい。
重要事項説明書は行政が定めた様式で、有料老人ホーム運営に欠かせない情報が網羅されています。
掲載されている内容も、各自治体ほぼ同じです。
掲載されている内容ですが、
・配置されている職員の資格
・離職率
・介護職員の資格、経験年数
・職員配置数
・看取り人数
・食事の提供方法
・入居者の平均介護度、男女比率、平均年齢
・協力医療機関
・夜間の配置人員
等ソフトに関わるものから、
・居室の広さ
・共用施設の広さ
・浴室の数・種類
等ハードに関わるものまで様々な情報が掲載されています。
事業者は、この重要事項説明書の開示義務がありますので、開示を要求してみましょう。
パンフレットやホームページに書いてある内容よりも詳細の内容が沢山掲載されています。
もし、開示を拒む事業者であれば、そのホームに入居するのは辞められた方が無難です。
ただ掲載されている情報は、素人では中々解読するのが難しい場合もあり、紹介会社の相談員に疑問点を提示し、説明してもらうのが良いでしょう。
疑問点を相談員から施設に聞いてもらうことをお勧めします。
良く、ノウハウ本には、公的機関から発信される情報は「現実的ではない」「実務に役に立たない」「新鮮味がない」等書かれていますが、そんなことはありません。
確かに、離職率が高い原因、細かいサービスの内容、看護職員の配置時間帯等までは書かれていません。
また行政が、「このホームは少しおかしい」、「このホームのハードは粗末」等とは絶対に言いませんが、自身やその家族に合ったホームかどうかを評価するのに必要な情報が掲載されているのは事実です。
最後に入居先を決める前に、信頼できる相談員とともに重要事項説明書の内容を分析するのは欠かせない作業です。
あとは迷わず入居へ
信頼できる相談員と重要事項を分析し、入居先を決める。
その後で、行う必要のない行為をアドバイスしておきます。
①入居を決めるホームに関し知人や友人に評判等の相談をしない
⇒良くあるのがこのケース。知人や友人に入居候補先について相談し、不必要な情報を入手し迷ってしまう。
友人・知人も悪気はありません。むしろ親切心で言ってくれます。
でも入居される本人の状況や希望を知っているのは、ご自身と相談員。
最後の最後でこの手の情報で迷わないようにしましょう。
②テレビや雑誌、インターネット情報に惑わされない
⇒良くあるのが「ランキング」。ランキングが正しくないとは言いません。
ただテレビや雑誌が取り上げるホームは全体のごく一部。
これらの情報は非常に効果的なツールと言えますが、活用する側に一定レベルの知識や経験がないと誤解が生じ、結果として不幸になってしまいます。
ランキングはやみくもに信用せず、ランキング方法や客観的な事実も加味されているかを調べてから活用しましょう。
③介護関係者や医療関係者から情報を入手しない
⇒最後の最後に御世話になっているケアマネジャーやかかりつけ医に相談する。
施設に入居する為の引継資料として、これまでのサービス提供状況、診療情報を提供いただくために両者に話をするのは必要となります。
特に診療情報は、場合により命に関わる情報もあるので、必ずホーム側へ情報提供を行う必要があります。
その折に、「このホームについて何か情報知りませんか?」「評判をお聞きになっていませんか?」というような相談をするのは辞めた方が良いでしょう。
ケアマネさんも医師も基本的に親切な方が多いのですが、有料老人ホームに詳しい方は少ないです。
利用者側、患者側に質問されれば、親切心から曖昧な回答をしがちです。そんな情報で最後の選択を誤ってしまう場合が多々あります。
以上の事を参考に有料老人ホーム選びを進めていけば、きっと良いホームに入居できるのではないでしょうか。