相続・終活の事前準備

知っておきたい「空き家活用」のための情報源

全ての住宅に占める空き家率は13.6%

総務省が発表した「平成30年住宅・土地活用調査」によりますと、空き家は全国で849万戸。実に総住宅数の13.6%にのぼります。

毎年増えていく空き家の中で特に注意しなくてはいけないのが、売却用、賃貸用でもない、放置されている「その他住宅」というものが349万戸もあること。実に、全ての空き家のうちで41%を占めています。

それらの空き家は、いずれは廃墟化し、最終的に所有者不明で行政が取壊しの代執行をしなければなりません。
草津市の9戸のマンションの例が全国的なニュースになっていましたので皆さんもよくご存知のことでしょう。

空き家問題の解決の鍵は「利活用」と「事前対策」。
事前対策については言うまでもなく、相続に関する早めの話し合い。
住宅は、メンテナンス次第で財産にもなれば負債にもなります。
親が認知症になる前に、どのように家を利用していくのか、次の世代にどう引き継ぐのか、親の介護資金として処分してしまうのか。親族も含め話し合うことが大事で、もしお子さんが利用しないなら早めに対策を打つことが大事です。特に親に認知症の可能性があるなら、一時も早く動く必要がありますので注意しましょう。

知っておきたい特定空き家等に対する措置

空き家を処分せずに、ズルズルと保有していると、行政から様々なペナルティが付加されます。

特に知っておきたいのは「特定空家」への認定。
倒壊等の危険がある、衛生上有害となる恐れがある、景観を損なっている、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切と認められるなど、適切に管理されていない空き家は「特定空家」に認定されます。
認定基準は国土交通省のガイドラインに基づき、地域の特性に応じて定められます。

特定空家の認定方法とペナルティ
・行政による空き家の調査
・特定空家に認定 ⇒ 指定される要因となった箇所を改善すれば指定解除
・助言・指導
・助言指導に従わなければ勧告 ⇒ 固定資産税のペナルティ(住宅用地の固定資産税の優遇措置(敷地200㎡までは1/6、それを超える部分も1/3に減額)がなくなり更地並み課税される)
・命令に従わない場合 ⇒ 最大50万円までの罰金
・行政代執行 ⇒ 代執行の費用は所有者に請求される。従わないと資産の差し押さえ。

こういうペナルティを付加される前に対策をとっておく必要がありますね。

住宅の利活用の情報源は?

自分たちでは、住む、活用をする必要がない。
でも処分はまだ出来ない。一般的な賃貸に回すにはリフォーム費用がかかり、回収が難しい。

そんなことで悩んでおられる方も多いと思います。
そんな方々のために、現状、様々なサイトで「住宅セーフティネット」が用意されています。
それらの情報源をご紹介していきましょう。

入居者を住宅確保要配慮者(高齢者、低所得者、被災者、子育て世代等)に広げ、空き家の利活用を進める制度があります。
それが2017年からスタートした新しい住宅セーフティネット制度です。
「最近、高齢化率の進展や極端に増える災害、各自治体による子育て支援の実施等により、財政的に増やすことが出来ない公営住宅に代わり、空き家を活用していこう」というのがこの制度。
住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅を登録し、都道府県等が住宅確保要配慮者に情報を提供する。さらに登録した住宅に関しては改修を支援、入居者には家賃補助等の経済的支援も行っています。

賃貸住宅への入居に係る情報提供、相談、見守りなどの生活支援も行っており、都道府県が居住支援活動を行うNPO法人などを居住支援法人として指定しています。

改修費の支援を受けて幅広く借り手を募る。
これも空き家の利活用の選択肢の一つと言えます。

移住・交流の活性化の一つにも役立つ空き家

最近地方自治体が進めている「田舎暮しのススメ」。
これにも空き家の活用が欠かせません。

行政は田舎に移住してもらうために、様々な経済的支援、仕事の紹介を行っていますが、住むところの紹介も一つの柱。
地域の空き家を活用した移住支援も空き家対策には欠かせない要件の一つです。

ここでご紹介したいのが、「ニッポン移住・交流ナビ」。移住・交流支援機構が運営している全国版の情報提供サイトです。
・空き家情報
・お仕事情報
・イベント情報
・自治体支援制度検索
等、移住に必要な情報が全国的に検索できる優れものです。

こういうサイトに空き家を登録し、空き家の利活用を行うのも一つの選択肢です。
楽しいサイトですので、一度覗いてみられると良いかもしれません。

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