相続・終活の事前準備

民法改正!!!相続が変わりました 2

民法改正に見る相続編の改正概要

昨年、およそ40年ぶりに民法が改正されました。

相続に関する主な改正内容は、
・配偶者居住権の創設
・持戻しの対象となる生前贈与の範囲の限定(遺留分の算定方法の見直し)
・預貯金の仮払い制度の創設
・遺留分侵害請求権
・自筆証書遺言の方式緩和と補完制度の創設
・特別寄与制度の創設(相続人以外の者の貢献の反映)
・登記による相続の効力
の7項目です。

今回は、それぞれの改正点のうち、前回に続き残りの4点について解説していきます。

遺留分侵害請求権

現行法では遺留分権利者から減殺請求が行われると、相続等で取得した財産から返還するのが原則でした。
つまり、不動産を相続した後に、減殺請求されると、減殺請求者との共有名義にせざるを得ないなど、将来のトラブルの元となっていました。

今回の改正では、遺留分侵害額に対しては、金銭による請求を原則とすることに改め、遺言者の意思を尊重し、遺言通りの相続が実現できるようになりました。

自筆証書遺言の方式緩和と補完制度の創設

自筆証書遺言は何かと問題が多く、あまり利用されていませんでした。

今回の改正では、自筆証書遺言を利用しやすくするため、
①財産目録についてはワープロ等での作成、通帳の写しや不動産登記事項証明書の添付が認められる。
②法務局での自筆証書遺言(原本)の保管が可能。
③相続発生後には、相続人や受遺者等が遺言書の有無の証明を法務局に請求できる等の制度を創設
以上3つの方式の緩和が可能となりました。

特別寄与制度の創設(相続人以外の者の貢献の反映)

親と同居する長男の妻は、親の介護に一生懸命取り組んでも、相続の対象者にはなりませんでした。

今回の改正では、そんな苦労に報いるため、相続人以外の者が果たした貢献(療養看護や介護等の「無償での労務提供」)について「特別寄与料」として金銭による請求が認められるようになりました。

ただし、配偶者以外の相続人からの納得を得るために、
・介護に関する記録を残す
・領収書など出費の記録を残す
・他の兄弟姉妹に介護の状況を知らせておく
等の、客観的事実が明らかにとなる資料の提示が必要という条件もついています。

登記による相続の効力

相続人が遺言によって法定相続分を超えて権利を継承した場合に、第三者に主張するための対抗要件(相続登記等)は不要とされていましたが、相続人の債権者が遺言の存在を知らない場合に不測の損害を被る恐れがあったため、今回の改正で、超過分の取得については、権利を第三者に主張するためには、相続登記をしなければならない取扱いに変更されました。

以上、前回と今回併せ、相続における民法改正の概要について解説してきました。
・配偶者居住権の創設
・預貯金の仮払い制度の創設
・自筆証書遺言の方式緩和
・特別寄与料制度の創設
等は、時代の変化に対応した良い改正ではないかと思います。
これらについては、皆さんにも大きく関わってくるのではないでしょうか。

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