介護施設での暮らし

昔は不便だった?でも省エネやエコの工夫というものがありました。

新元号が「令和」と発表され、新時代への期待が高まっています。
その一方、地球の温暖化や環境悪化が、近い将来の人類の課題として取り沙汰されています。
利便性を追求するあまり、地球に負担をかけている現代人の生活について、一度振り返ってみる必要がありそうです。
大正から昭和初期に子ども時代を過ごした世代の皆さんは、環境に負担をかけない暮らしの経験と知恵をたくさんお持ちのようです。

「かまどって、知っている?」

「ご飯炊くのもみんなへっつい(かまど)。おばあさんのうちは、松笠(まつぼっくり)でご飯を炊いていたこともあった」というYさん。
裏に山があったので拾ってきた木をたきぎにして、それがないときには松笠でご飯を炊いたのだとか。

かまどは構造としては単純で、火を被う囲いと、その上の鍋や釜などを置くための台が一体化しています。
屋内に設置されているものでは、家の中に煙が充満しないよう、屋外に煙突が設けられていて煙を外へ逃がします。
たきぎを燃やしたあとに残る灰は肥料にしました。

大根や筍などは米のとぎ汁で下ゆでするとえぐみや苦味を取り除けるし…と次々。
何ひとつ無駄にすることなく、物を大事にし、リサイクルが当たり前の毎日を過ごしていたようです。

「もったいない!の工夫がいっぱいあった」

着古したゆかたや着物は細く裂いて、それを糸のようにして織り上げて再び縫ったり、赤ちゃんの布おむつにしたり。
90歳を過ぎた地方出身のYさんは、電気がまだなかったランプの時代も知っておられるそうです。

「雨の日は家の中でおはじきやお手玉、けん玉、将棋。そして晴れた日は暗くなるまで外で元気に遊んだもんです」。
今の子どもたちの遊びの主流は、電気がないとできないゲーム。
環境問題は今や私たちの生活の中でとても身近になってきていますが、はたして本当にエコな工夫、省エネを考えた生活をしているのでしょうか。
ちょっと考えさせられました。

「五右衛門風呂にも、入ったなあ…!」

Yさんの話を聞いていたKさんは、「子どもの頃、お風呂に入るのは本当に大変やった。
お風呂の中に丸こい板を浮かしてある、五右衛門風呂」と懐かしそう。
五右衛門風呂は、豊臣秀吉が天下の大泥棒・石川五右衛門を釜ゆでの刑にしたという俗説が名前の由来。
かまどを築いて金属の釜をのせて、その上に桶を取り付けました。

そのままでは熱くて入れないので、木の板を浮かべて、その板を踏み沈めて入浴しました。
当時は鉄を大量に安く作ることができなかったので、大きさは最小限で子どもでも窮屈だったみたい。
水道はなかったので、水は井戸からくんで家まで運びました。水運びは子どもの仕事だったそうです。

地方では家の敷地が広いので「風呂も外、トイレも外」にありました。
子どもの頃は夜にトイレに行くのは恐かったそう。

茶話会に行って感じることは、子育ての話を聞こうとしても、必ず自分の子どもの頃の話になってしまうということ。
子どもの頃の記憶は高齢者にとってかけがえのない宝物。
高齢の皆さんが昔のことを話し出すと、どなたも顔が輝いてきます。

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