介護に備えたライフプラン

介護に備えたライフプラン⑨フリーランスで働く方々の老後の備え

年始早々、姉に年金の相談を受けました。
こつこつ、こつこつ払い続けてきた社会保険料。これを払っておけば老後は安心。
よく、平均的なサラリーマンで15万円(配偶者がいらっしゃれば22万円)なんて話を聞きますので、”家”を持っていれば安心、と思っておられる方がほとんどではないでしょうか。
でも皆さんが思っておられるイメージより年金額は少ないことがほとんど。

特にフリーランスで働いている方は特に心配なのではないでしょうか。
フリーランスで働くメリットは、自分の裁量で勤務時間や休日を決められること。
自宅で仕事が出来れば通勤しなくてすみますし、子育てや介護と両立しやすく、家族と過ごす時間や趣味の時間も確保できます。人間関係にわずらわされることもなく、定年もなく長く働けることが可能です。

最大のデメリットは収入が不安定なこと。
併せて、ライフプランの面では、雇用保険の基本手当や育児休業給付、介護休業給付等が受けられない。労災保険や健康保険の傷病手当等がないこと。
このような社会保障的なデメリットの中で最大のデメリットは公的年金額が少ないこと。
国民年金加入者は老齢基礎年金しかもらえまぜん。
2018年新規裁定者が40年かけ続けても、月額64,941円です。
これに備えることが、フリーランスで働く方々の最大の課題ではないでしょうか。

フリーランスの方々の老後資金の作り方

フリーランスの方々が老後資金を作る方法として、現状では、国民年金基金、小規模企業共済、個人型確定年金(iDeCo)の3つの方法があります。
いずれも税制優遇がありますので、これらを活用したいですね。
以下、それぞれについてご説明させていただきます。

◎国民年金基金
国民年金基金は老齢基礎年金に上乗せする公的な年金制度で、20歳以上60歳未満の国民年金第一号被保険者が加入できます。
終身年金2種類と、確定年金5種類があり、その組み合わせと性別で掛け金額と年金額が決まります。
1口目は2種類の終身年金のどちらかを選択し、2口目以降は全7種類を自由に組み合わせることが可能です。
加入後、年金・掛け金の額を口数単位で増減することも可能。
掛け金の上限は月額68,000円まで。全額が社会保険料控除の対象となり、受け取る年金も公的年金等控除の対象になります。

◎小規模共済
フリーランスの方々の退職金変わりとなるのが小規模企業共済。
これに加入して、自分の退職金を積み立てることも可能です。
毎月の掛金は1,000円~70,000円まで500円単位。加入後の増額・減額も可能です。
全額が小規模共済等掛金控除の対象となり、退職したときに受け取り方として、一括、分割、一括と分割の3種類が選択できます。
一括受け取り分は退職所得控除の対象、分割受け取り分は公的年金等控除の対象となります。

◎個人型確定拠出年金(iDeCo)
個人型確定拠出年金は、運営管理機関に口座を開設し、掛金を拠出して運用します。
掛金は5千円以上、1千円単位で加入者が設定し、その全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。
運用期間中の運用益は非課税。原則として60歳以降に給付金が受け取れ、一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除の対象となります。
国民年金の第一号被保険者が加入する場合は、国民年金基金の掛金との合算で年間81.6万円まで加入できます。

どう運用するのが有利?

国民年金基金
小規模共済
個人型確定拠出年金

この3つはそれぞれに特長があるので、どれが良いというのは一概には言えません。

確定拠出年金と国民年金基金はフリーランスの拠出額が併せて月68,000円まで。
この2つにどう割り振るか?
この2つは、掛金が所得税、住民税の課税所得から控除出来ます。
つまり「税金を回避しつつ資産の蓄積ができる」わけです。
収入が増えて節税策が必要なとき、この2つを利用すれば、自分の年金資産をつくりながら節税が出来ます。

確定拠出年金の最大の特長は、自分で運用できること。
運用に興味がある人はこちらに多くを割り振れば良いのではないでしょうか。
ただし、確定拠出年金は運用任せる事業者により、手数料が違い、高いところもあるということ。
運用などがあまり得意でない人は、確定拠出年金よりも国民年金基金に入った方が良いでしょう。

国民年金基金のメリットは、「今年は儲かったなあ」と思ったら、掛金を引き上げて3月分まで前納すれば合法的に利益を圧縮することが出来ることです。
予定利率も現状1.5%と決まっており、加入したときの予定利率が最後まで続くので、インフレになっても、この利率が変更されることはありません。
運用に関心のない方は、こちらを使えばよいかもしれませんね。

小規模企業共済も掛金を所得から全額控除出来ます。
こちらも、国民年金基金と同様に前納することが出来る上に、こちらは年金ではないので、都合によりお金を引き出すことが出来ること。
掛金を担保に低率で融資を受けられることも可能です。

このように上手く運用することで、フリーランスの方々も十分に老後の資金的な準備が可能になります。
最近はハウツー本も出ていますので、皆様も、色々学んでみては如何でしょうか。

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