介護以外について

動物の子育て論

清く、正しく、たくましく!

私は、仕事やプライベートで、時々、海外に行くのだが、行ったときは必ず現地の犬や猫の観察をすることにしている。それは、野良もペットも両方。販売しているところに行ったり、町中で探して写真を撮ったり、飼い主がいれば、話をしたりしてくる。(英語が話せないので、これは結構大変なのだが・・。)
グアムやサイパンでも多くのミックス犬に出会ったし、移動中のバスの中では民家に何頭も放し飼いにしている家もあり、賑やかに子供達と遊んでいる光景を見ると、ペットとの暮らし方を勉強させられてりする。ハワイでは、ワイキキビーチを散歩するシーズーにであったこともある。「ハワイにもシーズーなんて、飼う人いるんだなあ」珍しさのあまり駆け寄って話を聞いたりした。まあ、そんな感じで、動物園や水族館やふれあえる場所に行って、海外での動物との出逢いを大切にしている。
先日もタイにペット関連の視察に行った時に、色々な出会いがあった。
タイと言えば湿度が、とんでもなく高くて、じっとしててもスチームサウナ状態。息苦しいくらいだ。そんなタイでもペットブームがやってきていて、高級な動物病院、オシャレなトリミングサロンも多く見られた。その反面、市場では、まだまだ、エアコンもない屋外に、小さいかごに何頭もの動物たちが入れられているのも目にした。ちょうど私の子供の頃の、夜店の光景のようだった。カラーヒヨコや、亀、金魚、ウナギ釣りなんかもあって、それと同じ雰囲気だ。
熱い日差しの中、少しの日陰に置かれた、動物たちは寝てるだけなのか弱っているのかもわからない子もいて、心苦しい場面も多々あったが、現地で販売する人からすると、生き残った個体は、強くて丈夫であるという。確かにそう言う考え方もあるのだろう。農業で考えると、作物が丈夫というのは最大のメリットでもある。畜産動物も然り。
まあ、この状態を正しいとは言いがたいが、ただ、生き残る力の大切さも少し感じた。野生であれば弱肉強食、弱ければ命を落として、食べられてしまうのだから。
野生動物と都会で生きる動物の違いはあれど生き残ることがどれほど大変なのか、適応力の優れた物だけが、街中でも生き残る事が出来るのは間違いない。ペットであったとしても、順応性は、優れているに超したことはない。野良犬達はやせ細ってはいるが、強くたくましく生きていた。猫たちも同じく、夜の街を徘徊し人混みの中で人と共に生きていた。そしてまた、タイの人々も元気で生き生きと働いていた。そんなたくましい姿を見てふと思った。

日本人はどうだろう?「人」として強く生きているのだろうか?
日本では、いつの日だったか忘れたが、除菌ブームがやってきて、いろんなものに「除菌」と書かれ、清潔さが常に保たれ、とても綺麗な環境になった。その反面、自己免疫や体力が昔に比べてずいぶん落ちてきたし、生きる力が、少し弱くなった気がする。生活も何かあれば、手をさしのべてくれる優しい日本。
いつからか、何かに頼ることが当たり前になっている。もちろん、人が人に頼ることは悪いことじゃないし、昔からそうやって生きてきた。でも昔は、一人一人がもっと強かった。生きる事にも一生懸命だった。強かったからこそ、他人を思いやれる気持ちもあった。けれど今は、少し違う気がする。違いは、人が「人」という「物」に頼る事だと思う。人の思いやりや親切が当たり前の「物」になってしまった。
「物」に頼りすぎた為に、「心」がどこか置き去りにされてしまっている気がする。「ありがとう」も聞こえない。
コミュニケーションを嫌い、人としての心の関係を無視して、誰かが誰かに頼る事までが当たり前になってしまった。「人」と「物」は違う。ペットが「物」から「家族」なろうとしている今だからこそ、人は「人」として強くなることを思い出して、優しくなれる余裕を持って欲しい。「清く、正しく、たくましく!」本来持っている力を、全力で出し切れる力を、いま一度、たくましい動物たちに負けないで頑張って行きたい!

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この記事を書いたコラムニスト

岡 真由美 (オカ マユミ)

ペットライフコンシェルジュ

ペット関連サービス

有限会社PURENESS 代表

大阪府大阪市旭区生まれ

滋賀県近江商人の父が青果店から会社を興し、子供の頃は、商店街で店先にたつのが当たり前で育った。

14歳から演劇を始め、俳優を目指し18歳で上京

21歳で挫折し、専業主婦となる。

大阪市会議員になった、父の手伝いをしながら子育て。

父の引退とともに、トリミングサロンを始める。

36歳の時、両親が障害者になり、脳梗塞で倒れた父、透析の治療の母、高齢の祖母の施設病院など、老人ホームやグループホームなどいろいろな施設トの関わりを持つ。

その時に感じたことが、高齢者とペットの暮らしを考えるようになる。

現在は、新規事業のサポートなど行っている。


犬の情報番組インターネットラジオfm-gig「ドッグワンチャンネル」の元パーソナリティー 

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