介護施設のちがい

介護施設のちがい①-①特別養護老人ホーム(いわゆる「特養」)の種類

ユニット型と従来型

「特別養護老人ホーム」(以下では、「特養」と記載します)のイメージとして、「多くの要介護のご利用者さまを多くのスタッフが集団でケアしている所」というような感じを抱かれていると思われます。
確かに従来の施設は「集団ケア」を主流とし、居室も4人の相部屋が主流でした。
こういうこれまでの特養を「従来型」というのに対し、厚労省が新たなスタイルとして、「個室」「個別ケア」を中心に打ち出したものが「ユニット型」です。「ユニット型特養」の介護方式を「ユニットケア」と呼びます。詳しい内容は次の章「ユニット型と従来型の違い」で述べます。

従来の「集団ケア」に、「ユニットケア」が加わったことにより、いまや施設の介護スタイルはどんどん変化しています。
今回は、ユニットケアについて、定義や従来型との違い、ユニットケアの目指すもの、メリット・デメリット、生まれた背景をご紹介します。

肉親を特養に入居させる際には、どちらのタイプかを見て、選択していただけたらと思います。

ユニット型と従来型の違い

ユニットケアとは、入居者ひとりひとりの状態に応じた個別ケアを提供する試みです。

入居者を10人程度の小グループ(ユニット)ごとに分け、ユニット毎に固定のスタッフを配置し、自宅で暮らしているような居住環境を整えます。
そして、そのユニットの中で、他の入居者とのおしゃべり、趣味活動などの交流、訪れた家族との関わりを大切にします。

従来型とは、相部屋(4人部屋が主)の施設です。
施設では、多くの入居者の介護をする必要があるため、効率的に介護ができる「集団ケア」が行われています。
集団ケアでは、それまでの生活リズムではなく、ご利用者さまが、施設のサービス提供時間に合わせて生活をしています。

ユニットケアの特徴は、入居者個人のプライバシーが守られる「個室」が主です。
さらに、他の入居者やスタッフと交流するための「居間」(共同生活室)もあります。
各ユニットに固定的に配置された顔なじみのスタッフが、ご利用者様の生活リズムを尊重し、生活をサポートする「個別ケア」を行います。
昼間の過ごし方も、みんなでレクリエーションを楽しむ方、個室で読書をしたい方、そのような、ひとりひとりのニーズにスタッフが応えます。

ユニットケアが目指すものは、「介護が必要な状態になっても、ごく普通の生活を営むこと」。つまり、「暮らしの継続」を大切にしています。
そのために、「1日」にケアの視点を置き、ご利用者さま1人1人が1日をどう過ごしたいのか、その人の24時間の過ごし方の考えの詳細を知る必要があります。
その人ができる部分と、サポートが必要な部分を、自立支援の観点から見極めてケアを提供していきます。

ユニットケアは、「高齢者の尊厳を保つこと」を目的とし、従来の画一的な方法ではないケアを提供していくことを目指しています。

厚生労働省資料より抜粋

ユニットケアのメリット、デメリット

ユニットケアのメリット、デメリットを以下にまとめてみました。

【メリット】
・個室が主であること ⇒ プライバシーが確保され、自分らしい生活が尊重される。感染症が拡がりにくい。
・ユニット内に共用空間がある ⇒ 馴染みの、他入居者やスタッフとのふれあいが楽しめる
・個別ケア ⇒ ひとりひとりの状況にあわせたケアを行ってもらえる
・専任スタッフが配置される ⇒ スタッフと顔なじみとなり、より家庭に近い環境になる

【デメリット】
・利用金が高い ⇒ 設備が充実しているため、居住費や光熱費が割高

特養であっても、「個室」「専任スタッフ」「共用空間」は嬉しいものです。
従来型よりも多くのメリットがあります。

デメリットとしては、スタッフや他ユニットのメンバーと気が合わなければ気まずい、ということがありますが、ユニットを変えてもらったら解決できる問題です。

唯一のデメリットは、「料金が割高」ということです。

特養運営も事業ですので、設備が良くて、スタッフが多ければ、当然、料金が高くなります。
こちらが、”ユニット型特養” に入所を希望される方には大きなデメリットとなっていることも事実です。

厚生労働省資料から抜粋

経済面もあわせ、自身や家族のライフスタイルにあった施設を選択してください

現在の特養のうち、約3割がユニットケアを導入しています。
新たに建設される施設では、ユニットケアを採用するところが増えてきているため、ユニットケアの施設数はますます増加していくことが予想されます。

入居されるときは、施設の介護スタイルに関して向き不向きはあります。
また、経済的なことはとっても重要です。

色々な意味で、自身やご家族が、よりいきいきと生きていける介護スタイルの施設を選択してください。

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