住み替えを考える方に

いちばん確実な、住まいの老後対策とは

これからを見据えて対策を

「老後をどこで暮らし続けたいですか」と尋ねると、大抵の方は「住み慣れた我が家」と答えます。
もちろんそれが叶えば一番なのですが、一人暮らしの高齢者が増える中、そうはいかないのが現実のようです。

加齢は否応なく精神にも身体にも衰えをもたらし、若い頃には想像も出来なかった不便や不安、さらには危険にさらされる毎日がやってきます。
そしてやがては介護を必要とする状態になり、自宅生活の限界を知ることになります。

そうなる前にこれからをしっかり見据えて、住まいと暮らしの対策を考えましょう。
 

リフォームすれば万全!?

老後の住まい対策にはいくつかの方法があります。

年を取るとちょっとした段差がつまづきの原因となり、階段や段差の昇り降りや長い生活動線が日々の負担になってきます。
そこで思いつくのがバリアフリーリフォーム。
住まいの形が安全で使いやすくなれば、自宅で暮らせる期間は延長できるでしょう。

でも「これでもう大丈夫!」と思い込むのは禁物です。
リフォームでは住まいの形は改善できても、毎日の不安や将来の介護など「人」が関わる問題は解決できないのです。

一人暮らしの場合などは特にその点に注意して対策を考えなければなりません。
 

家族に頼るのがいちばん!?

老後生活には「人」が関わり支えてくれる「安心」が欠かせません。

それを考えるとやはり頼りにしたいのが家族(子)でしょう。
同居できればいつ何があっても安心ですし、すぐに駆けつけられる近居でも家族は頼りになるでしょう。

しかしここにも大きな課題が残ります。
高齢者本人が安心できる分、その家族の肩には身体的・精神的・時間的・経済的負担が重くのしかかることを忘れてはなりません。
現実には、「面倒をみてあげる」と言っていた子世代が、いざ親の介護が始まってみると思いもよらぬ大変さに音を上げて、「やっぱり施設に入って欲しい」となることも。

子も頼れる親族もいない高齢者の場合は、自宅生活を続けることはなおさら大変です。
自分の世話を他人に託すことは、よほど経済力がなければ困難でしょう。

「住み替え」のススメ

そこで考えたいのが高齢者住宅などへの「住み替え」です。
「高齢者に適した生活環境を整えた住まい」へ移り住むことで、老後生活に欠かせない「住まいの安全」と「生活や介護の安心」を効率よく確実に手に入れることができます。

もちろん資金の準備をはじめ、荷物の整理・処分、引越などの労力を要し、さらに新しい環境に馴染む努力も必要ですが、それに代えても得られる価値は十分にあるでしょう。

ただ高齢者住宅・施設は多様化を極め、玉石混淆の状態。
これから先どんな生活を送りたいかをしっかり描いたうえで、内容をよく見極めて自分に合ったところを選ぶことが何より肝心です。
 

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この記事を書いたコラムニスト

岡本弘子 (オカモトヒロコ)

シニアの暮らし研究所 代表 高齢者住宅アドバイザー

住宅メーカーで生活研究に従事した後、2004年から高齢者住宅の紹介センターで1万件以上の入居相談に対応。新聞・情報誌等の取材や執筆をはじめ、年200回以上の高齢者住宅セミナーで講演。常に利用者・入居者視点に立ち、高齢者住宅およびシニア向け商品・サービス企画開発への助言や営業支援に努めている。2012年に開設した「岡本弘子の居相談室」では、徹底した対面相談で100%入居者本位の住まい選びをサポートする。2015年1月に一般社団法人日本シニア住宅相談員協会を設立し、代表理事を務めながら、資格認定研修講師としてシニア住宅相談員の育成にも注力している。消費生活アドバイザー、福祉住環境コーディネーター等

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