住み替えを考える方に

高齢者の暮らしの問題点とは

孤立する高齢者が増えている!

近年、一人暮らしや夫婦二人暮らしの高齢者世帯が増えています。
国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」では、高齢者がいる世帯の過半数が独居か夫婦世帯となっています。
また2015年には独居高齢者の数は625万人に達し、まだまだ増え続ける様相を見せています。
 
子供がいても進学や就職などで早いうちに実家を離れるケースをはじめ、結婚に際してはほとんどが別に世帯を構えますから、高齢期には老夫婦だけの暮らしとなるわけです。
そして伴侶を見送りやがて一人暮らしへと移行していきます。加えて熟年離婚や生涯独身の人も増えており、高齢者の孤立化は大きな社会問題となっています。

何かあったら…

高齢者にとって身近に頼れる若い世代がいない孤立化した状況は、様々な悪影響を及ぼしています。
まずは漠然とした生活不安。
「何かあったら」という心配が年を重ねるごとに膨らんでいきます。
 
「何か」とは、体調不良や怪我などに見舞われたとき、また地震や台風等の自然災害など「自分一人で対処できない事態」のこと。
元気そうに見えても「夜になると心配で眠れない」といった声が良く聞かれます。

犯罪のターゲットに!

もう一つ重大な要因となっているのが、犯罪の的にされていること。
平成28年警視庁統計資料によると、刑法犯罪の約14%が高齢者を狙った犯罪となっているのです。
 
そのように高齢者はただでさえ危険に晒されることが多い中、特に一人暮らしの高齢者は、相談できる人が近くにいないことから詐欺や悪徳商法のターゲットになりやすいと言われています。
 

衰えがすすむ!

さらにいちばん怖いのが、孤立化が心身の衰えを早める可能性が高いこと。
1人暮らしなどで自宅に閉じこもりがちな生活が続くと、体を動かすことが少なくなり一気に足腰が弱ります。
また外部の誰とも関わらない、話さない状態は、脳への刺激が減少し働きを悪くするので、鬱や認知症の発症にも繋がります。

そうなるとますます体力は低下し、怪我や体調不良を引き起こしやすくなって、介護状態が早く進行してしまうのです。

孤立しない生活のために

「元気で長生き」を目指すなら、多少面倒でもたくさんの誰かと話し、関わる暮らしを送ることが鍵となるようです。
一説によると、仲良しでなくてもたとえ喧嘩相手でも「関わること」が大切だとか。
でも孤立した高齢者が自分一人でそういった関わりを作るのは難しく、周囲からの協力も得にくいのが現実です。
 
その点、同じ世代・状況の高齢者が集まり、スタッフのサービスを受けながら暮らす高齢者住宅には必ず人と関わる生活があります。
なるべく元気なうちに住み替えることで、自立した生活を長く続けられる理由はそこにもあるのです。

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この記事を書いたコラムニスト

岡本弘子 (オカモトヒロコ)

シニアの暮らし研究所 代表 高齢者住宅アドバイザー

住宅メーカーで生活研究に従事した後、2004年から高齢者住宅の紹介センターで1万件以上の入居相談に対応。新聞・情報誌等の取材や執筆をはじめ、年200回以上の高齢者住宅セミナーで講演。常に利用者・入居者視点に立ち、高齢者住宅およびシニア向け商品・サービス企画開発への助言や営業支援に努めている。2012年に開設した「岡本弘子の居相談室」では、徹底した対面相談で100%入居者本位の住まい選びをサポートする。2015年1月に一般社団法人日本シニア住宅相談員協会を設立し、代表理事を務めながら、資格認定研修講師としてシニア住宅相談員の育成にも注力している。消費生活アドバイザー、福祉住環境コーディネーター等

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