住み替えを考える方に

人生を生き直すための住み替え

入居相談のお客様から教わったこと

はじめまして、シニアの暮らし研究所代表の岡本弘子です。
私は有料老人ホームや高齢者住宅へ入居をお考えの方に、物件のご紹介・ご案内をはじめ、住み替えに関する情報提供や住まい選びのアドバイス等を行う入居相談業を行っています。
この世界に入って約13年、数えきれないほどの住み替えに関わり、様々な高齢者の方々やそのご家族の思いに触れて参りました。
 

いろいろな住み替えがありました。
 
“自分の思い描いた暮らしを手に入れて、活き活きと第二の人生を謳歌されている方”
“現状と要望に折り合いをつけて、身の丈に合った暮らしを選ばれた方”
“今までの生活を潔く脱ぎ捨て、サポートを受けながらも自立心を失わずに暮らされている方”
 
その一方では
 
“入居してから思い込みや思い違いに気づき、退去してお金も労力も無駄にした方”
“自分の要望を追求するあまり、無いものを追い求めて彷徨い続ける方”
“不本意な入居を受け入れるしかなく、「仕方がない」とあきらめて毎日を過ごされている方”

何が違っていたのか、明暗を分けたのは何だったのかといつも考えさせられます。

経済的なことや個々の事情はもちろんあるでしょうけれど、それ以上に肝心なのは「大切なことへの気付き」のように思います。
人生を自分らしくしっかり生き切るための大切なことにいつ気付くか、そして冷静に客観的に自分を見据えて正しい判断ができるかどうか。
さらに明日に向かって一歩踏み出す勇気が持てるかどうか。そういったことがこれからの人生を大きく左右するんだということを、多くのご入居者から教わりました。
 

もう一つ、日々たくさんの高齢の方にお会いする中で感じるのは、見た目の年齢差。
 
近年では10~20年前と比べると、高齢者は知力・体力ともに5~10歳若返っているとの報告が日本老年学会などからありましたが(日本老年学会・日本老年医学会 2017)、確かに70代でも高齢者らしからぬ体力の持ち主や、80代に入ってもまだまだお元気で記憶力・判断力ともに衰えの見えない方など、年齢を感じさせない高齢者が増えている印象は強く感じます。
 
でも高齢者全体に若返りが見られるなかで、やはり年相応に弱っている方、実年齢以上に老け込んでいる方もいらっしゃって、同じ年齢でも10歳くらいの差を感じるケースがあります。
この差はどこから生まれるのか、またしても考えてしまいます。

人は高齢になって何も対策をしないでいるとどんどん衰えていくもの。80代~90代になっても活力ある方は、「たまたま」ではなく必ず何か理由があると思うのです。

詳しくお話を伺うと「やりたいこと」や「しなくてはいけない」役割をお持ちのケースがよく見られます。
生きる目的が元気にさせてくれるのですね。

また、やはり良い生活習慣を身に付けていらっしゃることもその理由の一つとなっています。
食事や運動習慣などの自己管理ができていて、社会との適度な関りを持ち続けていることが健康長寿の鍵を握っているようです。
 

入居相談では多くの方から
「高齢者住宅はいろんな種類があって違いが分かりにくい」
「住み替えは、いつ、何から始めれば良いのかわからない」
といったお声をよく耳にします。
私はその貴重なお言葉を教えとして、「正しく、わかりやすく」をモットーに高齢者住宅や住み替えのセミナー講演を13年間続けています。
このコラムでも、具体的な事例なども交えながら「上手な住み替え」についてお伝えして参ります。
乞うご期待!

参照元

日本老年学会・日本老年医学会,2017,「高齢者の定義と区分に関する提言(概要)」,日本老年医学会公式サイト,(平成29年12月7日取得,http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/proposal/index.html#definition).

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この記事を書いたコラムニスト

岡本弘子 (オカモトヒロコ)

シニアの暮らし研究所 代表 高齢者住宅アドバイザー

住宅メーカーで生活研究に従事した後、2004年から高齢者住宅の紹介センターで1万件以上の入居相談に対応。新聞・情報誌等の取材や執筆をはじめ、年200回以上の高齢者住宅セミナーで講演。常に利用者・入居者視点に立ち、高齢者住宅およびシニア向け商品・サービス企画開発への助言や営業支援に努めている。2012年に開設した「岡本弘子の居相談室」では、徹底した対面相談で100%入居者本位の住まい選びをサポートする。2015年1月に一般社団法人日本シニア住宅相談員協会を設立し、代表理事を務めながら、資格認定研修講師としてシニア住宅相談員の育成にも注力している。消費生活アドバイザー、福祉住環境コーディネーター等

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