介護施設での暮らし

高齢者とペット、高齢者とロボット

高齢者とペット、高齢者とロボット

最近、高齢者に対して、ロボットを開発する会社が増えた。
私は、祖父母、両親、義理の祖父が認知症になった経験もあり、高齢者施設にも30年近く通った経験がある。

その中で、赤ちゃんの人形を抱えて我が子のように話しかける、おじいちゃんやおばあちゃんに何人も出会った。
実際、義理の祖父は、私が子供にミルクをやるのを見ると、抱っこ人形に「お前も飲むか?」って話しかけていたりした。けれど、それは一時的な場合もある。認知症の人がずっと認知症なわけじゃない。

良い日もあれば、記憶が乏しい日もある。
ぬいぐるみは可愛いと思うけれど、それが、本物かニセ物か「解る日」もあるのだ。
作り手は、それを考えていないのではないだろうか?

家族や施設の人に高齢者がそれを与えられたとき、本当の「癒やし」を与えられるのだろうか?
確かにAIロボットは、どんどん記憶をして個性も生まれるほど優れているとは聞いているけれども、ぬくもりや感情は作り物とはやはり違う気がする。

ペットは、育て方を間違うと、希望する態度と違って、上下関係が逆転したり、困りごとも正直たくさん有るかもしれない。
けれど、人はコミュニケーションの中で頭を使い、「世話をしてやりたい」「守ってやりたい」と思う気持ちで、力を奮い立たせ、元気になっていく。
そして、癒やし癒やされる関係性で、より強い愛情が「生きる力」になる。

相手がロボットでも、疑似体験は確かに出来るとは思う。
しかし、ふと我に返ったときやはり、逆の寂しさがこみ上げるのではないだろうか?
ペットには命があり、限りも当然有る。
逆にロボットは不老不死で、手間もかからないかもしれない。
けれど、「共に生きる」からは少し遠くなる。

私は、やっぱり共に生きていきたい。
 

(画像:Photo by Adam Griffith on Unsplash より引用)

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この記事を書いたコラムニスト

岡 真由美 (オカ マユミ)

ペットライフコンシェルジュ

ペット関連サービス

有限会社PURENESS 代表

大阪府大阪市旭区生まれ

滋賀県近江商人の父が青果店から会社を興し、子供の頃は、商店街で店先にたつのが当たり前で育った。

14歳から演劇を始め、俳優を目指し18歳で上京

21歳で挫折し、専業主婦となる。

大阪市会議員になった、父の手伝いをしながら子育て。

父の引退とともに、トリミングサロンを始める。

36歳の時、両親が障害者になり、脳梗塞で倒れた父、透析の治療の母、高齢の祖母の施設病院など、老人ホームやグループホームなどいろいろな施設トの関わりを持つ。

その時に感じたことが、高齢者とペットの暮らしを考えるようになる。

現在は、新規事業のサポートなど行っている。


犬の情報番組インターネットラジオfm-gig「ドッグワンチャンネル」の元パーソナリティー 

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