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1月31日(水)は皆既月食です!!

今年最大の天体ショーです

 今年の最大の天体ショーと言えば、1月31日(水)の「皆既月食」です。
 今回の月食は、21時頃~23時頃の見やすい時刻に起こり、皆既月食となっている時間が1時間以上もあるという大変条件が良いものとなっています。
 望遠鏡などの道具も必要ないので、皆さん是非ご覧ください!もちろん双眼鏡やオペラグラスで見ると、月の色や明るさの変化などが、もっとわかりやすく観測できますよ。

月食とは?いつ起こるの??

 月食とは、太陽・地球・月がこの順番に一直線に並んだ際、月が地球の影に隠される現象です。月が全て隠されてしまう場合を「皆既月食」、一部だけ隠される場合を「部分月食」と呼びます。
 月食が起こるのは満月の時なのですが、もちろん満月のたびに月食が起こるわけではありません。
 理由は、地球が太陽を回る公転軌道と、月が地球を回る公転軌道の傾きが同じではなく、約5度ずれているからです。そのため、太陽・地球・月が一直線で並んだとしても、地球の影は月の上や下を通り月食が起こらないことの方が多くなります。

今回の皆既月食の見どころ

 月の欠け始めは20時48分、全てが隠されて皆既月食となるのは21時51分~23時8分、月食の終了は2月1日の0時12分です。
 後の「こぼれ話」の中で詳しく書いていますが、月食の場合は日食と違い、世界中どこにいても同じ時刻に同じように観測できます。
 なお、月が地球の影に完全に入ると、月が全く見えなくなると思われるかもしれませんが、実際には地球の大気の影響で月は赤っぽく見えますので、「赤く暗い満月」を長時間楽しむことができます。

<こぼれ話:日食と月食の違い~日食とは?~>

 日食は、太陽・月・地球がこの順番で一直線に並んだ際、太陽が月に隠されて、月の影が地球に届くことで起こります。
 月によって太陽の一部が隠れた場合を「部分日食」、月によって太陽が全て隠された場合を「皆既日食」と言います。なお、皆既日食と同じように太陽と月が完全に重なった時でも、月が太陽を隠しきれずに太陽が輪のように見える場合を「金環日食」と言います。

 月や太陽の大きさ自体は変わらないのに、皆既日食になったり、金環日食になったりするのは何故なのか?それは、月が地球を回る公転軌道や地球が太陽を回る公転軌道が、完全な円ではなく、楕円形になっているからです。
 例えば月の場合、地球に一番近づいた時は約35万㎞、いちばん遠いときは約40万㎞と5万㎞もの差があるため、地球から見た時に直径で約15%も大きさが違うように見えます。(ちなみに天文学の正式用語でなく定義も曖昧ですが、大きく見える満月のことを一般的に「スーパームーン」と呼んでいます)
 同様に地球と太陽との距離も変化しているので、地球上から見る太陽の大きさも季節によって変わってきます。
 そのため、太陽よりも月が大きく見える場合には、太陽が完全に隠れる「皆既日食」になり、逆に月が小さく見える時は、月の外周から太陽がリング状にはみ出して見える「金環日食」になります。

<こぼれ話:日食と月食の違い~場所や時刻によって見え方は変わる?~>

 月食は月が見えるところであれば、世界中どこでも同じ時刻に同じように欠けた月を見ることが出来ます。一方、日食は見る場所によって日食が起こる時刻や見え方が変わってきます。
 月食も日食も同じような現象のように思えるのに、なぜこのような違いが生じるのでしょうか?

 図を良く見ていただきたいのですが、月食の場合は、見るのはあくまでも「地球の影が映った月」そのものです。どの場所にいても、見る月は1つしかなく全く同じものですので、地球上のどこにいても同じ時刻に同じように見えます。

 しかし、日食の場合は、見るものは月と太陽の2つであり、この2つが「重なって見えるのか見えないのか」により、「見え方」が変わってきます。図で言うと、完全に月の影となり太陽の光が届かない「皆既日食」の場所と、太陽の一部が見えている「部分日食」の場所と、太陽が全く月に隠されない場所の3つの範囲が存在することになります。  
 月が地球に落とす影は小さく、地球も月も動いているため、この範囲が時間とともに動き、見る場所によって見え方が変化していくことになります。

 月食は頻繁に発生しているのに対し、日食はすごく珍しいような感覚があると思いますが、日食も月食も発生頻度としては同じようなもので、ほぼ毎年のように起きています。 
 ただ、上記の理由により、月食は毎回地球上の約半分の地域で見られるのに対し、日食はごく限られた地域でしか見ることが出来ないので「日食の方が珍しい」と思ってしまうわけです。

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この記事を書いたコラムニスト

冨田和俊 (トミタカズトシ)

大阪市立科学館 副館長、専門:マーケティングコミュニケーション

関西電力入社後、広報及び営業部門で、報道・プロモーション・宣伝・マーケティング・ブランド業務を担当。 2011年6月、ケイ・オプティコムに出向。大阪マラソンなどの各種イベント、報道、企業広報誌、ブランド、TV・ラジオ・SNS業務に従事。 2016年7月 大阪科学振興協会(大阪市立科学館)に出向。現在、大阪市立科学館で戦略的なデジタルマーケティングや各業務を融合させたプロモーションなどを積極的に展開中。「介護の三ツ星コンシェルジュ」コラムニスト、 アドテックなどマーケティングカンファレンスでの登壇多数。 著書(共著)「企業広報講座(全5巻)」(監修:(財)経済広報センター 発行:日本経済新聞社)。

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