「施設でキレイでいることをあきらめないといけないの?」
- 掲載日 : 2023年2月22日
- カテゴリ : その他 > 介護以外について
- タグ : 美容健康
- ライター : 千星 孫智美(せんぼし そんともみ)
「身体の自由がきかないのよね。残念だけど、仕方ないよね。」
お気に入りの髪型、大好きなお化粧。高齢者の中にはオシャレが好きだった自分を過去に閉じ込めて、高齢者施設様で過ごすうちにあきらめてしまわれた方が多くおられます。
私の祖母も化粧することが大好きでしたが、施設入居時化粧はタブーとされていたので「化粧できないのが苦痛でたまらない」と言ってよく隠れて化粧をしていたことがあります。
しかし美容を行うことでQOL(人生の質・生活の質)の維持・向上につながるという研究結果もあるのはご存知ですか?
例えば、メイクやネイル、アロマ、タッチケアといった美容のアプローチを行うことによって、
リハビリや社会参加の意欲がわいたり、入浴や食事をこばむ回数が減ったり、気持ちが明るくなったり自信が高まり
抑うつや不安な感情が軽減されると、研究結果として実は発表されています。
また触れることで幸せホルモンが分泌される→ストレス緩和→肌への老化を抑制する働きもあります。
ただ介護の現場では、利用者様のために美容ケアを取り入れたくても、時間や人員不足で手が行き届か
ないのが現実です。
そこで高齢者向け美容のプロが各施設様を定期訪問し、ネイル、メイク・エステなどといった様々な美容ケアを
提供している「介護美容」というサービスがあります。
■介護美容の効果とは
美容はただ美しくなるためだけの施術ではありません。
高齢者の方にとっては身体的・心理的・社会的側面においてあらゆる効果が見られています。
特に介護美容は男女問わず、認知症の方にも効果が得られる場合もあり、
導入されている施設様では多くの効果の声が寄せられています。
また介護が必要になる前の段階のフレイル予防として介護美容を取り入れることもおススメします。
〇身体的側面の改善
歩行状態の改善
皮膚状態の改善
長時間の睡眠
血液循環の改善 など
〇心理的側面の改善
笑顔
精神的安定
記憶の回復
やる気回復 など
〇社会的側面の改善
周囲への関心
引きこもり改善 など
■いつまでも自分らしく過ごせる選択肢を
ただ「介護美容」は介護保険適用外サービスなので、認知度も低く積極的に導入されている施設様がまだまだ少ないのが現状です。
逆に言えば費用的な負担能力がある方が良質なサービスを受けたいと思っていても、高齢者施設にいるとその選択肢が少ないのが現状なので、だからこそ介護美容のプロフェショナルによる「介護美容サービス」を導入することで、利用者様やご家族様の満足度を更に高められることでしょう。
また実際に介護美容を導入されている施設様では職員の方々も利用者の方の変化や楽しそうな様子をみて笑顔になれると喜ばれています。
「手がキレイになってうれしいわ♪」とキレイになった爪を眺める方。
「あなたのネイルの色きれいね」と自分以外の方にも関心を持たれる方。
フェイシャルエステ後の鏡に映る自分の肌を何度も「気持ちよかったわ~」と触られる方。
鏡をみてご自身の襟元や髪を触って自然と整容される方。
「昔はよくお化粧したのよ。うれしいわ♪」とメイク後写真撮影でポーズをとられる方。
そんな活き活きと笑顔あふれていつまでも自分らしく過ごせるサービスがある施設様が増えていくことを心より願っています。