福祉用具について

☆☆☆16 杖の種類と特徴・導入時の留意点

こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている
「福祉用具屋さん」と申します

今回は
「杖の種類と特徴・導入時の留意点」
というテーマで
お話していきます!

■杖について、そして介護保険でレンタルできる杖

杖といえば
「転ばぬ先の杖」ということばにあるように
歩行のバランスに不安のある方が転倒を防ぐために使うもの

手軽に使えて便利な商品ですね

杖は介護保険レンタル対象品目となっておりお安く借りることができます
負担割合1割の方であれば月々約50~150円くらいの自己負担額となります

とはいってもすべての杖がレンタル対象ではなく介護保険の対象種目としては

「松葉つえ」
「カナディアンクラッチ」
「ロフストランドクラッチ」および「多点つえ」に限る

と定義されています
一般的によく使われている「T字杖」は介護保険レンタル対象外です

■杖の種類

ではここからは主要な杖の種類についてご紹介します

●T字杖
Tの形をした一本杖で
いろいろな方が実際に使われています
グリップを握って
斜め前に杖をついて歩行します

●四点杖
杖先が四つの足でできている杖です
支柱が固定式の場合は
四つ足全てが地面に接地するよう地面に対して
垂直に上から下へ杖を突きます
通常の歩行のようにテンポよく歩けませんが
四つ足がしっかり接地する分安定感は高いです

支柱が可動式の場合はT字杖と同じように
斜め前に杖を突いて歩行ができます
テンポよく連続歩行がしやすいですが
支柱が可動する分不安定さもあったりします

●ロフストランドクラッチ
ロフストランドクラッチは
カフ部分が上腕を囲うように保持されているので
グリップ部分はあまり力を入れずに
手を添える程度でも使えます
握力があまりない方でも使えるのでお勧めです

●松葉杖
松葉杖はわきの下に挟んで使います
よく足を骨折された方が
使ったりしますね

わきの下と書きましたが
実際にはわきの下から
少し隙間を開けて
体の側面と上腕で挟み込んで使うイメージです
わきの下に食い込ませるような使い方はNGです!

■杖の高さの合わせ方

杖を正しく使う上で重要なのが
グリップの高さ調整です
グリップが低いと前傾姿勢になって転びやすくなったり
逆に高いと
杖に体重を乗せづらくなったりいかり肩になり肩こりが発生したり…

ということでグリップの高さを合わせる際は左の図を参考にしてみてください
まっすぐ立った状態で
・肘を30度程度曲げた状態の高さ
・腰の大転子部の位置
(足の付け根の位置あたり)

・手首の骨が出っ張った部分の位置
(橈骨茎状突起)

個別での調整幅の差はあるものの
ざっくり上記のような目安があるので
最適なグリップ高さを選ぶ際の参考にしていただければと思います!

●杖が介護保険レンタルできなくなるかも?

「杖は介護保険でレンタルできる」と書きましたが
実はこの運用が変わってしまうかもしれないという話も…

財務省から介護保険レンタル対象品目のうち
「手すり」「歩行器」「杖」については
介護保険のレンタルの対象外にして特定福祉用具販売に切り替えるべき!
という声が出ていることをご存じでしょうか?

給付費抑制の観点で
廉価な品目(手すり・歩行器・杖)はレンタルより販売の方が適正ではないのか?
という意見がでているのです!

実はこの議論についてはずいぶん前から継続議論されていて
販売にすべき!
いやレンタルの方が有効だ!
という押し問答が延々続いている状況です

ちなみに販売にしてしまうと
ご利用者の状態変化に伴う機種変更などこれまでのレンタルの時のように手軽に行えなくなってしまうという
懸念材料があったりします

この議論、ずっと続いていますがどこかでXデーが来るのではないかと戦々恐々している次第です

なんとか今の便利なシステムがつづけられないものかと願うばかりです・・・



というわけで
最後まで読んでいただき
ありがとうございました!

これからも福祉用具にまつわるコラムを
定期的に投稿していきますので
どうぞよろしくお願い致します!!

ではでは


私のブログです(もしよかったら見てみて下さい!)

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