介護分野における外国人の介護人材受け入れと准介護福祉士資格、日本の雇用問題について考察しました。
こんにちは、特別養護老人ホームの介護福祉士【しまぞー】です。
今回のコラムは、先日、SNS上で話題となり気になっていた准介護福祉士について、その背景を考察していきたいと思います。
准介護福祉士の背景に関わるワード
背景には以下のワードが関わってきます。
・介護福祉士養成校
・介護職不足の2025年問題
・外国人介護人材の受け入れ
・資格制度
・介護職の収入
准介護福祉士は、だいぶ以前の2007年の国会に上げられた法改正案(社会福祉法)の中で話が出ました。
外国人介護人材、当時はフィリピンとのEPA(経済連携協定)で、日本の介護人材の不足を補う事を目的とし、介護福祉士養成校の外国人留学生が介護福祉士の国家資格受験で不合格になってしまった際の受け皿として用意した資格でした。
もともと養成校では、日本人・外国人を問わず、卒業と同時に介護福祉士の国家資格が与えられてきました。
しかし、今後、猶予期間を経て養成校卒業者も国家資格の受験に合格しなければ取得できなくなります。
つまり、今後介護福祉士の資格は受験して取得しなければならないよう統一されるのです。
ただ、外国人にとってはこの介護福祉士受験には語学の壁があります。日本人が2年間で資格を取得するのとはわけが違い難易度は高いでしょう。
そこで先ほど述べたように、養成校を卒業後に国家資格を受験するも不合格だった方をフォローする為に准介護福祉士の名称を与える。
つまり、外国人介護人材の受け入れをしやすくするため、モチベーションを保つために想定された資格です。
(2022年現在も検討中もしくは廃止予定)
上の表は、養成施設の定員における外国人留学生の人数と割合を記した表です。
写真出典:厚生労働省 第23回社会保障審議会福祉部会 資料2(最終アクセス 2022年1月26日)
介護福祉士養成施設卒業生に対する 国家試験の義務付けについて.pdf ( 2 MB )
平成27年:外国人は94人、入学者のうち外国人の割合が1.1%
令和元年度:外国人は1142人、入学者のうち外国人の割合が29.2%
この数値を見ても、介護福祉士養成施設における外国人留学生は増加していて、割合も増えています。
介護福祉士養成施設には、日本人の定員が減少、その分外国人留学生が増加しているのが上の表にもあらわれています。
以前より、2025年問題(介護職38万人不足)介護の人材不足が叫ばれています。
そこで、人員不足を解消するために外国人の介護人材を増やしていかなければならない時代なのかもしれません。
しかし、外国人労働者を採用すると、一つの問題として賃金は今の低いままで働くことになるでしょう。
私は、外国人の介護人材の参入増加が悪いと思っているわけではありません。
私は前職が飲食業で、責任者をしていた経験があります。
その当時も含めて、日本に働きに来る外国人労働者(特にアジア系)の方の多くは日本語が話せるし、仕事に対する飲み込みの速さも頭の良い方が多いです。
また、自国に帰れば割と恵まれた環境である方が多かったです。
日本の介護における人員不足の問題には、日本人の雇用環境はもちろんの事、これからも増加する外国人の受け入れの為の環境整備をしなければならないと考えます。
外国人労働者の受け入れが、介護人材不足を補うというメリットを、介護全体の雇用の安定と雇用条件の向上、更に利用者の満足度の向上という結果に繋げていかなければなりません。
今日は以上です。読んで頂いてありがとうございました。