優しさとは・・・
はじめまして
はじめまして。
シニアスタイルは、尼崎で、サービス付き高齢者住宅と住宅型有料老人ホームを運営しています。
ときどき、徒然なるままに、コラムを掲載させていただこうと思っています。
さて、最近の個人的な出来事です。
夏川草介さんの「神様のカルテ」シリーズ。読まれている方も多いと思います。
0巻が文庫本で発売されたので、早速、手に取ってみました。
このシリーズは大好きで、主人公の医師・栗原一止をはじめ彼をとりまく周囲の人々が、生命の本質、つまり人生そのものに向き合っていく姿を生き生きと描いているシリーズです。
優しさとは・・・
研修医になったばかりの栗原医師が担当した、元国語教師の患者がいます。
癌に侵されていることを知りながら、放射線治療を始めると動けなくなるので、1カ月に迫った娘の結婚式までの間治療をしないと決めました。
その間の栗原医師と患者のやりとりを描いたシーンがあります。
患者の自宅の書斎で、患者は言います。
「本は良いですな、先生。ひとは一生のうちで一個の人生しか生きられない。しかし本は、また別の人生がたくさんあることを私たちに教えてくれる。たくさんの小説を読めば、たくさんの人生を体験できる。そうすると、たくさんの気持ちがわかるようになる」
「わかると良いことがあるのですか?」と栗原医師。
「優しい人間になれる」。さらに患者は続けます。
「優しさというのは想像力のことですよ・・・あなたは優しい人だ。だから私のわがままを聞いてくれたんでしょう」と。
優しさは想像力
なるほど、そういうことか、
と。納得しすぎて涙腺が緩んでしまいました。
優しさは想像力・・・相手のことを、深く考え、想像するということ。謙虚に、先入観なく、その人のことを想像する。そうすると、おのずと言葉や行動が出てくる。
確かにそういうものだな、と思いました。
自分がいつも先にあり、利用者、家族、職員、友人、様々な方々・・・のことを考えることを、ついついなくしてしまいがちな自分を反省しました。
さらに患者は言います。「しかし、優しい人は苦労します」と。
私は、まだまだ苦労が足りません。