名車!RZ250 ちょっとこだわりあり。
2ストロークエンジン。覚えてますか?
2ストロークという言葉を聞かれたことはありますか?
恐らくある年齢以上の方であれば、白煙を振りまきながら走っていくバイクを昔よく見られたと思いますが、そのバイクのエンジンが2ストロークエンジンです。
この2ストロークエンジン、お世辞にも環境に優しいとは言えません。
それどころか特有の排気ガスと燃費と騒音のため、ほとんど街からは駆逐された絶滅危惧種で、今やごく一部のレース用車両程度にしか残っていません。
今はハイブリッド車であるとか電気自動車であるとか、環境に優しい乗り物が主流となっているので、白煙モクモクで音もうるさく燃費も悪い2ストロークエンジンは、完全に時代から取り残された遺物となっています。
名車!RZ250
しかし今を去ること30〜40年前は、2ストロークエンジンを積んだバイクが街に溢れかえっていました。
それは世に言うバイクブームで、尖ったスタイルのレーサーレプリカがどんどん発表され、それが飛ぶように売れる、そんな時代だったのです。
その一大ムーブメントを作り上げたのが、ヤマハ発動機が造った傑作、RZ250であり、私の大切な相棒です。
2ストロークエンジンの特性はパワーバンドが極端に狭く、エンジンブレーキもほとんど効かないため、シフトチェンジが非常に忙しい点が挙げられます。
しかし一旦パワーバンドに入ると、その爆発的瞬発力と急激なパワー上昇のため、場合によっては振り落とされるほどの威力を発揮します。
そのため2ストロークエンジンを積んだバイクはよく「じゃじゃ馬」とか「乗り手を選ぶ」とか言われ、それが一つの魅力でもありました。
俺も昔乗ってたんや~
しかし一方、燃焼効率が良くないことに起因するマフラーからの燃えきらないオイルの撒き散らし、そしてそれに伴うオイルの汚れと匂い、そして甲高いマフラー音は時代の流れにどんどん合わなくなってきていたようです。
RZが誕生したのはそんな時で、2ストロークエンジンはそのうち無くなるだろうと思われたその時期(1980年)に、ヤマハは今までレース等で蓄積した技術を全てつぎ込んだバイクを発表、それがRZ250でした。
ちなみにRZのZは「最後の」とか「究極の」と言う意味を持っていたそうです。
ところがこの最後の2ストロークバイクになるはずだったRZ、その割り切った姿が当時の若者のハートをがっちり掴み、売れに売れまくりました。
その結果ホンダやスズキ、そしてカワサキも対抗機を開発、そこからNSRやRGガンマなどの人気車も出て、街にはそれらが溢れかえっていきました。
しかしバイクブームも去り、ライダーも大幅に減少した結果、臭い汚い2ストロークバイクは近隣に気を使いながら乗る乗り物に変わってしまいました。
私のRZも例外ではなく、マフラーから出る白煙により道ゆく人から後ろ指をさされ、鼻をつまみながら遠巻きに避けて歩かれる、そんな存在に変わってしまいました。。。
現在はほとんどが廃車となり、部品も多くが欠品となったため、滅多にRZを街で見かけることはなくなりましたが、しかし一時代を築いたRZは今でも歴史に残る名車として、バイク乗りに一目置かれる存在になっています。
RZに乗っているとよく、「俺も昔乗ってたんやー」という中高年に出会います。こんなRZ250にいつまで乗り続けられるのか、それは神のみぞ知る…という感じです。
(ちなみにRZ250を40年近くも乗り続ける理由は、もともと兄のバイクであったのを無断で乗り回して、挙句の果てに事故り大破させ、それを何とか復活させた、そんな経緯もあり、思い入れが強すぎて手放せなくなった…そんな理由です)