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積立運用に潜むリスクと戦うための「ドルコスト平均法」について

皆さんも一度は見たことがあると思いますが、1975年に放送が始まったスーパー戦隊シリーズは、5人のヒーローが力を合わせて悪者をやっつけるストーリーで、令和になってもシリーズは続いています。いつの時代も男の子には人気がありますねえ。斯く言う私も、初代の秘密戦隊ゴレンジャーは大好きで、今でも「バンバラバンバンバン♪」とオープニングソングのメロディーが頭に浮かびます。

積立運用も、リスクと戦うヒーローとして、「ドルコスト平均法」があります。積立運用を始めて比較的早い段階で、突然買ったものが値下がりしてしまうピンチに、実力を発揮する「ドルコスト平均法」をご説明します。

1.ドルコスト平均法って何?

ドルコスト平均法とは、「日々価格が変動する金融商品を、一定金額ずつ、定期的かつ継続的に購入する買い付け方法」です。将来の価格の予測は難しいので、自分の意思とは関係なく、定期的に上がったり下がったりする中で購入します。この方法でいくと、価格が安いときはたくさん購入して、逆に価格が高いときはあまり買えなくなります。次の表を参照ください。

毎月2万円ずつ1年間ファンド(例:投資信託)を購入していくので、投資総額は24万円になります。1月に1万円で2口購入した後、春から夏にかけて価格は大きく下がりますが、徐々に回復してきています。12月の時点で、価格は7,000円まで戻してきました。

この場合、下がれば下がるほど口数はたくさん買うことができているので、毎月買った口数を合計すると、この1年で47.2口買ったことになります。12月時点で、47.2口×7,000円=330,400円になっており、約9万円の含み益ができていることになります。

もし1月に24万円を一括で買ってしまっていたら、24口×7,000円=168,000円となり、約7万円の含み損を抱えていることになります。

つまり、積立(時間分散)することにより、価格が下がってしまった場合でも、口数が増えることにより価格の下落リスクに対応できるようになります。

2.どんな時でも活躍できるヒーローはいません

戦隊シリーズのヒーローもそうですが、1人でどんな状況でも悪者をやっつけることはありません。ピンチに陥ったメンバーを他の4人が協力して助けることによって、悪者を倒すのがいつものパターンです。

運用についても同じことが言えます。例えば、もし年間通じて一度も値下がりしない年があったら、最初に大きなお金を一括で購入するべきだったことは後でわかります。この場合、残念ながらドルコスト平均法はヒーローとして力は発揮できていないかもしれません。また、既に積み立てて持っている部分のリスクは低下しないので、相場が大幅に下落したときに売却すると、損失が発生することも覚えておいてください。

3.他のヒーローにも助けてもらいましょう

積立投資の前半で活躍するドルコスト平均法に加えて、積立投資の後半では、「複利」という別のヒーローも助けてくれます。複利運用は、積立期間が長くなるほど皆さんの運用を陰で支えてくれます。複利については、また別の機会にご説明したいと思います。

実際に積立運用をされる場合は、ライフプランに基づいた長期的なプランを立ててから行っていただくことをお薦めします。

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