これからの高齢化社会について考える①
我が国の現状
日本はすでに超高齢社会です。
現在、日本の高齢化率(65歳以上人口割合)は28%ですが、将来的に47%まで増加するとともに、総人口も急速に減少すると予想されています。
国民の二人に一人が高齢者の時代。
急性期病院を中心とした従来型の医療システム
臓器しかみない早期退院を迫る
そして年金制度を中心とした世代間支援を前提とした社会保障制度は続けられない
増え続ける高齢者を支える介護サービスも絶対的に不足し、支えられる高齢者の側も、自らの意思で人生を選択できる人は残念ながら少数です。
本来、「長生き」はわたしたちの共通の願いだったはずです。
だけど、長生きしている高齢者たちは、今輝いていますか?
本当に自分の生きたいように生きていますか?
肩身の狭い思いをしていませんか?
超高齢化は、多くの人がそれを実現できるようになったという喜ばしい成果であるはずです。これを豊かなものにする責任が私たちにはあります。
高齢者はみな謙虚
高齢者はみな謙虚
医者はおごって患者は自分が指導するもの、管理するもの、患者は自分に従うものと考えているという風に見受けられる方もいらっしゃいます。
長い人生経験 学ばせていただくという姿勢
そして感謝
高度成長期を支えてきた高齢者たちがどれだけ強いか、どれだけ深遠か どれだけ深い人間性を持っているか。
今の若い人たちの個人主義は、自己主張して意見を言い合うというところはよいと思いますが、日本人が本来持つ謙虚さ奥ゆかしさを忘れているのではないでしょうか
経済成長ありきの既存の価値観を捨て「人生の豊かさ」の本質を追及する。
加齢や病気に伴い心身の機能が低下しても、最後まで安心・納得する医療を受けられる社会にする。
そして、長生きを心から喜べる社会をつくりたい。
国の進める地域包括ケアシステム
高齢者が要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい生活を最期まで送れるように、地域内でサポートし合うシステム
「住み慣れた地域で自分らしい生活を最期まで送れる」
この言葉に私は共感します。
高齢者の救急搬送の内訳を調べてみると重症者の搬送はあまり増えておらず、増えているのは軽度から中等度の方々。
つまり本来であれば地域医療を担う開業医の先生達でカバーできる患者さん達が、通院できなくなって救急車を呼んでいるのです。
そうなってしまうのは自宅や地域できちんと健康管理されていないからです。
必要なのは自分で通院できない高齢者を地域で守る仕組みです。
将来的に救急搬送が今の2倍になれば、救急医療は破綻してしまいます。
患者さんにとっても、救急搬送と入退院を繰り返して病院で亡くなるのは決して幸福なことではありません。
北摂地域は、急性期病院が多いため、そこに安心感を求める患者さんが多い。
しかし、本当の安心は、住み慣れた場所で最後まで納得した生活・医療を受けられることだと思う。
かつては日本人の8割が医師に看取られ、自宅で亡くなっていた。
それが今では多くの人が病院で亡くなっている。
国のデータでは、60%の人が、人生の最後を自宅で過ごしたいと思っています。
本来は、若い頃から診てもらい、信頼関係を築いてきた地域の先生達に最後まで診てもらうのが幸せだと思います。
だからこそ、それを実現するために当院は日々動いています。
入院環境のストレスで、ADL低下、認知症の進行。
肺炎は治療できたけど、結局寝たきりになって認知症も進行した。なんてパターンが多い。
自宅で過ごすということがどれだけ大切なことか。
また、自然空間のある施設で支えられながら、自分らしい暮らしを全うすることができれば、それは幸せだと思います。
だからこそ、在宅医療を含め、当院が地域医療に貢献できるよう、在宅療養支援病院としての責任を全うしていきたいと考えています。
~次回に続く~
地域の皆さまに信頼される病院を目指して
理念
地域のみなさまに信頼される病院になります
かかわった人すべてを幸せに
輝いて生きる
基本方針
チーム医療
医療従事者の力を併せたチーム医療を展開し、安全で信頼される医療を提供します。
職員の幸福
職員の成長と幸福を達成するため、働きやすくやりがいのある環境を追求します。
在宅療養支援病院としての責任
地域に根ざした在宅療養支援病院として、関連機関と連携し責務を全うします。
病院経営の安定
医療法人甲聖会の一員として、経営努力をたゆまず続け社会貢献に努めます。