介護以外について

犬のしつけ、人のしつけ

「しつける」という言葉の捉え方

昨今、「しつけ問題」は、人も、犬も、大いに問題になっている。
その中で必ず出てくる言葉、「虐待」「暴力」「暴言」などだ。
「捉え方」によって人それぞれの考え方があって、「しつけ」と「虐待」の二つに分かれることが多い。でも人は、とてもそのやり方が、下手くそだ。
いつも、周りの影響され、それなのに、親としての自分より、個としての主張が強すぎる。自分以外の者を「私物」として判断しがちである。

では、なぜ私たちはしつけをする?なぜ、動物たちはしつけをする?
どちらも本来の答えは同じ、社会で生きやすくするため、すなわち生き残るためだ。

人も動物も子孫を残したい。「種の保存」「子孫繁栄」これが動物の原点だと思う。

動物の親が子に教える事、それは「危機管理能力」。

「家族と違う動物が来たら警戒せよ」。なぜなら、母親が食料を探しに行く間に、「隠れておく」というルールが守れないと殺されてしまうかもしれないからだ。命がなくなる事の重大さ、怖さをしっかりと教える。

次に群れ社会で生きる動物は、家族以外の仲間同士の社会ルールを守らなければいけない。
それは、きちんとした挨拶。
強い大人達に、「よろしくお願いします。リーダー、守ってくださいね。」と身を預けるポーズしたり、「お前は誰だ?」とニオイを嗅がれる時、じっと我慢して恐怖にと緊張に耐えなければいけない。
これが守れないと同じ仲間からの攻撃に遭うこともあるからだ。

親は、自分の子孫を残したい。
その子が生き残って、又次の世代へ自分の血を受け継いで繋いで欲しい。そう思うので、親も必死だ。
時には、怖い顔して、時には歯を立て、泣かせることだってある。
だからといって決して、命に関わるようなケガをさせたり、怒った後のフォロー、どうしてそうされたかは、ちゃんと教えている。

甘やかす時は、思い切り甘やかし、舐めてあげる。これは人で言うと撫でることに値する。
一緒に遊びながら、狩りを教える。人で言うと、「初めてのおつかい」とか「お母さんと一緒に料理をする」ようなことになるのだろうか?

犬の場合は、野生出身がほぼいないので、「人間に対してどう接すると、食べ物が得られるか」かもしれないが・・。
とにかく、子が親と分かれても、独立出来るようになる道筋を、ちゃんと作っていく。社会は家族だけではなく、もし自分が死んだときそれでも、他の仲間と社会ルールの中で生きていけるように厳しいけど愛があるしつけ、「命を守るための行動」を教えていくことが、これが本当のしつけだと思う。

人間は特別なのか?

人間もやはり、動物。本来の願いは一つ。「子孫繁栄」=「種の保存」。人間だけが特別なわけじゃない。DNAに組み込まれているはずだ。
それなのに、最近は、何かが違うと思う。
「個」の強さ、「子孫繁栄」に対する興味のなさ、社会に対する対応力なさ。
挙げ句の果てに、言葉のみの「しつけ」という虐待によって子供達が親に命を奪われる。

自然動物でも、育児放棄をするものもまれにいるが、人間は何故こんなにも多いのだろうか?
知能の発達、社会ルールの罰則、動物たちとは違う、言葉のみで理解し合える能力があるはずなのに・・。

昔、叱られて納屋に閉じ込められたり、お尻を叩かれたり、様々な経験をした方も多いと思うが、その当時の家族構成はどうだったか?
「しかる」事に安全が必ず担保されていたとは思わないだろうか?


祖父母と暮らし、父親は働きに行き、母親は、食事、家族の世話、保育園もなくて、祖父母が、子供の面倒を見る。そして色々なルールを教えてくれた。
食べてはいけない物、言葉遣い、礼儀作法などしてはいけない事、伝説や、豆知識を使って丁寧に。また、両親にしかられても、祖父母のフォローがあった。また、ご近所のおじちゃん、おばちゃん、隣のお兄ちゃんや幼なじみと、野生動物と同じコミュニティーが存在していた。

私たちは、いつしかそんな小さな、「社会の始まり」を失ってしまった。
核家族になって、両親が共働きなのに、祖父母の愛情分も、兄妹の分も地域コミュニティのルールの指導も、いくつもの関係性を親のみが兼ねなければ、いけなくなった。

そして、世間では「ストレスからの解放」「自己の権利」端的に切り取られた「少子化は問題だ」「女性の社会進出は当たり前だ」「働き方改革をして働く時間の見直しだ」言葉の一人歩きではないだろうか?このままで良いのだろうか?
「親」という大切な仕事をどこか軽んじてないだろうか?


しかし、親の役割は関わる時間とは必ずしも比例はしないと思う。私自身、親が忙しかったので、周りのコミュニティに少しずつ愛情を受けていた。
親がそのコミュニティを安全だと認識させてくれることも一つだったと思う。
それが、親からの愛情に変化した様に思う。そう言った街作りに時間やお金をかけていくことが大切だと思う。

今、子供に対して、「無関心」と「過干渉」の両極端の親が増えて言っているように思える。そしてまた、ペットを飼育している家族はペットに対しても同じ問題を抱えている。
 
「人間の家族」としてのポジションに上がったがゆえに、少し又、なにか歪められようとしている。
ペットと共生していく上で、間違ったルールを作ってはいけない。押しつけてもいけない。
 
逆に私たち人間は、動物たちを人間ルールに寄せるだけではなく、人こそ動物たちを見習い、社会をもう一度見つめ直すべきではないだろうか?

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この記事を書いたコラムニスト

岡 真由美 (オカ マユミ)

ペットライフコンシェルジュ

ペット関連サービス

有限会社PURENESS 代表

大阪府大阪市旭区生まれ

滋賀県近江商人の父が青果店から会社を興し、子供の頃は、商店街で店先にたつのが当たり前で育った。

14歳から演劇を始め、俳優を目指し18歳で上京

21歳で挫折し、専業主婦となる。

大阪市会議員になった、父の手伝いをしながら子育て。

父の引退とともに、トリミングサロンを始める。

36歳の時、両親が障害者になり、脳梗塞で倒れた父、透析の治療の母、高齢の祖母の施設病院など、老人ホームやグループホームなどいろいろな施設トの関わりを持つ。

その時に感じたことが、高齢者とペットの暮らしを考えるようになる。

現在は、新規事業のサポートなど行っている。


犬の情報番組インターネットラジオfm-gig「ドッグワンチャンネル」の元パーソナリティー 

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