介護以外について

ペット共に老いていく時に考えること

共に暮らした可愛いペットたち

いつまでも共に暮らしたいペットたち。
 
しかしながら、必ずしも、最後までとは限らない。
老いは飼い主にも、ペットたちにもやってくる。
お互いに同じサイクルで歳を重ねられればいいが、ペットの方が先に目が見えなくなったり、足がおぼつかなくなったり、認知症になったりする事もある。
この場合、小型のペットならばなんとかなりそうだが、中型や大型の場合、足が弱ったときに抱っこしなければ動かせない事もある。
もちろん、単身生活でなければ、複数人で対応することが可能だろうけど、それにしても大変な介護になる。
最近では、仕事の間の留守中はペットを看てもらうシッターサービスやデイサービスなど新しいサービスが増えてきたのもこのせいである。
しかし、サービスには費用がかかり、誰しもが利用できる環境ではまだない。


逆に、ペットよりも先に、人が病に倒れる場合も多い。
それは、ある日突然にやってくる。
私のしていたお店にも、何度もこういう事態が起きた。


ある時は、飼い主さんが倒れてしまい、そのまま一人では生活ができなくなり、妹さんがお店に来られた。
妹さんの家族は遠方で、お兄さんは単身者。
犬までは引き取れないと・・。
しかし、犬も高齢で、また持病もあり里子に出すにはなかなか難しい事情だった。
長期の入院生活の間、うちのお店でお預かりさせて頂き、妹さんに犬との暮らしの素晴らしさ、お兄さんにとってのその子の役割など、いろいろとお話しをさせてもらい、退院後、一緒に暮らしてもらえることになった。
これはとてもうまくいった場合である。


またある時、同じく隣同士に住んでいたご兄弟のお兄さんが倒れて危篤状態、犬は老犬。弟さんからの連絡で、殺処分を頼まれた。
見ず知らずの私の店への依頼だった。
「法律で、ペットは終生飼養になり、殺処分は出来ません。」と断った。
「高くなっても良いのでなんとかならないか」という言葉が返ってきた。
今度は老犬ホームを勧めてみた。
費用を言うと無理だと断られた。
最終的には、ボランティアさんの手を借り、終末期を看取って頂くようにお願いをすることになったのだが、そんなに簡単なことではないので、寄付をお願いし、うちのお店の預かりホテル代を支払って頂き、その子を引き取った。
 
本来の飼い主のお兄さんは弟さんに気を遣い、犬との別れを覚悟し、その一切をゆだねられた。
こうした、突然のお別れがいつあるかもしれない。

こ不安材料を少しでも楽にするために、今ではペット信託や生命保険の一部を信託にして、他の人に飼育を託す仕組みが作られている。
ペットの飼育で必要なお金を預け、食事や美容代、病院代などをそこから支払い、預けた人に無断で使われないようにするためだ。


本来、ペットは動産なので、相続を受けた人がペットの事を考える事になるのだが、先に言ったように嫌いな場合も環境が許さない場合もある。
そんな時のことも考えて、今後のペットとの暮らしでの必須条件になるではないかと思っている。
高齢者がペットと最大限長く暮らせる場所や環境作りは、今後の日本の大きな課題といえる。
少しずつでも増えつつあるペット共生高齢者住宅と新しいサービスに期待したい。
 

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この記事を書いたコラムニスト

岡 真由美 (オカ マユミ)

ペットライフコンシェルジュ

ペット関連サービス

有限会社PURENESS 代表

大阪府大阪市旭区生まれ

滋賀県近江商人の父が青果店から会社を興し、子供の頃は、商店街で店先にたつのが当たり前で育った。

14歳から演劇を始め、俳優を目指し18歳で上京

21歳で挫折し、専業主婦となる。

大阪市会議員になった、父の手伝いをしながら子育て。

父の引退とともに、トリミングサロンを始める。

36歳の時、両親が障害者になり、脳梗塞で倒れた父、透析の治療の母、高齢の祖母の施設病院など、老人ホームやグループホームなどいろいろな施設トの関わりを持つ。

その時に感じたことが、高齢者とペットの暮らしを考えるようになる。

現在は、新規事業のサポートなど行っている。


犬の情報番組インターネットラジオfm-gig「ドッグワンチャンネル」の元パーソナリティー 

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