高齢者の病気・疾患

介護現場の感染対策Q&A|よくある場面別に正しい対応を解説!

感染対策の正しい知識は持っていますか?

手袋の着脱タイミングやマスクの交換基準、口腔ケアや服薬介助の際の衛生管理など、迷う場面も多いはずです。

僕自身、長年介護職として働く中で、「この場面では手袋をしたほうがいいのか?」「換気のタイミングはどれくらいが適切なのか?」と悩むことがありました。

そのたびに、感染対策の基本を見直し、実践することの大切さを実感しています。

そこで今回は、介護の現場でよくあるシチュエーション別に、感染対策の正しい対応をQ&A形式で解説します。

ただし、感染症対策のルールは施設ごとに異なります。
あくまで僕が学んできた一例として、参考にしていただければ幸いです。

利用者にも職員にも安心・安全な環境を提供できるよう、ぜひ確認してみてください!

また、現在国内でもコロナやインフルエンザなどのウイルスが流行っているので、この機会に普段の生活での感染対策についても復習して欲しいと思います!

食事介助時の手袋・手洗いのタイミング

食事介助時、基本的に手袋の使用は必須ではありません。

ただし、介助者の手に傷がある場合や、利用者が感染症を発症している場合は、手袋を着用する方が望ましいです。

食事介助の後は、手洗いをしましょう。
また、複数の利用者を介助する際は、1人ごとに手指消毒を行うことが大切です。

服薬介助時に手袋は必要か?

服薬介助では、基本的に手袋の使用は必須ではありません。

しかし、利用者が感染症を発症している場合や、介助者の手に傷や皮膚トラブルがある場合は手袋をした方が良いです。

服薬介助の後は、他の利用者に触れる前に手指消毒をしましょう。

目薬を差すときは手袋は必要?

目薬を差す際、基本的に手袋の使用は必須ではありません。

しかし、利用者が感染症を発症している場合や、介助者の手に傷や皮膚トラブルがある場合は手袋の着用が推奨されます。

目薬を差した後は、手指消毒を行いましょう。
また、目薬の容器は利用者ごとに分け、直接目に触れないように使用することが大切です。

利用者の口腔ケア時に手袋は必要?

口腔ケア時は基本的に手袋の着用が必須です。

口腔内には多くの細菌が存在し、唾液や痰などの体液に直接触れるため、感染リスクが高いためです。

交差感染のリスクを防ぐため、利用者ごとに手袋を付け替えましょう。

排泄介助後の手袋交換のタイミング

排泄介助では、手袋の使用は必須です。

排泄物には細菌やウイルスが多く含まれており、感染予防のために適切な手袋の着脱が求められます。

利用者ごとに手袋は交換し、排泄介助後は、手袋を適切に廃棄し、必ず手洗い・手指消毒を行いましょう。

排泄介助で手袋を二重にするのは有効か?

基本的に、通常の排泄介助では二重手袋は、推奨されていません。

なぜなら、 二重にすると感覚が鈍くなり、適切なケアがしづらくなります。二重にするよりも、汚染後すぐに手袋を交換するほうが衛生的だからです。

ただし、ノロウイルス・疥癬(かいせん)など感染症対応や利用者の排泄物に血液が混じっている場合などは、二重手袋は有効です。

排泄介助のとき、エプロンはつけるべき?

排泄介助では、エプロンの着用が推奨されます。

排泄物には細菌やウイルスが含まれており、衣服の汚染を防ぐために適切な防護対策が必要です。

エプロンは、使い捨てエプロンを利用し、1回ごとに交換します。
布製エプロンを使用する場合は、使用後すぐに洗濯・消毒しましょう。

移動や歩行補助で手袋は必要か?

基本的に、移動や歩行補助の際に手袋は必要ありません。

ただし、状況によっては着用が推奨される場合もあります。

たとえば、利用者が感染症(ノロウイルス、インフルエンザ、疥癬など)にかかっている場合や傷や褥瘡(床ずれ)がある部位に直接触れる可能性がある場合などです。

入浴介助時に手袋はつけるべき?

入浴介助では、基本的に手袋の着用が推奨されます。

入浴時は利用者の体に直接触れる機会が多く、感染症予防の観点からも手袋を使用すべきです。
入浴介助でも利用者ごとに手袋を交換するのが基本です。

マスクの交換タイミングはいつ?

介護現場では、1勤務ごとに最低1回は交換するべきです。

また、マスクが湿ったとき、汚れやにおいが気になるとき、利用者の体液や排泄物が付着したときなども交換のタイミングです。

マスクを扱うときは、表面には触れずに耳ひもを持って着脱し、使用済みマスクはすぐに廃棄し、手指消毒を行いましょう。

窓を開けての換気のタイミング

介護施設では、適切なタイミングで換気を行うことが感染予防になります。

具体的には、1時間に1回、5〜10分程度が理想です。
食事中は飛沫が飛びやすいため、食事前後で空気を入れ替えるのも良いです。

換気の方法としては、2方向の窓を開け、空気の流れを作ったり、扇風機や換気扇を併用し、室内の空気を外に送り出すと効果的です。

介護記録をつける前後の手指消毒は必要?

介護記録をつける前後には手指消毒が必要です。

共用の記録用紙や電子端末を介した交差感染のリスクがあるためです。

記録をつける前後の手指消毒を習慣化し、職員間や利用者間の感染予防を徹底しましょう。

まとめ

介護現場での感染対策は、利用者や職員の安全を守るために欠かせません。

手袋や手指消毒、マスクの適切な使用、換気のタイミングなど、状況に応じた対策を徹底しましょう。


介護の三ツ星コンシェルジュ

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