介護施設のちがい

介護施設のちがい⑩「有料老人ホーム」の種類

有料老人ホームをご存知ですか?

高齢者の住まいとして一般的にみなさんが知っているのは「老人ホーム」ではないでしょうか。「老人ホーム」というと、どのようなイメージをもたれますか?

老人ホームは大きく分けて2種類、
1つは特別老人ホーム、もう1つが有料老人ホームです。
「「老人ホーム」は「特別養護老人ホーム」のことで、介護が必要な人が入所する施設で、その選択肢以外になにがあるのか知らない!!」という方も多いと思います。

では有料老人ホ-ムとは何なのか?
こちらでは、まずは「有料老人ホーム」についてご紹介したいと思います。

有料老人ホームの種類について

有料老人ホームは、老人福祉法第 29 条第1項において、「老人を入居させ(以下「入居サービス」という。)、 当該老人に対して「入浴、排せつ又は食事の介護」、「食事の提供」、「洗濯、 掃除等の家事」又は「健康管理」の少なくとも一つのサービス(以下「介護 等サービス」という。)を供与する施設」として定義されています。*

 現在、上記規定に基づく「届出」の有無にかかわらず、入居サービス 及び介護等サービスの実施が認められるものは、すべて有料老人ホームに該当するものとして取り扱うことととなっており、別にご説明する「サービス付き高齢者向け住宅」も広義では「有料老人ホーム」に位置づけられることになります。

実は、2007年以前は、定員が10名以上で提供する食事などの生活サポートを提供する施設と定められていました。
しなしながら老人福祉法が改正されたことにより定員制限がなくなり、提供するサービスも上記のとおり「入浴、排せつ又は食事の介護」、「食事の提供」、「洗濯、 掃除等の家事」又は「健康管理」のうち何らかのサービスを運営事業者自身もしくは外部への委託により提供している事業所は、全て有料老人ホームとして認められることになりました。
これは、所謂、「隠れ有料老人ホーム:無届の高齢者施設」をきちんと管理する為に法改正されたもので、この改正により、有料老人ホームの数は年々増加傾向となり、平成29年現在、全国で約11,000棟以上となっています。

設置主体は、法人格を有する民間事業者、地方公共団体、社会福祉法人、財団法人、医療法人などさまざまです。
 
そして、有料ホームには、
「健康型有料老人ホーム」
「住宅型有料老人ホーム」
「介護付き有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)(外部サービス利用型特定施 設入居者生活介護)」 の3種類があります。
ただし「健康型有料老人ホーム」は自立の人が入居できる居住施設であり、介護が必要となれば退去という住まいのため、現在全国的にもほとんど新設の届出はありません。ここでは説明を割愛します。
 
 「住宅型有料老人ホーム」とは、生活支援等のサービスがついた居住施設であり、介護が必要となった場合には、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等、外部の事業所が運営する介護保険サービス(ケアマネジメント、訪問介護、訪問看護、デイサービス、デイケア、福祉用具レンタル、小規模多機能居宅介護等)を利用しながらホームで生活を継続することが可能な住まいです。当然ながらホームを運営する事業者が運営している介護保険サービスも利用可能です。
むしろ、ホームで提供する生活支援サービス(介護、見守り、夜間巡回等)との連携上、自社が運営する介護保険サービスの利用を勧められるホームがほとんどです。
人員配置に定めがなく、行政に届出をすることにより運営ができる施設です。

「介護付き有料老人ホーム」とは、住宅型同様生活支援等のサービスがついた居住施設ではあるものの、介護が必要となった場合には、一般型については施設職員(介護・看護職員を入居者1名に対し3名以上配置)が介護サービスを提供しながら、ホームで生活を継続することができるます。
また、外部型については有料老人ホームの職員が安否確認や計画作成等を実施しますが、介護サービスは委託先の介護サービス事業所が提供します。
介護付有料老人ホームは行政からの「特定施設入居者生活介護」の指定を受けてはじめて運営できる施設です。
所謂、行政のお墨付きのついた民間の悔悟施設と言えます。

また上記の類型以外にも、それぞれ「自立から入れる施設」なのか、「要介護認定のある人しか入れない施設」なのか等、入居条件の違いもあり、一見しただけだけでは見分けがつきにくいという難しさもあります。
それ以外にも、立地条件、居室の広さ、共用部の充実、提供するサービス内容、手厚い人員配置、入居前費用や月額利用料の多寡など、さまざまな条件があることも有料老人ホームを分かりにくくしている要因のひとつかもしれません。

介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの違いとは?

有料老人ホームの区分については、上記の「住宅型有料老人ホーム」と「介護付有料老人ホーム」の2種類があるとご理解下さい。
また、ホーム独自の入居基準により、介護付有料老人ホームは「介護専用型(要介護の方のみを入居対とした有料老人ホーム)」と「混合型有料老人ホーム」(入居するのに要介護認定が必要でないホーム(自立の方でも入居でき、その後要介護状態になっても住み続けることが可能なホーム)に分かれます。

では、介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの違いは何なのか?
簡単に言うと、そのホームに入居後、他の介護保険サービスを利用出来るか出来ないかという違いです。
介護付有料老人ホームに入居すると、そのホームを運営する事業者が24時間、緊急時も生活支援を全般的に提供してくれます。
これは介護保険法上も保証されています。食事介助、排せつ介助、掃除、洗濯、入浴介助、健康管理、居室巡回、看護師による医療サービス、レクリェーション、機能訓練、見守り等全てのサービスを提供してくれるので、他の事業者のサービスを受ける必要がありません。
また、介護保険サービスに支払う料金も、要介護度により決まった額が設定されており、それ以上もそれ以下も請求されません(家賃・管理費・共益費・食費等、介護保険サービス以外の利用料は別途支払う必要があります)。
全てのサービスをホーム運営事業者が提供してくれるので安心して生活できますが、他の介護保険サービスは利用できなくなります。

一方、住宅型有料老人ホームはホームが提供する生活支援サービスは、ホームによって自由に設定されます。
一般的に居室巡回、見守り、健康管理、リクリェーションサービスが提供されるホームが多く、その他の、食事介助、排せつ介助、掃除、洗濯、入浴介助、看護師による医療サービス、機能訓練等は外部(他事業者もしくはホームを運営する事業者が運営)の介護保険サービスは、入居者の希望と身体的状況により組み合わせて提供されます。
通いなれたデイサービス等に通い続けることも可能ですし、これまで利用していた馴染みのヘルパーに介護してもらうことも可能です。
ホームのサービスに依存せず、身の回りのことを自分でやれば介護保険自己負担額を減らすことも出来ます。
ただ、介護の必要性が増え、介護保険の利用限度額を超えれば、自費でサービスを受けないといけないので、考えている以上に利用料金が増える場合もあるので注意が必要です。

以上が「介護付有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の違いです。
ご理解頂けましたでしょうか?少し難しいですよね。

前述しました、混合型有料老人ホームも介護保険サービスを利用する段階になれば、「介護付有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」に分かれます。
そういう意味では、有料老人ホームを選ぶ場合には、「介護付」と「住宅型」の違いを理解しておく必要があります。

住宅型有料老人ホームの進化により「介護付」と「住宅型」の明確な差異がなくなってきている

一昔前は、住宅型有料老人ホームでは例えば、要介護5で夜中にオムツ交換を3~4回入る必要がある場合に、またたく間に介護保険の利用限度額をオーバーし、ビックリするほど多額の自己負担額を請求される事例が多発していました。

ですので、要介護度の高い方は介護付きへ低い方は住宅型へという傾向がありましたが、最近は、住宅型有料老人ホーム事業者が「夜間介護サービスパック」、「看護師利用パック」、「生活支援サービスパック」等、月額パック料金を設定することが多くなってきましたので、前述のトラブルはほとんどなくなってきました。

そういう意味では、住宅型有料老人ホームでもサービス面で介護付有料老人ホームと遜色のないホームが多数出来ています。

なお、サービス付高齢者向け住宅も、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けることも可能です。特定施設の指定を受けた住宅を「介護付サ高住」、受けていない住宅を「住宅型サ高住」と呼んで区別しています。
有料老人ホームとサービス付高齢者向け住宅は所管官庁が違うだけで、サービス面はほぼ同等と理解していただければ結構です。

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