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40~90代までの小規模で多彩なコミュニティ 「スタッフの働きやすさ」にも様々な工夫

2022年4月に大阪市生野区に開設した「ルフォール林寺」は定員27名の住宅型有料老人ホームです。

要介護の高齢者だけでなく、障がいを持つ方も入居しており、小規模ながら年齢層が40代~90代に渉る多彩なコミュニティとなっています。毎日のカラオケでは軍歌からポケモンまでが飛び交うそうです。

「40代のご入居者様は、知的障がいを持っています。高齢者にとっては子ども世代に当たるため『自分たちが面倒を見なくてはいけない』という気持ちになるのか、行動もしっかりしたものになるようです」と石原教匡施設長は語ります。

月~金曜の日中は自社雇用の看護師が常駐。

また、夜間はヘルパーのほかに看護師が管理人として常駐しており、医療的な対応が必要な人の受け入れ体制が整っているのも特徴のひとつです。

入居者の中には1時間に1回程度のペースで痰吸引をしなくてはいけない人もいます。胃瘻の人も多いときは4名が生活していました。

外部のケアマネジャーから「他のホームでは難しいので…」と受け入れの要請があることも少なくありません。看取りも開設2年強で3件の実績があります。「看取りについては、ご本人、ご家族の要望があれば、原則として受けていきます」とのことです。

食事でこだわっているのが「お米」です。

高齢者はどうしても食事に時間かかるため、「冷めてもおいしいもの」を採用しています。また、入居者の年齢層が広いことに加え、メニューがワンパターンにならないよう、週に2回は菓子パンを提供しています。

同社が運営するほかの高齢者住宅では、入居者のレクリエーション用に、かき氷やクレープ、ソフトクリームなどを販売するキッチンカーを呼んでいます。これが好評なことから、10月から同ホームでも取り組むとのことです。

「日頃はなかなかできない買い物を楽しんでもらうだけでなく、黒蜜がけのかき氷など昔懐かしい味を口にすることでの回想療法なども期待できます」

同社は浪瀬裕子社長自身が一介護職から起業したということもあり、運営する高齢者住宅では自身の現場経験などに基づいた、スタッフが働きやすいためのさまざまな工夫が盛り込まれています。

その一つが、スタッフの休憩スペースの確保です。

「ルフォール林寺」は小規模住宅や工場が立ち並ぶ一角にあり、決して土地に余裕があるわけではありませんが、設計を工夫し、現場の音などが全く届かない場所に個室の休憩スペースを確保しています。

介護職は、現場で利用者が大きな声などを出したりしていれば、性格上、自分が休憩時間でもどうしても対応してしまいがちです。

「休憩時間はしっかり休む」ことを徹底することが目的です。特に、夜勤時には2時間きっちり仮眠をとれることを面接時に説明することで、スタッフの採用にもつながっています。

介護の三ツ星コンシェルジュ

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