節税・年金・資産運用

社会保険の短時間労働者への適用拡大。あなたならどうしますか?

2020年6月に「年金制度の機能強化のための国民年金等一部を改正する法律」が公布されました。
これにより、短時間労働者の被用者保険の拡大、非適用業種の見直し等が実施されました。

我が国は、平均寿命がどんどん長くなる中、シニア期の経済基盤の充実が求められています。
短時間労働者が被用者保険に加入することで、公的年金と公的医療に関して、どんなメリットが得られるかをご紹介します。

なぜ適用拡大されたのか

短時間労働者の被用者保険適用拡大に対する考え方として、厚生労働省は3つの視点から今回の改正が必要であると言っています。

①被用者にふさわしい保障の実現
被用者でありながら国民年金・国民健康保険の加入者が、厚生年金による保障や健康保険による保障が確保できる。

②働き方や雇用の選択を歪めない制度の構築
労働者の働き方や企業による雇用の選択によって、社会保険制度における不公正な取り扱いがないようにするとともに、働きたい人が能力を発揮する機会や企業側の労働力確保が容易になる。

③社会保障の機能強化
厚生年金の適用対象となった者が、厚生年金の報酬比例の上乗せ給付による保障が受けられるようになるとともに、年金制度における所得再配分機能の維持に資する。

被用者保険で得られるメリットは

被用者保険に加入している短時間被保険者の多くは、男性高齢者と女性。
では加入している男性高齢者と女性に年金と医療でどのようなメリットがあるのでしょうか?

①男性高齢者
定年退職後、短時間労働者に移行し被用者保険に再加入することで、厚生年金や健康保険(介護保険も含む)に事業主と折半で加入し続けることが可能。厚生年金は最高70歳になるまで加入し続けることが可能なので、老後の年金を増やすことができる。

②女性
国民年金第3号被保険者であれば将来受け取れる年金は通常老齢基礎年金のみとなるが、被用者保険に加入することで、配偶者の扶養から抜けることにはなりますが、自身の将来の年金を増やすことができる。

近年、大規模な自然災害や新型コロナウィルス感染症の拡大など、想定外の事態が起こっており、かつ、人生100年時代とも言われ、国の保障の充実だけでなく自助努力が求められる時代になっています。

このように状況下で被用者保険の適用拡大は、公的年金の受給額の上乗せ、健康保険の保障強化等に結びつくものですので、自身のシニア期の公的年金や公的医療充実による経済的基盤の確保のためにも、利用していくべきではないでしょうか。
 

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