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退職者の再雇用により即戦力の人手確保を~介護事業者の人材確保方策~

新型コロナウィルス感染症の流行の影響で、全産業の有効求人倍率が1.03倍(パートタイムを含む)まで落ち込んだ中、介護サービスの有効求人倍率は3.99倍と人手不足感は依然として解消されていません。

こうした人手不足感を改善する方策として、優良な介護事業者が強化しているのが、退職者の再雇用。
以前に勤務経験のある人材は、その法人の事業方針や雰囲気、介護の流儀等を理解している分即戦力として期待でき、大きな戦力となります。

また、国の助成金の後押しもあり、退職者の再雇用に力を入れている大手介護事業者は多い。今回は退職者の再雇用方策と助成金の活用についてご説明します。

結構戻りたい人が多い!!介護業界

介護職は横の繋がりが強い業界。様々な理由で退職したものの、復職したい人材も多いのが実情。
例えば、妊娠・出産・育児、介護、配偶者の転職・転勤等で退職せざるを得なかった方、
例えば、他社に転職したものの、改めて元の会社の人材育成、福利厚生制度等を評価し、復職できないか悩んでいる方、
等が、元職の職員とSNSで繋がっているため、機会があれば復職される場合が多いようです。

そういう方は、元職の繋がりで、元の現場に戻る方が多いのですが、給与面の処遇等で劣る場合が多く、結局復職を諦める方も多いようです。

そういう方に対応するため、大手介護事業者では、退職者向けに「復職制度」を規定し、退職時の給与や退職後の状況を加味して待遇を決めることを明確化しています。


「復職制度」を設けることにより、復職者がスムーズに、納得して復職するケースが多いようです。
また、「復職制度」を後押しする助成金制度も整備されています。

それが「両立支援等助成金」(再雇用者評価処遇コース)です。
以下、同助成金について説明していきます。
 

助成金を使うには「復職制度」の明確化が必要

同助成金は、妊娠、出産、育児、介護、配偶者の転勤や転居を伴う転勤で退職した人がその後復職できるようになった際、従来の勤務経験や能力を適切に評価し、配置・処遇する再雇用制度を整備して採用した事業主に助成金を支給し、生産性の向上に資する再雇用を促進することを目的に制度化されたものです。

支給額は1事業主当たり5人までで、同一労働者に対して2回まで支給し、2回目は1回目の支給を受けた労働者が対象となります。

1人目 38万円(中小企業事業主)<48万円(再雇用後、期間の定めのない雇用契約で6か月の継続雇用後)> 、28.5万円(中小企業事業主以外の事業主)<36万円(同上)>
2~5人目 28.5万円(中小企業事業主の場合)<36万円(同上)> 、19万円(中小企業事業主以外の場合)<24万円(同上)>
※1事業主あたり5人まで支給。
※継続雇用6ヶ月後・継続雇用1年後の2回に分けて半額ずつ支給。
となります。

支給要件は、
・妊娠、出産、育児、介護または配偶者の転勤等(配偶者の転居を伴う転職も含む)を理由とした退職者について、退職前の勤務実績等を評価し、処遇の決定に反映させることを明記した再雇用制度を導入すること。
※過去に再雇用制度を設けている場合であっても、要件に沿った制度内容に改正すれば対象となりますが、改正日以降の再雇用について対象となります。
・上記制度に基づき、離職後1年以上経過している対象者を再雇用し、無期雇用者として6ヶ月以上継続雇用し、支給申請日においても雇用していること。
※当初、有期契約労働者として再雇用した場合も、無期雇用契約を締結後、6ヶ月以上雇用すれば対象となります。
※10年以上前に退職された場合でも対象となります。
となっています。
詳しくは、厚生労働省までお問い合わせください。

これ以外にも、福利厚生制度を充実させる等、より魅力のある職場にすれば、復職者も嬉しいはず。
助成金の活用以外にも、福利厚生制度の導入もお考えいただいたら如何でしょうか?
 

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