介護施設での暮らし

お話きっかけ集「つむぎ」 8月

高齢者との話のきっかけづくりのために

時代時代の流行りすたりもあり、各世代の話題は違ってくるもの。
75歳以上が後期高齢者と言っても、95歳の方と85歳の方では話題も変わってきます。
まして、医療・福祉で働く方々は若い方が多く、人生の大先輩である高齢者の方々と長くお話をするのは大変ですよね。
傾聴ボランティア団体の「PORO」では、医療・福祉の世界、高齢者の方々と接する若い世代向けに、お話しきっかけ集「つむぎ」を毎月発行されています。
季節や行事、自然、食べ物、暮らしの中から、お話きっかけ集 つむぎ 高齢者とのおしゃべりが弾むテーマを、月別にご紹介します!

今回はその8月号から、8月(葉月 はづき)の話題をご紹介します。

8月のキーワード

■たらい  
洗濯機がなかった時代、洗濯板とセット で衣服をゴシゴシと洗うのに使われ、嫁入り道具のひとつとされたたらい。第二次大戦前までは木製でした が、戦後はトタンでできた「金(かな)だらい」が主流に。

現在も ホームセンターなどで買えますが、日常で使われることは少なくなりました。
子どもの頃、たらいで洗濯や水遊びをしたという経験は、多くの皆さんがお持ちでは?

■アイスキャンデー
夏の暑い日、チリンチリンという音に誘われて子どもたちが集まった、アイスキャンデー売りの自転車。
昭和30年頃まで、果汁やミルクに、割りばしなどを差して凍らせたアイスキャンデーは、夏の最高のおやつでした。自転車の上の木 箱から、おじさんが出してくれるのを、ワクワクしながら待った思い出をお持ちの方も多いのでは。

■ひまわり
ひまわりはキク科の一年草。太陽を追うように花の向きを変えることから、「向日葵」と書きます。
種はおつまみなどとして食べたり、油をしぼったり。ひまわりは夏の季語にもなっています。青空と太陽が似合う大きな黄色い花は、夏のシンボルとして、多くの歌や絵画の題材にもなっています。

■セミ
セミは熱帯地方原産の昆虫。初夏はヒグラシ、ニイニイゼミ、真夏になるとアブラゼミ、クマゼミ、8 月後半にはミンミンゼミ、ツクツクボウシが最盛期を迎えます。暑さをイメージさせる鳴き声ですが、意外にも真昼ではなく、比較的涼しい朝夕に鳴くことが多いのだとか。
夏休みは毎日セミ採りに走り回っていた、という男性高齢者も多いのでは。

■線香花火
線香花火は、江戸時代に開発された手持ち用の玩具花火。
火をつけてから、蕾(つぼみ)、牡丹(ぼたん)、松葉(まつば)、散り 菊(ちりぎく)と燃え方が変わっていくのを楽しんだり、友達とみんなでしゃがみ込み、誰が一番長く燃やし続けられるか競争したり。 夏の夜の思い出とともに、線香花火の匂いがよみがえります。

知っておきたいシニアの思い出!!!

【大人も夢中になった“ゴジラ” 】
東宝が1954年(昭和29年)に公開した怪獣映画から生まれたゴジラ。
海底で眠っていた恐竜が水爆実験の影響で変化し、東京を襲撃するという ストーリーで、反核へのメッセージも込められています。

封切りと同時に多くの観客を動員し空前の大ヒット。
さらに『キングコング対ゴジラ』での日米怪獣対決、平和の使いモスラと対決した『モスラ対ゴジラ』など、映画館に足を運んだ高齢者の皆さんも多かったのでは?  

その後、ゴジラは子どもたちのヒーローとなりますが、生誕30周年を記念した映画『ゴジラ』で、元の「恐怖の怪獣」に! 
2016年には『シン・ゴジラ』も大ヒットしました。ちなみに、1998年から はハリウッドにも進出。現在も、『ゴジラVSコング』の公開を控えています。  
怪獣とはいえ、高齢者のみなさんもゴジラには 一家言あるかもしれませんね。

【虫除け(蚊取り線香と蚊帳)
日本では、夏になると蚊や害虫に悩まされてきました。
古くから防蚊対策が取られてきましたが、最初に登場したのは「蚊帳(かや)」。
日本書紀に唐から献上された記録があり、貴族の間で使われだしたそう。

昭和30年代の終わり頃までは、蚊帳を吊り、その中に家族が川の字になって眠る光景が見られました。  
もう一つ、蚊との戦いに欠かせないのが、よもぎの葉やかやの木などを焚いて蚊を追い払う「蚊やり」でした。
平安時代から大正初期頃まで行われていたそうです。
そんな中、誕生したのが「蚊取り線香」です。
1902年には今と同じ渦巻状のものが販売され、長時間、蚊やりができるようになりました。  

現在では、様々な防虫剤が販売されていますが、 蚊やり豚から立ち上る線香の煙や蚊帳を吊った部屋に、昔を思い思い出す高齢者も多いのではないでしょうか。

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