高齢者の病気・疾患

糖尿病シリーズ 5.糖尿病の運動療法

糖尿病シリーズ 5.糖尿病の運動療法

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。今回は、糖尿病の治療に関連して、運動について説明していきます。頑張って読んでください。

運動が大切なのはわかるけど・・・

そうなんです。大切さはみんなわかってるんですよね・・・。でもなかなか取り組めないのが運動ですよね。ちなみに糖尿病の治療の上で、運動はどのような位置付けなのでしょうか?

 実は、糖尿病の治療にとっても、運動は非常に重要です。運動により、インスリンの効果が高まると言われています。専門用語としては、インスリン抵抗性を改善すると表現します。糖尿病はインスリンの分泌や効果が減るのでした。血糖が高い状態が続くと、インスリンの効果が弱くなる(インスリンに対する抵抗性が高まる)ことがわかっています。運動は、このインスリン抵抗性を改善する効果により、血糖が下がりやすい体づくりに役立つのです。
 

どんな運動が良いの?

運動が糖尿病の治療にとって大切なのはわかったけど、どのような運動をすれば良いのでしょうか?
 
実際に運動するには、現在の体力などともバランスが必要なのですが、主に有酸素運動と筋力トレーニングが勧められています。
 有酸素運動というのはウォーキングやジョギングなどを代表とする、息が上がらない程度で、ちょっと長めに取り組めるものです。目安の時間としては15分から30分程度をイメージしてもらえたら良いかと思います。逆にそのくらいの時間の長さ続けられなかったり、息が上がってしまうようでしたら、ちょっと運動の強度が強すぎると思ってください。
 筋力トレーニングとしては、重いダンベルなどを「ふんっ!ふんっ!」って感じで持ち上げてるような光景を思い浮かべるかもしれませんね。ただ、運動も継続が重要なので、普段筋力トレーニングしていないような方は自分の体重を使ったトレーニングから始めると良いですね。

運動療法に取り組む上での注意点

 運動療法に取り組む際に、注意してほしいことについて説明していきます。
まず、現在の体力に見合わない負担の大きい運動をすると、怪我をしてしまったり、かえって体を壊すことが懸念されます。そのため、運動は自身のない方は、まずは運動習慣を身につけることを目標に、最初は「こんなものでいいの?」と思うような程度で開始しましょう。
 もう一つ注意点として、糖尿病の状況によっては、運動の程度により注意が必要です。例えば、血糖が非常に高かったり、腎臓も悪いというような方は特に激しい運動を注意する必要があります。そう言った方には、ヨガなど比較的ゆっくりとした動きや、怪我をしにくい運動などから始めることを勧めることもあります。ぜひ、独断で無理な運動療法に取り組むことは控え、医師や糖尿病指導を専門とする看護師さんなどと相談しながら取り組んでください。

まとめ

今回は運動についてお話ししてきました。次回はいよいよ、糖尿病の治療薬について解説していきます。

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