節税・年金・資産運用

雑損控除について:災害で財産へ損害が生じた時の税務

雑損控除について

昨年は豪雨に地震など例年に比べて災害の多い年でした。
災害により、保有する財産について損害が生じた場合は、その損失額について、税金を取り返すことができます。
「雑損控除」という制度です。

「雑損控除」とは災害・盗難・横領によって、生活に通常必要な資産について損害を受けた場合に受けることができる所得控除です。
控除できる金額は下の計算式のうち、いずれか多い方の金額となります。
損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後3年間繰り越すこともできます。
なお雑損控除は他の所得控除に先だって控除することになっています。

雑損控除の計算式

計算式① : (差引損失額)-(総所得金額等)×10%
計算式② : (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円


損害金額→損害を受ける直前の当該資産の時価を基にして計算した損害の額
災害関連支出の金額→災害により滅失した住宅や家財などを取り壊したりするために支出した金額など
保険金などにより補てんされる金額→災害などに関して受け取った保険金や損害賠償金など

「災害減免法」を利用した控除

しかし、別の制度で「災害減免法による所得税の軽減免除」という制度も用意されています。
これを適用するためには、以下の全ての条件に当てはまっている必要があります。

◆災害によって受けた住宅や家財の損害金額が、その時価の2分の1以上(損害金額 = 保険金などにより補てんされる金額を除いた額)
◆災害にあった年の所得金額の合計額が1,000万円以下
◆その災害による損失額について雑損控除を受けないこと

 雑損控除と災害減免法の計算方法を比較すると、所得が500万円以下の人は災害減免法を選択したほうが得の可能性が高いです。しかし災害減免法は、当年の所得税だけを軽減・免除するものです。損害額が所得金額を超えて1年で控除できない場合は、損害の繰り越しができる雑損控除を選択するほうが有利です。

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