まずは自己紹介を

私は、司法書士の勝猛一(カツタケヒト)と申します。
司法書士として日々、成年後見の業務に携わっています。
また、「公益社団法人 成年後見リーガル・サポート」という司法書士が成年後見をするための組織の会員でもあります。
そこでは、成年後見を業務として始める司法書士を支援する担当をしていました。
 
現在、超高齢社会の問題としては、高齢者の介護を巡る様々な問題、労働人口の減少の問題、空き家対策の問題、認知症にならないための対策などがあります。
最近は、成年後見制度についてマスコミなどでも取り上げられるようになってきました。
その中で、任意後見制度を中心にお伝えしたいと思います。

「任意後見制度」は最も優れた後見制度

私は、任意後見は、成年後見制度のうちで最も優れた制度だと考えています。
任意後見制度は、将来の判断能力の衰えに備え、自分の決めた任意後見の受任者によってどんな事務処理をするかを決めておきます。
そして将来判断能力が衰えた時に、監督人の監督の下で自分の決めたように実現してもらうという制度です。
自分の考えを、自分の信じる人に将来行って貰う制度。
まさに成年後見制度は、人間の自己決定の尊重という成年後見制度の理念を体現する制度なのです。

高齢になった際の不安

内閣府のホームページによると2025年には、65歳以上の5人に1人が、認知症患者になると見込まれます。
85才以上は、なんと2人に1人です。
認知症予備軍を含めると更に多くの高齢者の判断能力が不十分になるのです。
誰もが自分が認知症にならないとは言えないのです。
 
人は高齢になり物忘れなどが始まると自分の判断能力の衰えが不安になります。
老後のために貯めたお金は思い通りに使えるのか、詐欺師にだまされないのか、自分の権利は誰が守ってくれるのかなど心配になるでしょう。
できることなら老後に備えておきたいと考えるものでしょう。

「任意後見制度」の活用実態

しかし、実際に任意後見の効力が発効しているのは、平成28年末で2245人と極端に少ないのです。
この利用率では、任意後見で備える前に認知症を発症してしまった人が多いのではないだろうか。
裁判所の措置として法定後見を受けざるを得ない人が多いのではないだろうかという疑念が生じます。
 
平成12年の成年後見制度が施行された当時の起草担当者も任意後見の利用が中心になるだろうと考えていました。
判断能力が欠けて裁判所が法定後見人をつけるまでほっておく人は少数だろうと考えたのです。
「任意後見が後見制度の中心になるはず。」という、この大方の予測に反した状況がなぜ起きているのでしょうか。
その理由を明らかにして任意後見制度の必要性を考えることで、この超高齢社会で高齢者が安心して生活できるようにしたいと思います。

今後の寄稿予定テーマ①「任意後見制度の優位点」

まず最初に、任意後見制度を理解して、任意後見の問題点を把握してその解決策を探ってみましょう。
それによって利用が阻害されている要因を排除することができるかもしれません。
その後に法定後見制度の問題点と比較して任意後見制度の優位性を理解しましょう。
法定後見との比較では、後見人の不正の問題を取り上げます。
 
不正した後見人だけではなく裁判所まで国家賠償を請求される対象になっています。
その不正への対策として「後見制度支援信託」という制度ができたので、その説明をします。
ところが、この支援信託により後見制度の利用の促進と逆行した現象が起きているのです。この支援信託への対策として任意後見契約をしておくことの優位性を説明します。

今後の寄稿予定テーマ②「後見制度自体の問題点」

次にJR東海の列車事故の判例を取り上げます。
この判例は、マスコミや書籍などを通して後見人になることのリスクとして語られています。
これは、法定後見と任意後見に共通する問題です。
そのリスクヘッジとして個人が負担する損害保険商品がでてきたことがわかります。
さらに進んで後見人のリスクを社会全体でヘッジするため地方自治体が「成年後見の社会化」に動いていることも説明したいと思います。
ここでは、任意後見と保険の関係を考えたいと思います。

今後の寄稿予定テーマ③「任意後見制度を使わないことによる弊害」

任意後見制度を利用しないことで起こる問題について事例を見たいと思います。
自社株の大半を所有するオーナーが、認知症になってしまった事例です。
会社オーナーの認知症は、オーナー本人とその家族、従業員やその家族、取引先、融資先の銀行など計り知れない影響を及ぼします。
その解決策として任意後見制度を見てみましょう。

今後の寄稿予定テーマ④「後見制度の促進活動の経過と現状」

最後に、最近の成年後見制度の利用の促進の動きを見ていきます。
平成28年に後見制度利用促進法(促進法)という法律が施行されました。
平成22年に、後見に関する世界で初めての会議が横浜でありました。
そこでの宣言を「2010年横浜宣言」といいます。
そこから出発した成年後見の利用促進に向けての動きが、どのような形で促進法として結実したのかを確認します。
そうすることで、後見は家族だけで負担するものではなく、社会全体として負担すべきという「成年後見の社会化」に向けて結果が出たのか、あるいは、今後の任意後見制度の利用促進の可能性があるのかを確認します。

結びにかえて

人間は、自分が主権を持って自主的に生きることができれば笑顔でいられるはずです。
そのような笑顔がいっぱいの日本であるため任意後見制度の利用が促進されると良いと思っています。
 
                              勝司法書士法人 代表社員 勝猛一

この記事を書いたコラムニスト

勝 猛一 (カツ タケヒト)

勝司法書士法人 代表社員

1966年  鹿児島県大島郡 徳之島に生まれる
1999年  司法書士登録
2000年   (公社)成年後見センター・リーガルサポート会員
2003年5月 勝 司法書士法人 設立(大阪・淀屋橋)
2003年7月 東京事務所  設置(東京・虎ノ門)
2009年1月 遺言・相続・成年後見セミナーをスタート
2013年  相続請負人「渡る世間は瀬戸際ばかり」(小説)出版
2017年9月 横浜事務所 設置
2018年3月 大阪市立大学大学院 修士課程終了

私達勝司法書士法人は「想いやり」のある行動を通じて人々の生活に貢献し、
「夢」をもって未来へ挑戦し続ける集団を目指します。

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