住み替えを考える方に

サ高住 月額費用は上昇も入居時費用は下落 特に大阪は東京都の3分の2と低価格

 老人ホーム・介護施設検索サイトの「LIFULL介護」(運営:LIFULL senior)が2025年2月20日に、サイトの掲載データなどを元にしたサービス付き高齢者向け住宅(以下:サ高住)の入居費用などのトレンドデータを公表しました。

 今回は、これを詳しく見ていきましょう。

 サ高住は、2011年に創設された高齢者住宅に関する制度で、2025年1月末時点で全国に28万9699戸が供給されています。

 まず、サイトにサ高住の入居に関する問い合わせをしてきた人を要介護度別に見てみると「自立」が最も多く15.6%を占めています。

 次いで「要介護1」の15.1%「要介護2」の11.9%となっています。このように比較的早い段階から入居を検討する人が多くなっています。

 その一方で、要介護3~5の人も合計で約20%弱おり、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどと合わせて検討をしている人も少なくないものと思われます。

 次に、入居費用を見てみましょう。

 敷金など入居時に支払う費用の平均は、2018年は21万92円でしたが、2024年には20万763円となっており減少傾向がみられます。

 その一方で、家賃・管理費などの月額費用の平均(入居時費用がある場合のプラン)は、2018年の15万9665円から2024年は17万2420円と上昇しています。

 これについては地価や建設コスト、各種物価高などによるものと思われます。
しかし、そうした状況の中でも入居時費用が減っているのは、「サ高住の増加により価格競争が激化しており、差別化のために入居時費用を下げている物件が増えているのでは」とLIFULL seniorでは分析しています。

 こうした点からも、
①周辺にサ高住(を含めた高齢者住宅)の供給が多く、競争が激しい地域の物件
②建設コストが上昇する以前に建てられた物件
を選ぶことが安い費用でサ高住に入居できるポイントになると言えます。

 入居費用についてさらに詳しく分析してみましょう。

 2018年の供給数を100とした場合の2024年の物件供給数を、月額費用別に分類・比較してみました。

 入居時費用ありのサ高住では、50万円以上が707.0と急増しています。このほかにも40万円台308.930万円台195.3と、高価格帯物件の供給が増えています。

 一方で、入居時の費用負担が無いサ高住は、20万円台176.010万円台113.6など低価格物件の供給が増えています。

 サ高住は、特養の入居待機の間に利用する人も多いため、特養並みの価格設定としているところが多くあります。一方で、近年では大手不動産デベロッパーが開発した、ハイスペックなサ高住も増えています。

 価格帯も含めて物件の多様化が進んでいる状況が見て取れます。

 最後に東京都・愛知県・大阪府の3都市圏について、入居費用やその変化を分析してみましょう。

 入居時費用のあるサ高住について2018年と2024年の月額費用を比較したところ、3都府県とも増加しています。

 特に大阪は2018年を100とした場合は107.8と最も上昇率が高くなっています。
しかし、実際の費用は14万3877円で、東京の21万7787円、愛知の17万8984円に比べて安くなっています。

 また、入居時費用の相場は、東京は2018年の52万6530円から29万4407円と半額近くに下落した一方で、愛知は118.6の28万7975円、大阪は104.3の19万2250円となりました。

 上昇傾向にあるもののやはり大阪の安さが目につきます。

 大阪は、以前より全国の都道府県の中でもサ高住の登録数が突出して多くなっていました。

 また、生活保護の高齢者が多いことなどから、低価格のサ高住のニーズが根強くあります。こうしたことなどから、入居費用の値上がり傾向が続く中でも他の都市圏に比べて入居費用が安くなっています。

 入居者側にはありがたい話しですが、運営する側にとっては今後も各種物価の上昇が続くと思われる中で、厳しい経営を強いられることが考えられます。


介護の三ツ星コンシェルジュ

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