老人ホーム訪問記

【見学記】介護付有料老人ホーム「グランドビュー甲南」

安心できる運営母体

神戸市東灘区にある、介護付有料老人ホーム「グランドビュー甲南」を訪問させていただきました。
同ホームは、社会福祉法人神戸福生会の運営。
同法人は神戸市内に特別養護老人ホーム(以下、「特養」と略記)5箇所、ケアハウス2箇所、小規模多機能型居宅介護施設2箇所、介護付有料老人ホーム1箇所、在宅介護事業を数箇所、診療所を3箇所運営されています。
 
神戸市内で医療・介護を総合的に幅広く運営されていると言えるのではないでしょうか。
 
同ホームが建てられている敷地内には、同ホームの他に特養(29床)、ショートステイ、小規模多機能居宅介護施設、特定の許認可を得ているケアハウス(58室)、診療所が建築されています。

受付と接遇はかなり良い印象

同ホームが開設したのは9年前。
開設当初は自立者向けのホームで、介護状態になればケアハウスもしくは特養へ住み替える仕組みだったようですが、入居者の要望もあり、新たに特定施設枠(10床)を取得し、できるだけ同ホームで暮らしていただけるように工夫されているようです。
 
ご案内いただいたのは、営業職の女性の方。
笑顔が素敵な女性で受け答え等もしっかりされている方でした。
 
建物は神戸の丘陵地に立地しています。
駅からは少し離れ、神戸特有の急坂を登って行かなければなりませんが、建物からは眼下に神戸市内の素晴らしい景色が一望でき、贅沢な気分ですごせそうでした。
 
玄関ホールはそんなに華美ではないのですが、落ち着いた雰囲気とおしゃれな応接セットが置かれており、受付の女性も感じのよい方でした。
お出迎えの雰囲気は良かったです。

華美ではないければ充実した共用施設

共用施設については、入居一時金数千万円の高級施設ですが50室しかないため、皆さんが想像するよ、高級老人ホームにありがちなデラックスなものではありませんでした。
しかしながら、おしゃれなダイニングルーム、家族向けダイニングルーム、シアタールーム、トレーニングルーム、サークルルーム、男女別の大浴場、屋上庭園等必要な施設は全て整っていました。
 
また、建物内に内科・リハビリテーション科のクリニックが併設され、日祝以外は診療されています。
これはうれしいですね。

居室もほどよく

居室フロアは3フロアからなりたっています。
各フロアには中庭が配置され、中庭側の廊下はガラスブロックになっており、光が入る明るいフロアにする工夫がされていました。
 
居室は50㎡弱の1LDKと、70㎡弱の2LDKがあります。
 
居室設備は、エアコン、照明、調理設備、トイレ、洗面、個室浴槽、ウォシュレット、ナースコールが標準設備。デザインも良く、暮らしやすそうなお部屋でした。
 
居室も本当に華美ではないのですが、広さや設備の配置等、自立のご高齢者が暮らすのにちょうどよいものではないかと感じました。

サービスが充実

サービスについてですが、職員配置は看護師さんの配置が8:00~17:00(それ以降はオンコール体制)、介護職の人員配置基準が1.5対1で夜間は2名配置。これに加え宿直者が1名いらっしゃるそうです。
 
サービスメニューでうれしいのは、週1回30分の居室清掃が管理費内で実施していただけること。
高齢になると、50~70㎡のお部屋の掃除や片付けは大変。
うれしいサービスです。
また、坂の上に建物があるためか、週1回のお買いもの代行サービスもります。
 
大浴場は16:00~22:00まで。天然温泉で自由に入れます。
天然温泉は嬉しいですね。
 
この施設の特長は14:00~16:00までは、介護状態になっても特定施設のサービスを受ければ、週3回はこの大浴場の温泉に入れるところ。
また、特定のサービスを利用しなくとも、その時間帯であれば外部ヘルパーを呼んで大浴場を利用できます。
 
折角天然温泉があるのに、介護状態になれば入れない・・・。という施設が多い中、このサービスは嬉しいですね。
 
トレーニングルームには、パワーリハの機器がずらりと並んでいました。
理学療法士や介護職員に、機器操作やトレーニング内容を指導いただき利用できるようです。
一般的な50室の施設と比較すると充実していると思います。
 
このホームのサービスは、自身のホームの立地環境や特長をよく理解した職員さんたちが、入居者さまのためによく考えたサービスを提供されているのだなと感じしまた。
特筆すべきは、看護職さん、介護職さんの対応。
多分、経営者の福祉の理念が浸透しているのでしょう。皆さん明るく生き生きと働いているようにお見受けしました。
 
職員さんによって対応・態度がバラけている(良い人もいれば悪い人もいる)のが通常ですが、このホームは職員さんの対応は全員がきちんとされていました。
私自身がこれまで見学してきたホームでトップクラスだと感じました。
 
職員さんが感じのよい方だったからかもしれませんが、お会いする入居者さんもみなさん感じが良く、見学者の私にご挨拶いただきました。
 
雰囲気はとても良いホームのようです。
 
医療に関しては、付属診療所は外科の先生が主治医です。
土曜日のみ循環器内科の先生がいらっしゃるようです。
特養、ケアハウスも含めこの診療所で看ておられるようです。
 
そのうえ、先生と相性が合わなれば、他の訪問診療医をホームが探していただけるようです。
これも嬉しいサービスですね。
 
提携医療機関は、すぐそばの甲南病院のようです。
 
サークル活動は囲碁、音楽等入居者が自主的につくったもの。ホームが行っているのは毎朝のラジオ体操と季節毎のイベントのようです。ちょっと物足りないように思えましたが、50室しかないのでここは仕方がないですね。
 
食事は外部委託でした。
 
丘陵地に建っているので、1日31本、阪急・JR・阪神の駅への送迎車を運行されています。
これがあれば景色が良い分、却って丘陵地にあるのが良い点かもしれません。

要介護時には少し不安が

このホームのサービス上の弱点は、当初は自立者だけの対応を行い、介護状態になれば隣のケアハウスに移住するシステムだったのを、入居者さんの要望で特定枠を取得し、一応終身で利用できるようになったこともあり、介護力に関しては特筆すべきものを感じませんでした。
 
ご案内いただいた女性によると、現在でも要介護3程度になるとケアハウスへ移ることをお勧めしているみたいです。
 
将来的に隣接のケアハウスに移るという気持ちで入居すると、とてもすごし安く良いホームだと感じました。
自立時から入居が可能な阪神間のホームの中では、比較的リーズナブルな価格設定も良いですよね。
 
お勧めホームです。

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この記事を書いたコラムニスト

早乙女純 (さおとめじゅん)

有料老人ホームの入居募集と、マンション営業の経験があります。
今までの経験と相談案件のご紹介をこのコラムでお伝えしていきます。

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