介護以外について

冬場にかかりやすい子供の病気とホームケア

子供はなぜ病気にかかりやすい?

今回は冬場にかかりやすい子どもの病気、そのホームケアと休日夜間でも受診が必要かどうかを判断するポイントについてお話をさせていただきます。

まず、なぜ子どもは病気になりやすいのかということです。
これは第一にセルフケア能力の低さが挙げられます。
子どもはおとなのように暑さ寒さに合わせて室温や衣服の調整、こまめな水分補給ができません。
また、「ちょっと調子が悪いから早めに受診しておこう」などの判断もできません。
そのため、親御さんが子どもの様子を見ながらお世話をしてあげることが必要になります。
そしてなぜそうするのかを子どもの年齢や理解力に合わせて説明することで、大きくなるにつれてだんだんと自分で判断して動ける子になっていくのです。 
二つ目に、病気に対する免疫の少なさが挙げられます。
病気に罹ったり予防接種をすることで免疫ができ、いろいろな病気に対する抵抗力がついていきます。
こどもが病気をしながら強くなるといわれるのはそれなんですね。

三つ目に、こどもはおとなより体が小さいので、外気温の影響を受けやすかったり脱水になりやすいということが挙げられます。
自分で適切な水分補給ができないこと、腎機能の未熟さ、成長するために必要なエネルギーや水分量が多いということが理由です。

これらのことが、子どもが病気をしやすい理由なのですが、適切なタイミングで治療やケアをしてあげることで早く回復することができます。
治る力もいっぱい持っているのが子どもなのですね。

住環境が変わった場合はまずお子様のかかりつけ医を探すことが重要!!!

おとうさま、おかあさま、おじいさま、おばあさまにまずお願いしたいのは、新居にひっこされる等住環境が変わった場合、小さなお子様がいらっしゃる家庭では、まず、子どもの病気に対応してくれる近所の医療機関を確認しておいていただきたいということです。

普段かかりつけにできそうな小児科や耳鼻科、休日夜間に小児科を診てくれる救急病院。必ず早めに確認しておいてくださいね。いざという時に慌てずにすみます。

子どもの体調の変化に早く気づく方法として、元気な時の様子を把握しておくということがあります。
「いつもと違う」と気づけることが早めの対応に繋がります。
たとえば食欲だと、母乳を吸う力が弱い、ミルクやご飯の量が少ない、ほしがらないなど。なんどもママの乳首や哺乳瓶の乳首を離すときは鼻がつまってきて呼吸がしにくいのかもしれません。

機嫌では、
・あやしても笑わない、
・ちょっと大きい子では遊ばない、
・好きなテレビが始まっても観に来ない、
・うるさいくらいにしゃべる子がしゃべらない、
睡眠では眠りが浅く何度も目を覚ましてぐずる 等、普段と違うサインは体調の悪くなり始めであることが多いですね。
また、おしっこやうんちの量や形、色などの変化も大切です。
明らかにいつもと違う時はスマホの写真に撮る、汚れたおむつを持って受診するなどの工夫をしましょう。
診断の助けになります。
 

乳幼児の発熱の場合の対応方法は?

ここからは症状別のケアの仕方についてお伝えしていきますね。

まず発熱です。
子どもの急な発熱に慌てない親御さんはいないと思いますが、熱の高さ=病気の重症度ではないのでそこは安心してくださいね。
体は熱を上げることで細菌やウイルスと戦うのに有利な環境をつくっています。
より快適に戦えるようサポートしてあげましょう。

熱の上がり始めは寒気がすることがあります。
衣服や室温、布団など調節してあげてください。
逆に熱が上がりきってしまえば暑くなりますのでそのままでは辛いです。
同じく衣服や室温を調節してあげてください。
気持ちよさそうにするなら冷えピタなどで額を冷やしてあげてもかまいませんが、解熱効果はありません。
解熱剤に関しては熱が高くても良く眠れたり機嫌が悪くなければ必ず使う必要はありません。

ただ、小さな子は熱性けいれんといって、熱の上がり際にけいれんを起こすことがありますので一度でも起こしたことのある子はドクターと相談しながら早めに解熱剤を使ってあげましょう。

そして大切なのは水分補給です。少量をこまめにあげてください。食欲がなければイオン飲料などでカロリーを補うことも必要ですが、元気になったらお茶代わりに飲ませるのはやめましょう。(糖分が多いので虫歯の原因やごはんを食べなくなるなどの心配ごとがでてきます)

食事がとれそうなら口当たりがよく、消化の良いものを用意してあげましょう。よく煮たうどん、おかゆ、野菜スープ、のどが痛い時はすりおろしたりんごなどもおすすめです。

平熱になっても丸一日は室内で様子をみてあげてください。特に夜になって熱が上がることがあるので必ず夜の熱を測りましょう。

ここまではホームケアのお話でしたが、逆に早急に受診してほしいのは
・生後3ヶ月ごろまでの発熱、
・ぐったりして呼びかけに反応しない、
・呼吸が苦しそう、
・顔色が悪い、
・嘔吐を繰り返す、
・けいれんを起こした、などのときです。
熱があっても機嫌が良い時はおうちで様子を見て大丈夫です。

鼻水鼻詰まり、咳がひどい場合の対応方法は?

鼻水鼻詰まりの場合は大変ですがこまめにとってあげることが耳や鼻の炎症を防ぎます。
垂れてくる鼻水は優しくふき取ってあげてください。
鼻の手前にある鼻水は鼻吸い器を使いましょう。
薬局で購入できます。
奥の方で固まったものはお風呂やホットタオルで湿気を与えてふやけさせ、手前の方に流れてきたら取ってあげてください。
ママの美顔器のスチームも利用できます。

咳が出るときは咳の音、呼吸のしかたに注意しましょう。
機嫌がよくて食欲があれば心配いりません。
咳の原因の一つに鼻水が喉の奥まで垂れ込んだことがあります。
「鼻水」の場合を参考にケアしてあげてください。

また、のどの乾燥を防ぎ、痰をだしやすくするためにこまめな水分補給をさせてあげましょう。
咳は嘔吐を誘発することがあるので少量ずつ。
また、酸味の強い柑橘類や冷たいものは咳を誘発するので注意が必要です。

咳がひどいとき、仰向けに寝かせると余計に呼吸が苦しくなります。
背中にクッションをいれたりして上半身を高くしてあげると横隔膜が下がり、呼吸が楽になります。

早急に受診が必要な場合は
・顔色や爪、
・唇の色が青白くなる、
・呼吸がとまる、
・意識が朦朧としている、
・呼吸をするとき肩が上下に揺れる、
・小鼻がぴくぴくする、
・会話ができない、
・呼吸をするときに鎖骨や肋骨がへこむ、
・水分もとれない、
などのときです。

吐き気がひどい場合はどうするの?

最後に胃腸炎のような症状、いわゆる吐き下しですね。

脱水が気になるところですが、水分補給は吐き気がおさまってからにしましょう。
ひとはだに温めたお茶や白湯などをスプーンひとさじから飲ませてあげてください。
10分程度ようすを見て吐かなければ徐々にふやしてあげましょう。
寝かせるときは横向きに寝かせてあげてください。仰向けだと、突然吐いたときに気管につまるおそれがあります。

吐くかもしれないと思う時は目を離さないであげてください。
また、感染性胃腸炎などでは嘔吐物や下痢便などから周りに感染するおそれがあります。
突然吐いても対応できるように洗面器やビニール袋を用意しておきましょう。また、使い捨ての手袋などを用意し、素手での処理は絶対にやめましょう。
消毒は次亜塩素酸ナトリウムを使います。台所用の塩素系漂白剤(ハイター)ですね。
水1Lにハイターの原液20mlをいれた消毒液をつくり、消毒します。下痢の時も同様です。

下痢や嘔吐で受診する時は着替えやおむつ、ビニール袋、などは必ず多めに持参しましょう。親の服にいきなり吐かれることもあるので親の着替えも忘れずに・・・

また、下痢の時はおしりのケアもしてあげてくださいね。洗面器であらったりシャワーで流してあげて下さい。

激しい下痢や嘔吐で水分も全くとれない時や皮膚がカサカサになっている、泣いても涙がでない、呼びかけに反応がなくウトウトしている、などの状態は直ちに受診してくださいね。

病気の時の食事はどうすればいい?

病気の時の食事ですが、一般的なおすすめと避けたいものを載せておきます。

おすすめはおかゆ、よく煮たうどん、りんごのすりおろし、豆腐、煮魚、卵雑炊、茶わん蒸し、ポタージュスープ、ヨーグルトなどです。あくまでも一般的なものですのでアレルギーの有無やドクターの指示などを優先してくださいね。
避けた方が良い食事としてはラーメンや焼き肉、海藻類きのこ類、スナック菓子、炭酸飲料、カレーライス、いかたこ、ごぼう、れんこん、リンゴ以外の果物などです。参考になればと思います。
 
病気のときのこどもは体のしんどさや不安からいつも以上に親を求めるもの。
ずっと看病や遊び相手をすることになる親御さんにとっても辛い時だと思います。
ただ、こどもにとってはしんどいときに大好きなおとうさんやおかあさんがそばにいてくれることが大きな安心に繋がります。
抱くのがしんどければ添い寝や背中をトントンしてあげるだけでも落ち着きます。

親御さんの看病疲れにも気をつけてご家族でサポートしあいながら子どもの病気のときをのりきってくださいね。

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この記事を書いたコラムニスト

片根三和 (カタネミワ)

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