介護施設での暮らし

お話きっかけ集「つむぎ」 5月

高齢者とのおしゃべりが弾むテーマを。

時代時代の流行りすたりもあり、各世代の話題は違ってくるもの。
75歳以上が後期高齢者と言っても、95歳の方と85歳の方では話題も変わってきます。
まして、医療・福祉で働く方々は若い方が多く、人生の大先輩である高齢者の方々と長くお話をするのは大変ですよね。
傾聴ボランティア団体の「PORO」では、医療・福祉の世界、高齢者の方々と接する若い世代向けに、お話しきっかけ集「つむぎ」を毎月発行されています。
季節や行事、自然、食べ物、暮らしの中から、お話きっかけ集 つむぎ 高齢者とのおしゃべりが弾むテーマを、月別にご紹介します!

今回はその5月号から、5月(皐月 さつき)の話題をご紹介します。

5月のキーワード

■八十八夜
 立春から数えて88日目で、今年は5月1日。
春から夏に移る節目で、だんだん温かく穏やかな気候になります。
霜が降りなくなるので、種まきや茶摘みの目安にも。
「八十八」を組み合わせると「米」という字になることから、五穀豊穣を願う特別な日とされています。

■柏餅(かしわもち)
 端午の節句に柏餅が食べられるようになったのは江戸時代です。
柏は神聖な木であり、新芽が出ないと古い葉が落ちないため、男の子の節句を祝うときに家系が絶えないという縁起かつぎからきています。
柏餅の中身は「こしあん」「つぶあん」「みそあん」の3種類あり、地方によっても変わるようです。

■カーネーション
 アメリカ人の少女が亡き母に カーネーションを贈ったことから始まった「母の日」、日本で広まったのは明治末期。
その習慣が受け継がれ、今でも母の日の贈り物といえば、カーネーションですね。
花言葉は、赤が「母への愛」、ピンクが「感謝」。伝いたい想いを込めて選びましょう。

■そら豆
 高齢者にとって懐かしい味のひとつ、そら豆。
日本で食べられるようになったのは江戸時代で、飢饉の年には米の代用にするなど貴重な食糧だったそう。
ビタミンや鉄分が豊富で、健康な皮膚や髪を維持したり、貧血予防にも役立ちます。
塩ゆでにして旬を味わいましょう。

■5月病
 4月にスタートした新生活で知らないうちに無理をして、GW後にだるさや疲れを感じたり、気分が落ち込むなどの症状が出る5月病。
環境が変わった高齢者やスタッフの方も要注意です。
趣味や運動、おしゃべりなど解消法を見つけて、上手にストレスを発散させたいですね。

知っておきたい、こんなこと!!!「ご名答!」が流行語になった『二十の扉』

最近のテレビではクイズ番組が大人気ですが、第二次大戦後にラジオの国民的人気番組があったことをご存知ですか?
そのクイズ番組『二十の罪」は、1947年から1960年まで、NHK第1スタジオから毎週土曜に放送されました。
問題はすべて視聴者が応募したもので、5人の解答者と司会の藤倉アナウンサーとの質疑応答形式で進められました。
解答者は「それは・・・・・・ですか?」などと質問を繰り返し、藤倉氏の返答をヒントにしたり、観客の拍手やため息をたよりに、正解を導き出さねばなりません。
質問は20回まで可能で、観客や視聴者にはあらかじめポスターや「陰の声」で正解が伝えられていて、そこに至るまでの過程を楽しみました。

司会の藤倉氏が使う「ご名答!」を覚えておられる高齢者の皆さんも多いのではないでしょうか。

目には青葉、山ほどとぎす、初際

5月になると思い出されるこの俳句は、江戸時代前期の俳人・山口素堂の作品。
木々の青葉がさわやかに目に映り、山では「てっぺん、かけたか」と鳴くホトトギスの声が耳に届き、口では初物のカツオを味わえる素晴らしい季節がやってきた、という意味の句です。

江戸っ子が初夏に愛するものを並べたこの句が、とても高価だった初鰹を食べることが「粋でいなせ」とされるようになった由来だとか。

俳句では季語が二つ以上入っている「季重なり」は禁じられています。
この句には季語が三つも入っていますが、初夏の新鮮さが伝わることで、例外的に成立しています。
「目に青葉」と覚えている人もいるかも知れませんが、正しくは「目には」で、「耳には「口には」と続き、初夏の喜びを五感で味わっているのです。

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