高齢者の病気・疾患

インフルエンザシーズン到来①

インフルエンザシーズン到来①

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。
あけましておめでとうございます。
昨年はコラムのスタートに伴い、色々発進させていただきました。
お付き合いくださった皆様、どうもありがとうございます。
今年も医療と福祉、そして経営にと幅広く取り扱っていこうと思います。
しばらく、緩和ケア領域について書いてきましたが、今回はこの季節といえば定番のインフルエンザについてお話します。

インフルエンザとは?

インフルエンザのことを聞いたことがない方はいないですよね?
それくらい、有名な疾患です。
特に休めない仕事を抱えている方や、小さなお子さんのいる方は、この時期切実な問題です。
そして、重症となりやすいなんらかの持病がある方や、高齢の方への影響も心配されます。


インフルエンザはインフルエンザウイルスが引き起こす感染症です。
時々、「インフルエンザのばい菌」という言葉を耳にしますが、正確にはこれは誤っています。
ウイルスと細菌(ばい菌)は、全く異なる微生物だからです。
ウイルスと細菌の違いの具体例としては、まず大きさが全く異なります。
細菌の方が随分と大きく、ウイルスは小さいのです。
 
この小さいというのが、人から人へのうつり方である感染様式が異なる要因の一つです。小さいということは、くしゃみなどでより遠くに飛んでいくんですね。
一方、大きいと遠くに飛んでいくことができないので、細菌がついた手で作った食べ物を摂取するといった、直接の接触がないと感染しにくくなります。
他にも色々と興味深い違いがあり、「ウイルスは生き物ではない」とみなす考えもありますが、それらを話し始めると本筋と離れてしまうので、このくらいにしておきましょう。


と言いながら余談ですが、「インフルエンザ菌」という名前の細菌もいるので、ややこしいですね。
正確には「ヘモフィルス・インフルエンゼ」というものです。
まあ、皆さんに知っててもらいたいこととしては、一般的なインフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症であることです。

インフルエンザは怖い病気?

インフルエンザは怖い病気でしょうか?
これは立場によって異なるかもしれませんね。
もしこれを読んでいる方が、特に持病もなく、健康な生活を送っている65歳未満の方であれば、インフルエンザで命を落とすような懸念はほとんどないでしょう。
意外ですか?
実際に亡くなっている患者さんもいるのに・・・と思ったかもしれません。

あまり細かいデータを扱うと話が難しくなるので、ざっくりとしたお話としますが、インフルエンザで重症になるのは、高齢者やもともとご病気がある方などです。
なので、若くて健康な方の多くは適切な対処で自然に回復していきます。

もう一つ重症になる懸念がある状況としては、新型インフルエンザと呼ばれる、特殊なインフルエンザに感染した場合です。
新型インフルエンザは通常の季節性インフルエンザと異なり、多くに人が免疫を持っていない状況なので多くの人が感染し、大きな影響が生じます。
この流行を予想することは難しく、世界規模での流行情報に注意を払う必要があります。

一般市民向けのインフルエンザの情報源として、厚生労働省のホームページが参考になるかと思います。
お時間あるときに是非ご覧ください。

まとめ

寒い日が続きますので、皆様もインフルエンザ含め体調を悪くしないように気をつけてください。
次回もインフルエンザに関して、皆さんに役立つ情報を述べていきたいと思います。

この記事へのコメント

下記入力欄より、この記事へのご意見・ご感想をお寄せください。
皆さまから頂いたコメント・フィードバックは今後の内容充実のために活用させていただきます。
※ご返答を約束するものではございません。

この記事を書いたコラムニスト

柏木 秀行 (カシワギ ヒデユキ)

医師・社会福祉士・経営学修士

1981年広島県呉市に生まれる。筑波大学医学専門学群を卒業後、福岡の飯塚病院に初期研修医として就職。救急、感染症、集中治療などを中心に研修を行った。地域医療を支える小規模病院に出向した際、医療経営と地域のヘルスケアシステムづくりをできる人材になりたいと感じ、グロービス経営大学院で経営学修士を取得。また、社会保障制度のあるべき姿の観点を、研修医教育に取り入れたいと感じ社会福祉士を取得し育成に取り組む。現在は飯塚病院緩和ケア科部長として部門の運営と教育を行いながら、診療所の経営コンサルトをオフタイムに兼任。緩和医療専門医、総合内科専門医、プライマリ・ケア認定医・指導医。

掲載PR一覧

  • 老人ホーム入居相談窓口