医療と薬について

「がんの早期発見」の意味と「予防医療」への道

岡山の金城です。
岡山は、例年になく寒い寒い年末年始でした。
「春が待ち遠しい!」と感じるのは年齢のため・・・
昨日(1/17)から3月並の気温になり、ほっとしています。

「前回の振り返り」

早いものでコラム第1号から1ヵ月経ちました。
前回(1回目)の最後の文章です。
「私が大学病院で取り組んでいる現代医療はいわゆる「早期発見」「早期治療」という、病気になったものを見つけて、薬なり手術なりでその症状(異常)を抑える対症療法であり、根本的な解決になっていないことを知ったのです。現代医療に人生をかけてきた私にとっては衝撃的な事実でした。」
 
まさに衝撃的な事実を知って「これからどうするのか?」
自問自答しながら3年間を過ごすことになりました。

健康診断は実は病気診断!

今日はわたしが衝撃を受けた現代医療の限界についてのお話です。
 
私が、大学病院で16年間携わってきた現代医療、技術の進歩、薬の進歩、研究の進歩など、現代医療には大きなメリットがあります。それは現代医療に携わってきた臨床医として、ぜひ皆さんにもお伝えしたい事実です。
一方「現代医療には限界がある!」と言う事、このこともぜひ皆さんに知っていただきたい。「大きな限界がある」ということを。
 
多くの日本人が毎年の健康診断、あるいはガン検診を受けています。
普段からむちゃくちゃな生活をしている方も、品行方正にしている方も受ける前はドキドキヒヤヒヤするものです。
みなさんはどちらですか?
 
そして結果が出て「異常なし」という通知が来ると、なぜかほっとします。
なんでほっとするかと言うと「あーよかった。健康だった。」って。
中には「あーよかった体調が悪かったけど、なにも問題なかった。」って。
ほんとうですか?
 
この「健康だった」「問題なかった」という安心感。
ほんとうに大丈夫ですか?

「ガンの早期発見」の本当の意味

ここに大きな勘違いがあると気がついてしまったのです。
 
ガン検診や健康診断が不要だとは思いませんが、ガン検診は「ガンにならない」ために受けるのではなく「ガンになった」ものを見つけるための検査だということ。
どれくらいの大きさのガンを見つけられるかというと、現在のレントゲンやCTではせいぜい1センチ程度になって初めてされるのが実情です。
これを「早期発見」と呼んでいるのですが、1センチのガンになるのにどれくらいの年数がかかっているかご存知ですか?
平均10年!
「えっ、ウソ!」って思うでしょ。
当たり前です。
私も医師15年目にしてそう思ったから。
 
 
「ぜんぜん早期発見じゃないじゃない!」って感じました。
だから、言葉を変えるとガン検診は「1センチになったガンをみつける方法であり、ガンにならない方法ではない」ということ。
「去年OK」「今年OK」は「来年OK」じゃないということです。
だからガンになる人が増えている。
当たり前のことです。予防していないのだから。
そして、残念なことに我々医者は、ガンを早期発見、早期治療する方法は知っているけど、ガンにならない方法(ほんとうのガン予防)については習っていないし、知らないというのが正直なところです。
 
ガン予防検診は、ガンになる前のものではなく、実はガンになったものを見つける検診!

「予防医療」への道

みなさん、ガンにならない方法を知りたいと思いませんか?
ドイツでもアメリカでも「ならない」ための研究(予防医療)がすすんでいるのに「なった」ものを見つけて最先端の医療で治す(早期発見・早期治療)日本の現状に大きな疑問をもったのが1993年でした。 
(次回に続く…)



(表示画像参照元:Photo by Hush Naidoo on Unsplash)

この記事へのコメント

下記入力欄より、この記事へのご意見・ご感想をお寄せください。
皆さまから頂いたコメント・フィードバックは今後の内容充実のために活用させていただきます。
※ご返答を約束するものではございません。

この記事を書いたコラムニスト

金城 実 (キンジョウミノル)

一般社団法人 日本予防医療協会 代表理事

1981年 岡山大学医学部卒業、麻酔科入局
1996年 大学病院から独立、予防医療開始
2002年 病院での“医者がすすめるメディカルダイエット” 3つの提案  
2003年 ドクターダイエットとして開業             
2004年 予防医学セルフチェックの開発・展開
2014年 日本予防医療協会設立

掲載PR一覧

  • 老人ホーム入居相談窓口