認知症の方の入居先を探す場合の有料老人ホーム 6つのチェックポイント

認知症が進行し、在宅では支えきれなかった場合に有料老人ホームを探すご家族は多いと思います。
徘徊、睡眠障害、昼夜逆転、興奮・暴力、幻聴・幻視、介護拒否等認知症の諸症状がご家族を苦しめ、場合により介護鬱の原因ともなります。

ご本人の入居拒否を説得し、何とか有料老人ホーム入居となっても、ご本人の帰宅願望等がひどいことや、職員に対する暴力行為等で折角入居したホームを退居しなくてはならなくなる場合も。

こういう事態を防ぐため、今回は「認知症の方の入居先を探す場合の有料老人ホームのチェックポイント」をご説明していきます。

チェックポイント1職員の配置人数

認知症の方が有料老人ホームに入居された場合、まず最初に起こる問題が「帰宅願望」。
ホーム側では、帰宅の訴えを否定するのではなく、話を聴いて、不安や孤独感を和らげたり、散歩や趣味活動などで気分転換を図ったりします。

こういう場合に必要なのがスタッフの人数。
どんなに経験を積んだスタッフがいたとしても、入居者はこの方一人ではありません。
介護職員が少ないと、一人一人に十分な介護は提供できません。
認知症の方ならなおさらです。
特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームの最低配置基準が、入居者
3人に対し、常勤の介護職員が1名。この基準を満たしているホームを選択するのが最善です。

もう一つの職員配置人数が「夜間の職員配置数」。
入居定員30名以上のホームで夜間職員配置数が1名というホームも避けたほうがよいでしょう。

チェックポイント2精神科もしくは心療内科専門医の往診

認知症の方は、体調管理や精神面のケアも大切

ホームへの訪問診療医に、認知症治療を専門としている精神科もしくは心療内科のクリニックと提携しているかも重要なチェックポイント。

医師と言っても万能ではありません。
専門でもないのに、「私は認知症の治療ができる」という医師には要注意

ホームの効率的な運営、訪問診療医の経済性のために、訪問診療医を選べないホームも多々あります。
そういうホームは避けたほうが良いでしょう。

 

チェックポイント3受け入れ実績

認知症には「日常生活自立度」という判定基準があります。
認知症の方をⅠ~Mランク
までの9段階に分けています。
かかりつけ医師に、ご本人の日常生活自立度を聞いてみて、ホームの受け入れ基準に合致しているかを尋ねてみましょう。


同様の認知症の症状で受入れ実績があるか、どんな症状でも受入れ可能なのか、重度ケアを得意としているのか、認知症のレベルや本人の状態にあった施設選ぶことが大切です。

見学時に既に入居されている方の表情を確認するのも大切。
既に入居されている方が穏やかな表情で過ごしているか、また介護スタッフが本人のペースに合わせ、否定せず共感しながらコミュニケーションをとっているかなど施設の様子をご自分の目でご確認下さい。

チェックポイント4ホームの認知症ケアへの教育方針

ホームの認知症に対する職員への教育方針の確認も大切。

・介護職員や看護職員だけでなく、事務員、厨房職員等に認知症の教育を行っているかどうか。
・ユマニチュードケアの採用等認知症の方に対する特別な取り組みを行っているか。
・職員の中に認知症介護専門員の資格取得者が在籍しているか。
・同一法人で認知症対応型グループホームを複数運営し、異動等で職員の交流等を行っているか。

ホームや運営会社自体の総合的な認知症への取り組みを確認しましょう。

 

チェックポイント5認知症の方が安心できる住環境か

有料ホームの運営は慈善事業ではなく経済的活動という側面もあります。

効率的運営を行うためには、食堂を1か所にまとめる方が効率的。そういうホームが悪いとは言いません。
ただ、認知症の方にとっては、少人数のユニットケアを実施しているホームの方が、顔なじみの職員、入居者とかかわりが持てるので安心してお暮しいただけます。


ホームのフロア構成がユニットケアやフロアケアにしているホームの方が認知症の方には安心して落ち着いて暮らせます。

チェックポイント6健康管理体制

食事や水分の摂取、排泄の支援、睡眠の調整、医療的な支援としてバイタルサインや気分の観察、服薬管理や副作用の確認などがきちんと実施されているか等も重要なチェックポイント

認知症の方は心身面の体調管理がより重要になります。
そういう意味では、健康管理を日常的に行ってくれる看護職員が配置されているかどうかも重要なポイントとなります。
住宅型有料老人ホームやサ高住では、ケアプランに日常の健康管理を行ってくれる訪問看護サービスを提供しているかを確認しましょう。


以上、今回は認知症の方の入居先を探す場合のチェックポイントを6項目説明させていただきました。
おさらいを行うと、


・職員の配置数が入居者3名に対し常勤職員1名以上で、かつ夜間の職員配置が2名以上
・認知症の専門医である精神科もしくは心療内科の医師の訪問診療を受けいれているか
・認知症の方の受け入れ実績、入居者や職員の表情の確認
・認知症に対する職員への教育体制
・ユニツトケアもしくはフロアケアの実施
・看護職員の配置状況


以上のの6つチェックポイントをご紹介しました。
皆様のホーム選びの一助となればありがたいです。

 

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この記事を書いたコラムニスト

荒牧誠也 (アラマキセイヤ)

コラムサイト介護の三ツ星コンシェルジュ編集長

株式会社ベイシス 取締役シニア事業部長
1964年 大阪府大阪市生まれ
1988年 関西電力㈱入社。介護事業子会社 ㈱かんでんジョイライフや医療関係子会社 ㈱かんでん在宅医療サービスの設立や運営に従事。関西電力グループのメデイカル・ヘルスケア事業の企画業務や㈱京阪ライフサポートのM&Aに従事後退職。
2017年 関西電力㈱を退社。㈱ベイシスの取締役シニア事業部長に就任。

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