介護業界 嚙み砕き知識・ニュース

「この人詐欺師かも・・・」 初対面でも商談中にそれを見極める方法は?

「よく分からないがすごそうな人」の名前が次々に・・・

「コスト削減」「スタッフの負担経験」「保険外収入の確保」などをうたって、介護事業所の元には、さまざまな会社が営業にやって来ます。今だと「人材確保」「感染症対策」が多いでしょうか。

もちろん、これらの会社のほとんどは真面目にビジネスをしていますが、中には「インチキ」「詐欺」もあります。
これらの企業と取引して、単に「高い勉強代だった」で済めばいいのですが、場合によっては知らず知らずのうちに違法行為をさせられていて取り返しがつかないことになる可能性もあります。
それだけに取引先の見極めは重要です。

「インチキ」「詐欺」会社にとって、「マスコミで紹介された」というのは信用力アップの大きな武器となります。ですから私が新聞記者をしていたときには、そうした会社が数多く接触してきました。

今回は、私自身の経験から学んだ「インチキ・詐欺会社に見られる特徴」をひとつ紹介しましょう。

 その会社の経営者は初老の男性でした。彼と話をしていて気が付いたのは「話の中に、やたらと人の名前が出てくる」ということです。
もっとも、介護業界はそれほど広くはありませんから、この男性との間に限らず、共通の知人がいるのは珍しいことではありません。また、大手事業者の社長や業界団体のトップなど、「介護業界関係者なら名前を知って当たり前」という人物も大勢います。そうした人たちの名前が商談や雑談の中で出てくることはむしろ日常的です。

しかし、この男性が口にするのは、そうした人の名前ではなく、「中国○○省の高齢者福祉担当のナンバー3」とか「シンガポールの医療系大学の教授」など、肩書は立派ですが「こちらが絶対に会ったことがないような人物」「実在していることをすぐに確かめようがない人物」ばかりなのです。

このように「なんだかよくわからないが『すごそうな人物や組織』の名前を矢継ぎ早に出してくる人物」は要注意です。

交換した名刺を常に大量に持ち歩き

そして、この男性は、そうした人たちの名刺を常に大量に持ち歩いていました。
名刺入れはパンパンに膨れ上がっており、前述した「なんだかよく分からないがすごそうな人物」の名前が出る度に、その中から名刺を探し出して「ほら、この人」と示していました。

「名刺を持っているなら、その人物は実在しているのではないの?本当に知り合いなのではないの?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、今は名刺をパソコンで簡単に作れます。名刺だけでは、その人が実在する、仮に実在していても本物の名刺であることの証明にはなりません。
また、その名刺が本物だとしても、名刺交換だけならパーティーや展示会などで簡単にできます。「名刺を持っている=その人と親密」というわけではありません。「顔見知り以下の存在」でも名刺を持っているケースは少なくありません。

加えて、今は、名刺はパソコンやスマートフォンにデータを入力したりして管理することが一般的です。
電話番号もメールアドレスもそこに入っていますから、実際の名刺を取り出して電話番号やメールアドレスを打ち込んで連絡することはまずありません。やり取りを頻繁に行う必要がある重要人物の名刺ほど、そうした管理方法になるでしょう(本人のITに関するスキルの問題もありますから、一概には言えませんが)。

「昨日名刺交換をして、まだデータ化していない」ならともかく、半年や1年も前に貰った名刺を名刺入れの中に入れて持ち歩いているのは「自分を信用させる上での『見せ名刺』」である可能性が高い」と私は判断しています。

案の定、この男性はあちこちでトラブルを起こしている「いわくつき」の人物でした。

今回はほんの一例を紹介しましたが、この他にも「インチキ」「詐欺」の会社に共通してみられる言動はいくつもあります。

また、それは言動だけでなく、パンフレットやチラシ類、求人広告などの文言に現れることもあります。

それらについては、また折をみて紹介していきたいと思います。

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この記事を書いたコラムニスト

西岡 一紀 (ニシオカ カズノリ)

なにわ最速ライター

介護・不動産・旅行

介護系業界紙を中心に21年間新聞記者をつとめ、現在はフリーランスです。
立ち位置としてじ手は最もキャリアが長い介護系が中心で、企業のホームページ等に掲載する各種コラム、社長や社員インタビューのほか、企業のリリース作成代行、社内報の作成支援などを行っています。

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